ESG投資とは? ESGの意味から具体的な投資方法までわかりやすく解説

(画像=Deemerwhastudio/stock.adobe.com)

近年の投資のトレンドとして挙げられるESGですが、ESG投資という言葉を聞いてもその詳細な意味や具体的な投資先について知らない方も多いことでしょうか。環境問題に関わる企業などに投資するという認識は間違っていませんが、ESG投資の側面の1つに過ぎません。

本記事では、ESG投資の意味から主な投資手法、メリット・デメリット、実際にESG投資を実践するための方法について解説します。

ESG投資とは?

ESGはEnvironment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の頭文字を取った言葉であり、企業が取り組むべき課題を表したものです。この3つの課題は企業が恒久的に成長する上で必要であると認識されています。なぜなら、気候変動などの環境問題や、従業員の人権問題が問題視される中で、ESGに配慮しない企業はリスク管理ができていないと判断されるからです。具体的な3つの課題に対する取り組みの一例をまとめました。

  • Environment(環境):事業で排出される二酸化炭素の削減
  • Social(社会):男女や国籍にとらわれない公平な人材活用
  • Governance(企業統治):投資家などへの積極的な情報開示による透明性のある経営

ESGに熱心に取り組む企業は、長期的に事業を継続しやすく、成長が期待できます。上記のようなESGに関する企業の取り組みを投資家が評価・分析を行い投資することをESG投資といいます。

ESG投資の主な手法について

持続可能な金融を支援する国際組織「Global Sustainable Investment Alliance(GSIA)」によると、ESG投資の手法として7つに分けられています。

投資手法 内容
ネガティブ・スクリーニング ESGにそぐわないと判断される事業を除外
ポジティブ・スクリーニング 同種の事業と比較して評価が高い企業を選定
規範に基づくスクリーニング ESGの国際規範を満たさない企業を除外
エンゲージメントと議決権行使 株主が企業に対してESGに関する働きかけをする
ESGインテグレーション 従来の財務分析にESGの概念を組み込む
テーマ投資 サステナブルに関するテーマに投資する
インパクト・コミュニティ投資 ESGに関する問題を解決することを目的に投資する

参照:GSIA「Global Sustainable Investment Review 2016

この中でも最も古い投資手法がネガティブ・スクリーニングであり、タバコやギャンブルなどのESGにそぐわない事業を行う企業を除外する方法です。一方で普及している投資手法には、ESGインテグレーションが挙げられます。これまでの投資先の選定基準に加えてESGの概念を組み込むことで、より長期的な成長を見込める投資先が選定しやすくなる手法となっています。また、サステナブルとは、クリーンエネルギーや、持続可能な農業などのESGとの関連性が高いテーマを指します。

ESG投資のメリット

ESGに挑戦する企業は持続可能な成長を考えている場合が多いので、長期的な業績の向上に期待できます。長期投資を考えるなら、成長性の高い投資対象を選ぶことが重要です。ESGを意識して投資先を選定することは、将来的に高い利益を生む投資対象を選ぶことにつながります。また、環境問題に関わる投資対象に投資するのであれば、間接的な社会貢献になります。

ESG投資のデメリット

一方で、ESG投資がトレンドであることを利用して、グリーン・ウォッシュと呼ばれるESGに取り組んでいないにも関わらず、取り組んでいるように装う企業もいます。このような企業の特徴には、ESGに関する取り組みに対して具体的なデータや根拠を提示しない曖昧な報告や、不正確な情報や、関係のない情報を引き合いにして主張することが挙げられます。

報告書だけでは、ESGに関する課題に正確に取り組んでいるかどうかを判断するのは難しいです。それを逆手に取りESGに取り組む振りをする事業者も存在するので、ESG投資で投資先を選定する際は注意が必要です。

ESG投資を実践するための方法とは?

それでは、具体的にESG投資を実践するための方法を紹介します。

  • ESG企業の個別銘柄を探す
  • ESGをテーマにした投資信託に投資する
  • グリーンボンド債などの債券を購入する
  • ESG関連の不動産投資クラウドファンディング

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ESG企業の個別銘柄を探す

株式投資において、ESGに取り組む企業を自身で探して投資することもできます。この場合は、前述したグリーン・ウォッシュを見抜くことも重要になるので、投資経験の少ない方には難易度の高い投資方法です。投資先によっては高い利益を生む可能性もありますが、ESGに取り組んでいても成長性が低い銘柄もあるので、企業分析に自信がある上級者向けの投資になります。

ESGをテーマにした投資信託に投資する

初心者向けの実践方法としては、ESGをテーマにした投資信託を探して投資する方法があります。サステナブルに関連するテーマを持つ商品を探せば、投資信託側で関連する投資先を選定しているので、自身で投資対象を選ぶことなく複数のESGに関連する投資先に対して分散投資できます。ESGをテーマにした投資信託は多くの証券会社で購入可能です。

グリーンボンドなどの債券を購入する

ESGのそれぞれのテーマに特化した債券であるグリーンボンド(環境)、ソーシャルボンド(社会)に加えて、両方のテーマに資金を調達するサステナビリティボンドがあります。債券は、投資対象にお金を貸す代わりに利子収入が得られる投資方法であり、満期時には発行体が返済不可能である状況を除いて元本が返還されるのが一般的です。しかし、外貨建債券を購入した際に発生する為替差損による元本割れに関してはこの限りではありません。グリーンボンドなどの債券は一部の証券会社などで取り扱いがあります。

ESG関連の不動産投資クラウドファンディング

近年では建物から発生する二酸化炭素などを理由に、不動産業界においてもESGが求められています。環境に配慮したマンション・アパートの建設や、地域振興を目的としたプロジェクトに投資する形でESGに関わることも可能です。クラウドファンディングでは、運用期間が定められており、運用期間中は出資額に対して一定の利率で収入が得られる仕組みになります。

具体的には、地域振興を目的にした保育園の建設や、再生可能エネルギーを作るための太陽光発電設備などの開発プロジェクトが挙げられます。社会貢献性が高いテーマが多いので、利益を得るだけでなく社会貢献を実感しやすい投資方法といえるでしょう。

ESGは投資を通してさまざまな手段で関わることができる

ESGに関する投資対象は現在進行形で増えており、投資を通してさまざまな形でESGに関われます。持続可能な事業や開発を目的としていることから、長期的な成長を期待できるため、投資先を選定する方法として人気が高いです。

また、社会の課題解決に関わるテーマであることから、投資を通して社会貢献ができるのも魅力になります。ESGという投資テーマは、単純に環境問題に関わる投資先に投資するのではなく、長期投資におけるリターンの拡大とリスク回避に長けており、非常に合理的な投資方法といえるでしょう。

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