最高の睡眠のための話題の3冊 すべての本に共通する大事な習慣とは

(画像=fizkes/stock.adobe.com)

ここ数年、理想的な睡眠をテーマにした本が次々にベストセラーとなっています。その主な読者層は、睡眠の質を高めて仕事のパフォーマンス向上や健康の維持増進を図るビジネスパーソンです。ここでは、最高の睡眠をテーマにした話題の3冊にフォーカスし、3冊に共通する大事な習慣を紹介します。

今回選んだ、最高の睡眠をテーマにした3冊の本はこちら

今回取り上げる本は、いずれもアマゾンで人気があり評価の高い本です。

『睡眠こそ最強の解決策である』(SBクリエイティブ)
『スタンフォード式 最高の睡眠』(サンマーク出版)
『世界の最新論文と450年企業経営者による実践でついにわかった 最強の睡眠』(SBクリエイティブ)

※2020年9月4日時点で平均評価★4つ以上

これらは「最高」「最強」を冠しているだけに、それぞれの著者が豊富な知見や体験をもとに理想的な睡眠をとるための具体的な方法が詳しく書かれています。

最高の睡眠によって私たちは何を得られるのか?

最高の睡眠をとると、具体的にどんな効果があるのでしょうか。3冊の本が提示するメリットをまとめると、以下のようになります。

  • 死亡リスクが低くなる
  • 糖尿病や高血圧などの生活習慣病リスクが低くなる
  • 太りにくくなる
  • 仕事のパフォーマンスが上がる

これらの効果は、十分な睡眠時間を確保し(平均7時間程度)、深い睡眠時間帯(ノンレム睡眠)を作ることで実現できます。

著者はアメリカの睡眠学者、スタンフォード教授、寝具メーカー副社長など

同じ「最高・最強の睡眠」をテーマにした本でも、著者のバックボーンはまったく違います。この違いが、それぞれの本の個性を形成しています。

『睡眠こそ最強の解決策である』マシュー・ウォーカー

著者のマシュー・ウォーカー氏は、健康と睡眠の関係を研究し、数多くの調査を行ってきた睡眠科学者で、カリフォルニア大学バークレー校教授の肩書きを持ちます。その豊富な知見とデータで「睡眠不足は寿命を短くする」ことを証明し、最強の睡眠をとるためのポイントを解説しています。

『スタンフォード式 最高の睡眠』西野精治

こちらの本の著者・西野精治氏も睡眠における世界的な専門家で、スタンフォード大学医学部精神科の教授です。約30年間、スタンフォードで睡眠を研究し続けてきた経験をもとに、「読者の睡眠を史上最高にする」ための具体策を提案しています。

『世界の最新論文と450年企業経営者による実践でついにわかった 最強の睡眠』西川ユカコ

上記の2冊とは違う視点から睡眠にアプローチしています。著者の西川ユカコ氏は、睡眠改善インストラクターです。西川氏はもともと約10年のキャリアを持つ雑誌編集者でしたが、寝具メーカーの昭和西川の創業家一族だったことから同社へ入社。社内で孤立する中、体を壊したことをきっかけに睡眠の実践的研究を重ねてきました。その経験と収集したデータをもとにアドバイスをしています。

※肩書きなどはすべて出版当時のものです。

最高の睡眠のための3冊に共通する「大事な習慣」とは?

これら3冊すべてに共通する大事な習慣は、どれも少しの努力で実行できることばかり。試してみる価値はありそうです。

大事な習慣1:(朝または日中に)太陽光を浴びる

太陽光を浴びることが重要な理由は、体内リズムを整えるメラトニンが増加しやすくなるからです。ただし太陽光を浴びる理想の時間は、それぞれの本で違います。マシュー・ウォーカー氏は「1日30分以上」と述べており、西野精治氏は「数分程度」のわずかな時間でも、雨や曇りの日でも効果があると説明しています。西川ユカコ氏は、夜間のスマホやパソコン操作によるブルーライトの弊害にも触れています。

