安定性と利益性の両立!不動産投資のポートフォリオはどう組む?

(画像=Deemerwhastudio/stock.adobe.com)

不動産投資においては、複数物件への分散投資によって安定性と利益性を両立させることで、盤石なポートフォリオ(保有物件の組み合わせ)を構築することができます。

投資用不動産には、地方・都心、一棟・区分、新築・中古と様々な切り口があり、それぞれにメリットとデメリットが併存しているためです。

本記事では、安定性と利益性を両立させる不動産ポートフォリオを組むうえで重要な点について、安定性と利益性それぞれの観点から3つずつ解説します。

不動産投資でも「分散投資」が大切

「卵は一つのカゴに盛るな」という投資の格言にもあるように、投資全般においては複数の資産に分散することが大切といえます。

特定の少数資産への集中投資は短期間で大きなリターンが期待できる一方で、リスク分散ができていないために大きな損失を出してしまう可能性もあるためです。

不動産投資においても同様に、複数の物件に分散投資することで、一つの物件でリスクが顕在化(賃貸需要の減少、価格下落、自然災害等)した場合の損失やポートフォリオ全体へのダメージを分散・軽減させることができます。

物件Aのみしか保有していない場合、空室率の上昇や家賃の下落といったリスクが顕在化すると不動産ポートフォリオ全体にそのダメージが及びます。

一方、物件B、Cも併せて保有しておくことで、物件Aで生じたキャッシュフローの下落を物件B、Cからのキャッシュフローで補える可能性があるでしょう。

不動産投資における分散投資で考えるべき3つの視点

物件の分散保有をするうえで重要なのは、以下3つの点で分散ができているかを考えるということです。

  • エリア
  • 物件種別
  • 築年数

エリア

複数物件を保有していたとしても、全て同じエリアにある物件の場合、エリア全体に関わる環境変動(法人拠点や大学キャンパスの移転、再開発等)の影響を全ての物件が受ける可能性があります。

保有物件の駅を分ける、都道府県を分けるなど、特定の環境変動が波及しないエリアに分散することが重要です。

物件種別

住居系不動産の場合の物件種別とは、一棟物件か区分マンションかどうかです。
両者ではオーナー個人が負担するコストの範囲、投資判断におけるオーナー個人の裁量権の範囲、物件運営にかかる時間と手間などが大きく異なります。

一棟物件のみを多く保有すると物件運営にかかる時間と手間が増え、管理に手が回りきらなくなる可能性もあるため、意思決定を管理組合に委ねることもできる区分マンションも保有するのが適切な場合があるかもしれません。

築年数

新築物件と中古物件では、経年による価格の下落率、入居者探しのしやすさ、修繕費リスクの大きさが異なります。

新築物件は入居者からの人気が高い場合が多く、修繕費が発生するリスクが低い一方、経年による価格の下落率が高い傾向があります。

中古物件は築年数によっては入居者探しで苦戦する可能性があり、修繕費が発生するリスクが高い一方、経年による価格の下落率が低いのが特徴です。

不動産ポートフォリオを組む際にはエリア・物件種別・築年数を分けて、ハイリターンを狙ってリスクを取る物件と、リスクを分散・軽減するために安定性を重視する物件とに分けて保有するのがいいかもしれません。

ポートフォリオの安定性を強める物件の要素3つ

ポートフォリオの安定性の強化に寄与する物件の要素は以下の3つです。

  • 利回りが低くても安定稼働が期待できる物件
  • 修繕費リスクが低い物件
  • 価格下落リスクが低い物件

利回りが低くても安定稼働が期待できる物件

安定稼働が期待できる物件とは、賃貸需要が長期的に旺盛な物件です。
空室リスクが低いため、安定的な収入源となり得るでしょう。

都心部の生活利便性の高い住宅地にある物件や、主要駅(複数路線が利用可能な駅、快速や特急の停車駅等)までのアクセスが良い物件などがこれに該当する物件の一例です。

空室リスクが抑えられる分、利回りが低くなる可能性が高いですが、ポートフォリオの安定性の強化に寄与するでしょう。

修繕費リスクが低い物件

修繕費リスクが低い物件とは、日常的な管理や設備のメンテナンスが行き届いている物件です。

住戸内および外装の修繕履歴や管理組合による総会の議事録等を参照することで、いつ・どの設備を修繕または交換をしたのか、管理組合が大規模修繕に向けてどのように考えているのかを知ることができます。

