温故知新「バブル経済」とは何だったのか

(写真=Watchara Ritjan/Shutterstock.com)

歴史は繰り返すと言いますが、現状の不動産価格の高騰の前に、かつて圧倒的な暴騰で不動産市場を席巻したバブル景気の時代がありました。今や若手・中堅の世代にとってバブル時代は遠くなじみの薄いものとなりつつありますが、同時に景気は繰り返すものとして、今、バブル時代について大いに注目されつつあります。そこで本稿ではバブル時代とはどのような時代であり、そしてバブルはどのような仕組みで生まれたのかについて説明します。

バブルとは何を指しているのか

バブル景気とは、実際の経済活動とはかけ離れたかたちで市場が暴騰することを指します。しかしこれはあくまでも実際の経済とは関係が薄いため、暴騰に市場が嫌気すると、その価値は途端に下落してゆきます。中身がないのに大きく膨れ上がり、そして破裂することから、この経済を泡にたとえてバブルと呼んでいるのです。

日本でも90年代の初頭よりバブル景気が興隆しましたが、これはプラザ合意後の急激な円高が原因であると言われています。バブルはたとえれば、一過性のブームで変わった品にプレミアムがつくようなものです。テレビなどのメディアで採り上げられて一躍人気になった商品などが、一気に高騰し、そしてブームが過ぎた途端、誰にも見向きもされなくなる。このような実体のない景気がバブルだと言えるでしょう。

バブル時代とはどのようなものだったのか

アベノミクスは「官製バブル」と呼ばれることもあるように、人為的なバブルを起こそうとしたと言われています。では、実際にバブルが起こるとどのような影響が起こるのでしょうか。

まず挙げられるものが「好景気」です。急激な円高による「カネ余り」によって行き場を失ったお金が国内市場になだれ込み、株価や不動産価格を暴騰させました。バブル景気の始まり頃と言える1989年には日経平均株価が、日本市場最高の38,957円をつけたのです。

特に不動産価格の高騰は凄まじく、東京23区だけでアメリカ全土を買えると言われていたほどです。現代においても不動産価格は加熱していますが、バブル景気の頃のような圧倒的な暴騰よりは遥かにゆるやかなものだと言えるでしょう。

また、バブル景気の引き金となったものは日銀による公定歩合の引き下げです。金利が低下したことで市場に大幅にカネが流入し、それによって市場が大いに潤った面があります。現在でも日銀はマイナス金利を導入していますが、これらはある程度、不動産価格の高騰に一役買っており、将来的に再びバブル景気が訪れるとしたら、その要因の一つとなる可能性があります。

米国のバブルと金融危機

歴史は幾度も繰り返すものです。温故知新としてバブル時代を知っておくと、いざというとき、重要な判断指標とすることができるでしょう。現在では不動産が飛ぶように売れていますが、では、いざマイホームの購入などを考えると、たとえば郊外の一戸建てなど、さまざまなプランを検討するはずです。しかし首都圏への一極集中などを考えると、それはあまりおすすめできません。このことは、米国のバブルからも窺えます。

米国では2001年頃から不動産価格が高騰し始めました。この原因はサブプライム(優良層の下)の生活層の人々に、不動産ローンを貸付始めたことによるものです。そしてそのローンは、サブプライムローンとして証券化され、さまざまな金融商品に組み入れられました。

しかし、優良層ではない人々による不動産投資は、大量の不良債権を生み出しました。そして2007頃、住宅価格が下落し始めたのをきっかけに、サブプライムローンが不良債権であることが次第に露呈してゆき、やがてはなだれのような投げ売りとなったのです。また現実にはアメリカ中で不動産がまったく売れない状況に陥りました。これらの余波を受け、世界的な証券会社であるリーマン・ブラザーズが倒産しました。これが世界金融危機を招いた米国版バブルである「リーマン・ショック」事件なのです。

バブルも参考にした賢い運用を

同様に国内不動産においては少子高齢化と首都圏への人口流入を考えると、郊外の不動産価格は次第に低下してゆくおそれもあります。不動産投資を行う際には、かつてのバブルも参考にした賢い運用を行えるようにしたいものです。

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