資産運用の際、安定と成長を兼ね添えた分散投資をするには?

(画像=JohnKwan/Shutterstock.com)

ポートフォリオとは、資産運用をするにあたり、どのように金融商品を組み合わせるかの内訳のことです。この具体的な資産配分の塩梅によってリスクとリターンの大きさは決定します。たとえば、銀行の普通預金だけであれば、資産はほぼ増えないかわりに減りもしません。一方で、仮想通貨やFXだけに投資をすれば大きな利益が出る可能性があるかわりに、大きな損失を被るおそれもあります。

では、適正なポートフォリオにはどのようなものがあるのでしょうか。本稿では資産運用のポートフォリオについて説明します。

資産分散の一例

投資はお金を増やすことが目的ですが、同時にリスクも考えなければなりません。たとえば1つの株式銘柄だけに全財産を投資した場合、株価が上昇すれば大きく儲かる可能性もありますが、株価が大幅に下落するおそれもないとは言えません。このリスクを避けるためには投資先を分散することが効果的です。

このための資本の投下割合を「アセットアロケーション」と呼び、投下された金融商品の組み合わせを「ポートフォリオ」と呼びます。資産分散の一例を挙げてみましょう。

保有資産の内訳(ポートフォリオ)と割合(アセットロケーション)金額
現金50%500万円
保険10%100万円
有価証券(40%)国債10%100万円
日本株10%100万円
外国株10%100万円
外国債10%100万円
資本総額1,000万円

では、なぜこのようなかたちでリスク分散を行うのでしょうか。それは、お金にはいくつかの使途があるためです。

・資産は4つに分けて考える
お金(資産)というものは、大きく4つに分けて考える方法があります。

(1)生活資金
1つ目は日常の生活資金。これは生活の維持のため、現金や預貯金として平素から使えるようにしておくお金です。

(2)ライフイベント
2つ目はライフイベントのためのお金。人生には結婚や出産、住宅の購入など、いくつかのライフイベントがあります。そのときのために蓄えておきたいお金です。このようなお金は預貯金のほか、国債などの安定的な投資が適しています。

(3)万一の際のお金
3つ目は万一の際のためのお金です。どんな人でも病気はしますし、時に事故やけがをすることもあるでしょう。また転職期間など、急な出費が発生することもあり得ます。これらは預貯金のほか、保険などを活用することも可能です。

(4)長期的な視点のお金
人生にはいくつかの段階がありますが、今や若いころから老後に備えての蓄えをしておくことは必須事項になりつつあります。老後の生活費として蓄えておくお金は大切です。この場合、預貯金をしておくことは大切ですが、それと同時に時間を味方につけて国債や安定株などにコツコツと投資していくことも必要です。

分散投資が効果を発揮するときとは?

公的年金の不足が囁かれている現代、老後の生活を見据えると今や投資は必ず行っておきたいところです。しかし、せっかく投資をしたにも関わらず、「10年、20年経ってみたら資産が減っていた」というのでは意味がありません。投資には、それぞれに資産が減るリスクがあります。以下に主だったリスクの種類を挙げてみましょう。

(1)インフレリスク
インフレリスクとは物価上昇のリスクです。たとえば100万円の現金を持っており、それをタンス預金にしたとしましょう。一見リスクが少ないように感じるかもしれませんが、30年前の物価は現在の約半額だったため、30年前からタンス預金していたとすると、その間お金の価値が下がってしまったと考えられます。

つまり、100万円の現金を30年間保有し続けるとその価値は今の半額になってしまうおそれがあります。

(2)カントリーリスク
日本市場は比較的安定していますが、外国市場の中には政治や地域情勢などが引き金となることで為替や証券市場などが大きく変動することも少なくありません。政情が不安定な国は外貨獲得のため、国債などの金利は引き上げられる傾向にあります。しかしデフォルトなどが起こるリスクも相応に高くなるため、注意が必要です。

これらを避けるためには、外国市場の中でもさまざまな国に通貨や国債を分散させることが有効です。

(3)流動性リスク
金融商品の中には売りたくても買い手がつかず、売買しにくいものがあります。たとえば美術品の中には価値は高くても、買い手がつかないものは少なくありません。また2015年、中国株は大幅な下落をしたことが要因となり、一時期株式が取引停止になりました。これらはカントリーリスクと流動性リスクのあいまったものとも言えるでしょう。

分散投資の方法

分散投資は、債券や株式など、金融資産の分散ばかりではありません。同じ国内株であっても業種を分散させたり、銘柄を分散させたりする方法があり、これらは商品の分散であるといえるでしょう。また上述したように一つの国・地域だけに投資せず、アメリカとアジアや先進国と新興国など、さまざまな国に投資をすることでリスクを避ける手段もあります。

さらに時間を分散させる方法はとくに有用です。日経平均株価の過去最高値は1989年12月29日の3万8,957円ですが、2008年10月28日には6,994円まで値下がりしています。このように国内の株価であっても騰落を繰り返しているため、同じ銘柄に対してある一時期だけではなく一定期間ごとにコツコツと買い増してゆく方法もリスクを避けるためには効果的です。

資産分散のためには情報収集が不可欠

金融市場は流動的なものです。今人気のある市場であっても、いつ引き潮が始まるかは誰にもわかりません。また市場は政治情勢や国際情勢などでも大きく変動します。このため資産を分散した後も定期的な見直しは不可欠です。そしてそのためには常に情報収集を怠ってはいけません。市場動向には絶えずアンテナをめぐらせ、リスクヘッジを行えるように心がけましょう。

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