築年数の浅い物件、直近でリフォームや設備の一斉交換をした物件、修繕に対する管理組合の意識が高い物件(区分マンション)などがこれに該当する物件の一例です。

修繕費は突発的に発生するものであり、内容によっては多大な金額になる可能性もあるため、修繕費リスクが低い物件は変動費を抑えやすいという点でポートフォリオの安定性の強化に寄与するでしょう。

価格下落リスクが低い物件

価格下落リスクが低い物件とは、過去の取引価格が安定的に推移しており、今後も購買ニーズの継続が見込まれる物件のことです。

不動産会社などの専門家に確認をすればその物件の過去の取引価格に関する情報を入手することができます。

今後の購買ニーズについては、そのエリアの生活利便性、最寄駅の乗降客数、最寄駅からの徒歩分数、周辺の再開発計画等の要素から複合的に判断するのが合理的です。

過去の取引価格と併せて不動産会社などの専門家に確認してみるのが適切でしょう。

価格下落リスクが低い物件は、資産価値が目減りしにくく、売却と次の物件への買い替えプランを立てやすいという点でポートフォリオの安定性の強化に寄与するでしょう。

ポートフォリオの利益性を強める物件の要素3つ

ポートフォリオの利益性の強化に寄与する物件の要素は以下の3つです。

  • キャッシュフローを多く出せる物件
  • バリューアップ等で大きく売却益が狙えそうな物件
  • バリューアップ等で高い利回りが出せそうな物件

キャッシュフローを多く出せる物件

利回りが高く、融資を受けて購入してもキャッシュフローを多く出せる物件は、ポートフォリオの利益性を高めることにつながるでしょう。

高利回りでキャッシュフローが多いということは、投資効率が良いということでもあるため、効率的に資産を増やすことができるということです。

一方で、利回りやキャッシュフローというリターンが高いということは、それに比例してリスクが大きいこともあり得るため、空室リスク、価格下落リスク、修繕費リスクといったリスクを取った投資であることを認識しておく必要があります。

バリューアップ等で大きく売却益が狙えそうな物件

建物や設備の老朽化が進んでおり、大規模修繕や設備交換等がされていない築年数の古い物件は、リフォームやリノベーションによってバリューアップできる可能性があります。

上記のような物件を周辺相場より安い価格で購入し、大規模なバリューアップを行うことで周辺相場以上の価格で売却できるかもしれません。

なお、バリューアップには工事費用がかかるうえ、どのような施工をするのがベストかを考えるにあたっては専門知識が求められることもあるため、物件購入前にリフォーム業者や不動産会社等の専門家の意見をよくヒアリングしておくといいでしょう。

バリューアップ等で高い利回りが出せそうな物件

築年数が古く、建物や設備の管理が行き届いていない物件は、リフォームやリノベーションによってバリューアップできる可能性があります。

上記のような物件を周辺相場より安い価格で購入し、大規模なバリューアップを行うことで周辺相場以上の家賃で賃貸できるかもしれません。

特に戸建や一棟物件はリフォームやリノベーションできる範囲が区分マンションよりも広いため、大幅なバリューアップができる可能性があるでしょう。

周辺相場より安い価格で購入した物件を周辺相場以上の家賃で賃貸することで、高い利回りを実現できるかもしれないということです。

なお、バリューアップにかかる費用とそれによって上昇し得る家賃の金額を比較して、コストパフォーマンスの高い投資であるかを吟味する必要があります。

分散投資でバランスの取れたポートフォリオを構築しよう

不動産投資においても他の投資と同様に、分散投資によるポートフォリオのバランス調整が必要であるといえます。

投資する物件のエリア、物件種別、築年数等によって、安定性の強化と利益性の強化のいずれに強いかが分かれるため、現在のポートフォリオ全体において強化すべきなのはどちらかという点を考えることが重要です。

分散投資をすることでリスク分散ができるだけでなく、攻めと守りのバランスの取れたポートフォリオを組むことができるでしょう。

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