大事な習慣2:カフェインを午後2時以降はとらない

血中のカフェイン濃度は下がるのに時間がかかるので、夕方以降はコーヒーやお茶をとらないほうがいいというのが3冊に共通する意見です。プラスアルファのアドバイスとしては、マシュー・ウォーカー氏はカフェインに加えてニコチンも避けるべきと述べています。西野精治氏は、コーヒーを飲んでも問題ない時間には個人差があるものの、自身は午後2時ごろをリミットに設定しているそうです。

大事な習慣3:寝る前にお酒を飲み過ぎない(または飲まない)

アルコールは、飲み方によっては睡眠の質を大きく落とす原因になるので注意が必要です。西川ユカコ氏は国際アルコール学会の報告をもとに、お酒を飲むと眠りが浅くなると指摘。またトイレに起きやすくなったり、イビキをかきやすくなったりするそうです。マシュー・ウォーカー氏も、お酒を飲むとノンレム睡眠が失われて眠りが浅くなると説明しています。

西野精治氏は、睡眠を妨げない具体的なお酒の量を提示しています。その人の体重によっても変わりますが、「日本酒換算で1合程度」までなら睡眠導入の効果があると述べています。お酒を飲む時間は、寝る100分前までであれば翌日に影響がないとしています。

大事な習慣4:就寝前の運動は控える

仕事を終えた後にランニングをする、あるいはジムに通うなどの習慣があるビジネスパーソンは多いでしょう。このような習慣は運動不足を解消するので、健康に良いイメージがあります。しかし、交感神経が優位になることで睡眠導入が妨げられる可能性があるのです。

マシュー・ウォーカー氏は、毎日最低30分の運動を習慣化すべきとする一方で、運動は就寝の2〜3時間前までに終わらせるべきだと述べています。西川ユカコ氏は、運動は就寝の3時間前までに終わらせ、就寝前に身体を動かすならストレッチ程度が良いとアドバイスしています。西野精治氏はストレッチが質の良い睡眠には有効としつつも、あまり真剣にやると脳が活動するためスムーズな睡眠を妨げる要因になると説明しています。

大事な習慣5:お風呂の睡眠導入効果を上手く使う

「お風呂の入り方や入る時間が睡眠に大きな影響を及ぼす」というのが三者の共通意見です。お風呂が重要な理由は、スムーズな睡眠導入のカギを握るのは体温コントロールだからです。基本的には、睡眠が近づくにつれ体温を下げ、覚醒時は体温を上げるのが理想です。

特にお風呂と睡眠の関係を詳しく述べているのが、西野精治氏。理想的な入眠のためには寝る90分前に入浴を済ませるのが理想といいます。入浴することで体温が上がり、就寝する頃に体温が下がるという流れを作りやすいからです。寝る90分前までの入浴が難しい人は、就寝時に体温が高くなっていないよう、シャワーで済ませるほうがいいとアドバイスしています。

実際に読むと、それぞれの本の雰囲気は大きく異なる

今回は、最高の睡眠をテーマにした3冊に共通する大事な習慣にフォーカスしました。しかし、実際に読んでみると著者のスタンスはかなり違います。

『睡眠こそ最強の解決策である』は睡眠科学者が執筆しているだけに、この習慣は睡眠に「良い」「悪い」と一刀両断。禁欲的なタイプの人向けの本かもしれません。

『スタンフォード式 最高の睡眠』はタイトルだけを見ると敷居が高い印象を受けるかもしれませんが、実行しやすい形で生活改善を提案しています。

『世界の最新論文と450年企業経営者による実践でついにわかった 最強の睡眠』は日本を代表する寝具メーカーの副社長が著者ということで、理想的な睡眠のための寝具の選び方も解説しています。

最高の睡眠を本気で追求したい人は、これらの本を参考に、ご自身に合う理想の睡眠法を見つけてください。

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