
親の関心ごとといえば、やはり子どもの「教育」でしょう。特に、富裕層は、子どもに残せる最大の資産を「教育」と考えており、教育に熱心な傾向があります。実際、年収900万円の世帯は、年収300万円の世帯に比べ、1.5倍以上の金額を教育にかけているようです。
特に、富裕層は「音楽」を教育ツールとして用いることが多くあります。なぜ富裕層が子供に音楽を学ばせるのか、また、どういった音楽教育をしているのかについて解説します。
音楽が教育にどのような影響を与える?
まず、音楽教育の効用から見ていきましょう。音楽教育は、単に「音楽ができるようになる」というだけではなく、それ以外にも様々な効果があります。
たとえば、音楽が脳に良い影響を与えるということは、複数の研究から明らかになっています。チューリッヒ大学の心理学者であるLutz Jancke氏の研究によると、6歳の時に楽器演奏の教育を受けた子どもは、音楽分野以外の脳が活性化していたそうです。
さらに、言語と音楽には強い関連があることがわかっています。過去の研究によると、単語の音を分析するテストと、音楽のリズムを分析するテストを行った結果、それぞれの結果には相関があり、単語の音を分析するのが得意な子は、リズムやメロディーも分析する力がある、という結果が出ています。
さらに、親子参加型の音楽プログラムに参加した子どもと参加しなかった子どもで記憶力を比べた結果、プログラムに参加した子どもの方が高い記憶力を持つようになった、という結果も出ています。このように、音楽には知能を活性化させる効果があるため、富裕層は音楽教育を熱心に行っていると言えるでしょう。
音楽教育の効用は、知能だけではありません。特にクラシック音楽などの業界は、もともとは富裕層によって支援されていました。そのため、クラシックのコンサートなどを通じて、富裕層間の人脈が形成されることもあります。人脈は、知能など本人の能力にはならないものの、生きていく上で重要なものです。富裕層には富裕層のコミュニティがありますが、それがクラシック音楽を通じて形成されたケースもあるのです。
富裕層は「本物」を子どもに与える
そんな富裕層の音楽教育ですが、一般家庭の音楽教育とは何が違うのでしょうか。一般家庭も富裕層も、芸術面での習い事は「楽器の演奏」が最も多く、ここに違いはありません。
実は、同じ楽器の演奏であっても、その質が一般家庭と富裕層では異なるのです。富裕層は、とにかく「本物に触れさせる」ことを重視します。たとえば、講師1つをとってもプロとしても活躍するピアニストに指導をしてもらう、またクラシックのコンサートに連れていくなど、とにかく本物に触れされる機会を重視します。またバイオリンやハープなどの弦楽器は値段が高いものが多いのですが、子どもの教育のためであれば惜しみなく与えるという富裕層も多いようです。子どものためであれば、投資を惜しまないのが富裕層の教育の特徴と言えるでしょう。
富裕層は音楽教育で子どもの能力を伸ばす
富裕層は子どもの教育惜しまず投資し、特に音楽教育に力を入れています。これは、富裕層がもともと音楽に触れてきた経験が多いことに加え、音楽が音楽分野のみならず脳科学の面でも教育に効果があることを知っているからです。
一般家庭同様、富裕層の教育でも楽器の演奏が最も多いことには変わりはありません。しかし、プロのピアニストを講師につけたり、本物の楽器を与えたりするなど、本物に触れさせることで子どもの能力を伸ばすというやり方は、富裕層ならではの教育と言えるのではないでしょうか。
【オススメ記事】
・新しすぎる働き方 仕事と余暇を一緒に楽しむ「ワーケーション」の最新事情
・昼寝前にコーヒーを飲むと仕事が劇的にはかどる? 「コーヒーナップ」の実践法
・富裕層が「見た目を磨く」のはなぜか?
・富裕層が子どもを「海外留学」させる2つの理由
・ちょっと頑張れば手に入るウオッチ アスリートにも人気の新興アイテムとは