下落相場で利益が出る!「日経ダブルインバース」とはどんな商品か

(画像=and4me/stock.adobe.com)

リーマンショックやコロナショックなど株式市場は、時に大きな下落相場に見舞われます。そうした大きな下落相場でも利益を出せる金融商品をご存じでしょうか。その商品の一つが「日経ダブルインバース」です。資産運用のリスクヘッジにもなる「日経ダブルインバース」の商品概要や、なぜリスクヘッジになるのかについて解説します。

株式市場は時に大暴落が起こる

戦後の株式市場は、以下のタイミングで大きく下落した例があります。

年度名称(主な要因)日経平均下落率(2020年5月11日時点)
1987年ブラックマンデー(ドル安に伴うインフレ懸念)▲14.90%(1987年10月20日)歴代1位
2008年リーマンショック(リーマンブラザーズの破たん)▲11.41%(2008年10月16日)歴代2位
2011年震災ショック(東日本大震災)▲10.55%(2011年3月15日)歴代3位

日経平均株価もブラックマンデー(1987年)やリーマンショック(2008年)、東日本大震災(2011年)、そして2020年のコロナショックと大きな下落に見舞われてきました。そのたびに、少しずつ増えてきた株式資産が一気に評価損に転落する経験をされてきた人もいるのではないでしょうか。株式取引のリスクヘッジの観点から、1987年に大阪証券取引所に日本初となる株価指数先物市場「株先50」(1992年に取引休止)が開設されました。

市場開設以来、リスクヘッジの有力な方法になっていますが、機関投資家ならともかく、個人投資家にとっては先物取引になじめない人も多いのが実情でした。そこで個人投資家でもリスクヘッジしやすいように、2014年に上場したのが日経ダブルインバースというETF(上場投資信託)です。日経ダブルインバースの正式名称は「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信<1357>」。

商品名にあるように、日経平均ダブルインバース・インデックスという指数に連動し、日経平均が前日比1%下落すると2倍の約2%上昇するように設計されています。インバース型のETFは数本上場していますが、出来高が多く話題になるのが日経ダブルインバースです。

「日経ダブルインバース」がリスクヘッジになる

日経ダブルインバースが上場したことにより、現物で株式投資のリスクヘッジを手軽に行えるようになりました。2020年2~3月にかけて起こったコロナショックによる大暴落時に、日経平均と日経ダブルインバースがどのような動きをしたのか、確認してみましょう。先述したように日経平均の下落幅に対して、日経ダブルインバースは約2倍の幅で上昇するように商品設計されています。

以下のチャート1の日経平均は2020年2月下旬の2万3,000円台から一本調子で下落して、3月中旬には1万6,000円台までの大暴落となりました。

▼チャート1 日経平均終値の推移(2020年2月3日〜4月30日)

一方以下のチャート2の日経ダブルインバース<1357>では、2月下旬の900円割れから日経平均の大暴落と逆行するように急騰し、3月中旬には終値で1,600円台後半を付けています。もし2月の下旬にリスクヘッジとして日経ダブルインバースをある程度の規模で購入していれば、他の持ち株の評価損をかなりカバーできたのではないでしょうか。

▼チャート2 日経ダブルインバース<1357>終値の推移(2020年2月3日〜4月30日)

ただし、日経ダブルインバース<1357>は相場が下落したときのためのリスクヘッジ商品です。そのため日経平均が何連騰もするような上昇局面になった場合は、保有している日経ダブルインバースの評価損が増えます。また分配金はこれまで支払い実績がありませんので、インカムゲインを期待できないのもデメリットです。

「日経ダブルインバース」で利益を出すチャンスとは

リーマンショックやコロナショックのような極端な下落相場は、そうめったにはありません。平常時の相場において、日経ダブルインバースで利益を出すにはどうしたらよいのでしょうか。チャンスとなるケースを見てみましょう。

例えば、ニューヨークダウ先物が急落しているのに日経平均が急騰(ダブルインバースは急落)しているときは、利益を出すチャンスになります。NYダウ先物が下落すると、当日のNY市場でNYダウ現物も下落するのが一般的です。すると、翌日の日経平均はNY市場の流れを受けて下落(日経ダブルインバースは上昇)する確率が高くなります。こうした局面をうまく生かせれば、利益を出せる可能性が高くなります。この商品は、短期スパンの投資スタイルにも向いているといえます。

リスクヘッジで資産運用の安定化を図る

資産運用においては「減らさないことが大事」という考え方もあります。なぜなら、株価は上がるときよりも下がるときのほうが速いからです。そこで、日経ダブルインバースを常にポートフォリオに組み入れておくことも、資産運用の安定化を図る方法として有効ではないでしょうか。日経平均が下がれば、日経ダブルインバースは確実に上がります。

そのため、持ち株の評価損益が一定程度平準化され、リスクを軽減することが期待できるでしょう。逆に日経ダブルインバースが下落するようであれば、他の持ち株は上がっている可能性が高いので「どちらに転んでもよい」という結果になります。先物取引や空売りには手を出したくない人には、日経ダブルインバースはリスクヘッジとして有力な選択肢といえるでしょう。

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