コロナ禍だからこそ気をつけたい!古典的手口「ポンジスキーム」の見破り方

(画像=jorm-s/stock.adobe.com)

世の中には、さまざまな悪徳商法や詐欺まがい商法がはびこっています。その中でも非常に古典的でありながら今もなお被害が後を絶たない「ポンジスキーム」という手口をご存じでしょうか? 「ポンジスキーム」という言葉自体は知らなくてもこれまで何度もニュースを騒がせてきた悪徳商法や悪徳業者の名前を聞けば「それなら知っている」という人もいるでしょう。

例えば2020年9月には「ジャパンライフ」という健康器具販売会社の元会長ら旧経営陣14人が逮捕されました。「ジャパンライフ」は、単に健康器具の販売だけではなく実態は「ポンジスキーム」そのものだったのです。「ポンジスキーム」は、古典的な手口にもかかわらず「なぜだまされてしまう人がいるのか」と感じている人も多いのではないでしょうか。

2020年現在もポンジスキームの詐欺で逮捕者が出ている状況です。特に2020年以降はコロナ禍による経済の先行き不安などから悪徳商法や詐欺まがい商法が増え、さらに被害が拡大しやすくなることが懸念されます。そこで本記事では「ポンジスキーム」の基本的な手口や主な事例、見破り方などを解説していきます。

ジャパンライフが加担した「ポンジスキーム」の手口とは?

ポンジスキームの語源は、1920年代のアメリカにさかのぼります。当時投資詐欺として有名になったチャールズ・ポンジの名前が由来となっているのです。約100年以上も前から横行していた「典型的な詐欺の手口」ということが理解できるのではないでしょうか。ポンジスキームは、「高配当が受けられる」「大儲けできる」といった消費者の欲に訴えかけるセールストークを展開していきます。

その結果、出資をさせたり高額な商品を買わせたりするように誘導して、消費者や出資者からお金を集めていくのです。しかし運営実態は、後から入ってきた新規顧客から得たお金を古くからの顧客に支払うことで順調に運用しているように見せかけているだけなのです。つまり出資された資金を配当金に回して運用しているため自転車操業状態であり、当然長期的に経営が続くはずもありません。

例えば、運営側が出資金を配当金に回さず浪費をしてしまえば配当原資が枯渇して最後は破綻にいたります。これがポンジスキームの全容です。「ポンジスキーム」は、最初に配当が約束通りに支払われることが多いため、謳い文句を信じてしまう人が少なくありません。「これは良い儲け話だ」と信用してしまった人が、さらに多くのお金を詐欺師に渡してしまうのです。

そういったことを繰り返すうちに「運営者が破綻する」「行方不明になる」というのがお決まりの展開です。当然被害者たちには、お金が戻らず大きな損失を被ることになります。ジャパンライフの事件では、数百万円もする高額な健康器具を販売していました。しかしこれをレンタルに出すことで収入となり、それが高利回りになると謳ってお金を集めていたのです。そのお金がどう使われたのかは、言うまでもないでしょう。

過去にあった有名な「ポンジスキーム」事例

ポンジスキームは、古典的な手口のため過去にも国内外を問わずさまざまな事件が世間を騒がせてきました。

ナスダック事件

ポンジスキームの中でも最大規模といわれているのがアメリカの「ナスダック事件」。これは、今やアメリカのハイテク株市場として知られるナスダックを創業したバーナード・ローレンス・マドフという人物が仕掛けた「ポンジスキーム」です。何といっても目を引くのは、約4兆5,000億円という被害総額の大きさ。

ナスダックを創業した人物で、当初は高い配当を出していたことから信用した投資家が殺到し、結果的に巨額詐欺事件となりました。

ビットクラブ事件

仮想通貨のマイニングプールが悪用された「ビットクラブ事件」では、仮想通貨が話題を集めていたことで注目を集めました。

海外だけでなく日本でも過去に「安愚楽牧場事件」「オレンジ共済組合事件」「円天」などをはじめ、実に多くの「ポンジスキーム」による事件が発生しました。当然これまでにも「ポンジスキーム」に対する注意喚起はさまざまな形でなされており、だまされた人たちも好き好んでだまされたわけではありません。

