23区からの人口流出!マーケットの変化に耐え得る不動産投資の3つの戦略

(画像=maroke/stock.adobe.com)

人口増加を続けてきた東京23区において、転出超過が続いています。人口の多寡に左右され得る不動産投資において、人口減少というマーケットの変化は大きな注目点といえるでしょう。

本記事では、不動産投資という長期投資においてマーケットの変化に耐え続けるために重要な戦略を3つ解説します。

23区における最新の人口トレンド(2022年版)

23区における2022年の最新の人口トレンドは以下の3つです。

・人口は減少中
・周辺の県への転出がトレンド
・単身の若者(15歳~29歳)世帯は転入超過

周辺の県への移住が進み、23区の人口が減少している一方で、単身の若者世帯は変わらず23区に流入を続けています。

人口は減少中

東京都のデータによれば、23区の人口は2022年に入ってからの3ヵ月間で約0.1%(9,671,141人→9,660,461人)とわずかながら減少しています(2022年3月時点は対前月比も対前年同月比も減少)。

減少の割合は大きくはありませんが、1995年から25年間にわたって人口増加を続けてきた23区の人口が減少に転じたという点は、不動産投資をするうえで大きなニュースといえるでしょう。

東京都が発表した2022年3月1日時点の推計人口によれば、23区のうちの19区で人口が減少しており、江戸川区や大田区、板橋区の減少数が大きかったとのことです。

東京都全体でみても、人口は2022年3月まで10ヵ月連続で減少しており、昭島市と武蔵野市を除く全ての市で減少しています(減少数最多は八王子市)。

新型コロナウイルスの蔓延やテレワークの普及などの要因による東京都からの人口流出に伴い、東京都における不動産投資マーケットが変化する可能性があるでしょう。

人口の多寡によって売買需要・賃貸需要ともに変動し得るため、不動産投資家は東京都の人口推移を注視しておくのが得策といえそうです。

周辺の県への転出がトレンド

総務省統計局の発表によれば、23区からの転出者の転出先として最も多いのは、2018年から2021年までの4年連続で以下5つの自治体とのことです。

・横浜市
・川崎市
・さいたま市
・川口市
・市川市
※多い順(2018年から2021年までいずれも同じ順位)

コロナ禍以前の2019年から増えた転出先には、茅ヶ崎市、藤沢市、つくば市などが挙がっており、コロナ禍以降は23区を離れて周辺の県(神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県など)に移住するという動きが加速していると考えられます。

コロナ禍の不動産投資においては、23区と合わせて周辺の県も合理的な投資先になるかもしれません。

単身の若年世帯(15~29歳)は転入超過

23区をはじめ東京都全体から人口が流出しているのは事実ですが、単身の若年世帯(15~29歳)は変わらず転入超過が続いています。

総務省のデータによれば、2021年における東京都への単身の若年世帯の転入超過数は全国1位の71,817人(23区のみだと65,234人)でした。

転入超過数が東京都に次いで第2位の神奈川県が24,105人であることから、東京都には神奈川県の約3倍もの単身若年世帯が転入していることがわかります。

コロナ禍において初の緊急事態宣言が発令された2020年4月以降も、東京都への若年世帯の転入はプラスで推移しており、1件目の住宅を購入する年齢で最も多い年代が30代であるというデータ(国土交通省)もあることから、20代以下の若年世帯が賃貸住宅に住むケースは依然として多いと考えられるでしょう。

進学や就職を機に上京する若年世帯が一定数おり、その世帯が賃貸住宅を必要とするということを考えると、若年世帯をターゲットとする不動産投資は今後も需要が底堅いといえそうです。

マーケットの変化に耐え得る不動産投資の3つの戦略

2020年以降に起こっている都心部からの人口転出のように、不動産投資のマーケットが変化する要因は今後も発生するでしょう。マーケットの変化に耐え得る不動産投資の戦略は以下の3つです。

・一極集中投資はハイリスク
・ターゲットを見定め、リスク要因を想定する
・手元資金を温存する

リスクに備えるとともに、リスクが顕在化した場合に備えて準備をしておくことが重要といえます。

一極集中投資はハイリスク

不動産投資における一極集中投資とは、特定の物件のみ、または特定のエリアのみに集中して投資している状態をいいます。不動産投資においても他の投資と同様に一極集中投資は高いリターンが期待できる一方で、ハイリスクといえるでしょう。

特定の物件のみ、または特定のエリアのみに物件を所有していると、その物件やそのエリアへの局地的なネガティブ要因の影響が不動産資産の全体に及ぶリスクがあるためです。

具体的には、都心のオフィス街のみに物件を集中して所有している場合にテレワークの普及による賃貸需要の減少の影響を受けたり、特定の工業団地のみに物件を集中して所有している場合に法人の移転による社宅需要の減少の影響を受けたりすることが想定されます。

一極集中投資においては一つの要因による影響が資産全体に及び、一気に大きな損失が出るリスクがあるといえるでしょう。「卵は一つのカゴに盛るな」という投資格言もあるように、投資は分散することが重要です。

投資規模が大きく、年単位の長期投資になることの多い不動産投資においては特に分散投資によるリスクヘッジを心がけましょう。不動産投資における分散投資とは、主に以下の項目を分散させることです。

・エリア(都心部と郊外および地方など)
・間取り(単身者向けとファミリー向けなど)
・物件種別(リーズナブルな一棟アパートとハイグレードな区分マンションなど)

不動産資産の中でも異なる種類の物件に分散投資することで、一つの要因による資産全体への影響を分散させることができるでしょう。

ターゲットを見定め、リスク要因を想定する

不動産投資においては、「その物件を借りる・買うのはどのような人か」というターゲット設定が重要といえます。ターゲットが定まることで、リスク要因を特定して入居者募集や売却活動をする際の戦略を適切に立てることができるためです。

具体的には、大学のキャンパスが近くにある物件であれば以下のようなターゲット設定とリスクの想定ができるでしょう。

メインターゲット像 リスク要因
・18〜22歳の大学生
・地方からの上京による転居
・初めての一人暮らし
・キャンパス移転による賃貸需要の減少
・学部の廃止などによる学生数の減少
・4年以上の長期入居は見込みにくい

※一般的な一例です。

上記のようにターゲットを基準として、どのようなマーケットの変化要因があり得るか、それによって投資上どのようなリスクがあるかという点を事前に把握しておくことが可能です。

手元資金を温存する

実際にマーケットの変化が起きた際、空室期間が長期化したり広告費を多くかけなければ入居者が見つからなかったりする状態になることもあるでしょう。

このような突発的な収入減少または支出増加に備えて、一定程度の手元資金を温存しておくことが大切です。キャッシュフローが悪化する中でも物件運営にかかる固定費は発生し続けるため、手元資金が少ないと資金ショートしてしまうリスクがあるためです。

ローンの残債がある場合には、手元資金が枯渇すると返済が滞り、物件を差し押さえられるという事態に発展する可能性もあるため、物件からのキャッシュフローが減少した場合に備えておくことは重要です。

マーケットは常に変わり得る!万全の準備で生き残ろう

増加を続けてきた23区の人口が減少に転じたというのは、不動産投資をするうえで大きなマーケットの変化といえます。しかし、若年世帯の23区への転入は変わらず堅調であるため、23区での不動産投資が急激に下火になる可能性を過度に懸念する必要はないといえるでしょう。

マーケットは常に変わる可能性があり、いつ・どのように変わるかを正確に予測することは困難であるため、物件を分散して所有する・マーケット変動要因を認識しておく・賃貸経営を継続させるための手元資金を温存しておくという戦略が重要といえます。

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