しかしこれだけ多くの「ポンジスキーム」が発生しており、たくさんの人が被害に遭っていることが現実です。今後も同様の事件が起こる可能性は十分にあります。

コロナ禍と「ポンジスキーム」の危険な罠

景気の先行きが不透明になると、人はどうしても不安を感じるあまりにお金儲けの話に弱くなりがちです。詐欺師は、そんな人間の不安な心理につけ込むことが非常に得意なため、コロナ禍で経済や社会全体に不透明感が広がっている状況は、新手の悪徳商法が蔓延するリスクが高いといえます。もちろんその中には「ポンジスキーム」に分類されるような手口も含まれる可能性があるのです。

通常時であればだまされないような人であってもコロナ禍に伴い「何らかの不利益が生じた」「今後それが予想される」といった場合には、精神的に不安定となり心にスキマができてしまう可能性があります。この心のスキマが詐欺師にとっては思うつぼになってしまうのです。

「ポンジスキーム」を見破る方法

では、ポンジスキームに引っ掛からないようにするには、どのような対策をすればよいのでしょうか。「ポンジスキーム」を見破る方法は、簡単です。以下のような2つの文言や内容が含まれている場合は、「ポンジスキーム」を含む何らかの悪徳商法の可能性があります。

  • 法外な高配当
  • ラクして大儲け

1.法外な高配当

ゼロ金利が当たり前の時代において利回りは、5%や10%でも十分高いと感じる人が多いでしょう。しかし悪徳商法に誘い込むための宣伝文句では100%や500%といった法外な数字が並びます。そんなに高い利回りが出せるようなビジネスはそもそもないでしょうし、仮にあったとしても専門性が高く経験のない人が参入しても再現することは不可能です。

百歩譲って素人でも参入できる儲け話があったとしても、それをわざわざ他人に教える人はいないと心得ましょう。

2.ラクして大儲け

「ラクして大儲け」「簡単に儲けられる」といった内容は、「ポンジスキーム」でよく見かける文言です。ラクをして大儲けをしたいのは人間にとって万国共通の思いでそれを的確に突いてくるのが詐欺師の常套手段といえるでしょう。冷静に物事を考えられる人であれば「ラクをして大儲けなんてできるはずがない」という感覚は持っているものです。

しかし詐欺を行う悪徳業者もそれを踏まえたうえで「これなら可能」と巧妙なロジックを組み立ててきます。そのため「ラクして大儲け」というニュアンスの文言がある時点で機械的に「ポンジスキーム」と警戒したほうが賢明です。

これら以外にも怪しげな商品や商法はたくさんあるため、以下の内容もあわせて注意しておきましょう。

  • 株やFXの必勝法販売
  • 投資オンラインサロン
  • 高価な情報商材

こういった類の宣伝や広告、案内などを見聞きしたことはある人もいるのではないでしょうか?確実にいえることは「投資に必勝法はない」という厳然とした事実です。人によっては、必勝パターンのようなものがあると豪語する人もかもしれません。しかしそれはその人が自分で編み出したその人だけの手法です。同じことを他の人が再現できるとはかぎりません。

ラクして儲けは得られない!日ごろから投資情報にアンテナを張ろう

投資の世界は、儲けるための「必勝パターン」といっても100%ではなく損をすることもあるはずです。自分の必勝パターンを持っている人は、時には損をすることも含めてトータルで利益を出す考え方を持っています。人間の金銭欲を満たすような分野の宣伝や勧誘であっても、すべてが「ポンジスキーム」のような悪徳商法ではない可能性もあるでしょう。

しかし投資は基本的にすべて自助努力と自己責任の世界です。そのため他人に依存している時点で「その人の投資家としての成功はない」と考えても良いでしょう。なぜなら一つの必勝法を会得したとしても相場環境は常に変化しているため、根本的な「投資力」がなければ対応できなくなっていくからです。ただ投資を勉強すること自体は決して無駄ではなく有意義なため成功の第一歩といえます。

最初からラクをして儲けようとせず、自分の努力で成功するためのステップを一歩ずつかけあがっていくことが実は成功への最短ルートといえるのではないでしょうか。

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