不動産投資ローンの頭金は少ないほうがいい? 減らすメリットと注意点とは

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不動産投資ローンを利用して不動産を購入するためにはフルローンの返済を除いて自己資金を用意する必要があり、ローンを組むために最初に支払うまとまったお金のことを頭金と呼びます。

頭金が少ないほど用意する自己資金が減少し、投資の効率を高められるため、頭金を少なくするべきか悩んでいる方もいることでしょう。本記事では頭金を減らすメリットに加えて、減らす場合の注意点についても解説します。

不動産投資ローンの頭金について

不動産投資ローンの頭金は最低でもいくら用意するべきか気になる方もいることでしょう。不動産投資ローンを組む上で必要な頭金の額や割合は決まっていません。金融機関によっては、頭金を用意せずにローンを組めるフルローンを提供している場合もあります。

よって、頭金なしで融資が受けられる金融機関があれば、頭金の用意がなくても不動産投資ローンを組めます。ただし、フルローンが組めるかどうかは契約者の年収などのステータスにも依存するため、誰でも必ず頭金なしで不動産投資ローンを組めるわけではありません。

不動産投資ローンの頭金は法律などの特定のルールで額や割合を規定していないため、金融機関との交渉次第では頭金なしでも融資を受けられるのが現状です。

不動産投資ローンの頭金を減らすメリット

不動産投資ローンにおいて頭金を減らすメリットは3つあります。

・不動産投資を始めやすくなる
・レバレッジ効果が高まる
・手元に資金を残しやすい

それぞれ詳しく解説します。

不動産投資を始めやすくなる

不動産投資を始める上で最も高いハードルは、まとまった自己資金を用意することです。数千万円の物件を自己資金で購入することは普通のサラリーマンでは難しいため、不動産投資ローンを組んで購入することになりますが、百万円単位の頭金を用意するのも難しい方もいるでしょう。

頭金を減らせば初期投資金額を減らせるので、不動産投資が始めやすくなります。特に20代~30代の方は貯金が少なくても定年までの年数が長いため、長期的な返済計画を立てやすくなります。頭金を減らすメリットも大きく、まとまった自己資金の用意が難しい方でも不動産投資を早く始められます。

レバレッジ効果が高まる

レバレッジとは投資において自己資金以外の資本を利用することで利益を高めることを言います。小さな力で大きな効果が期待できるのでテコの原理と比喩されることもあります。不動産投資におけるレバレッジ効果とは頭金を減らして高い融資を受け、収益を高めることです。

例えば、1,200万円で年間60万円の家賃収入が見込める物件があった場合、利回りは「60万円÷1,200万円=5%」になります。しかし、頭金を500万円で購入した場合に自己資金を基準に発生する年間利回りは「60万円÷500万円=12%」です。実質的な利回りは毎月の返済額などの出費も考慮する必要がありますが、レバレッジ効果のみを考えると投資効率がよくなります。

手元に資金を残しやすい

頭金を多く支払えば手元の資産を失うことになります。よって、不動産に投資した後に大きな出費が発生した場合に対応できなくなるリスクがあります。投資資金は不動産の売却によって回収できますが、長期投資を前提に不動産を購入した場合、できれば途中売却は避けたいところです。

頭金を少なくすれば手元に資産を残しながら不動産投資を始められます。不動産投資に限った話ではありませんが、長期的に投資をするなら資金管理が重要です。頭金を多く支払うことで手元に資金が残らないのであれば、頭金を減らして資産を残すほうが途中売却のリスクも低くなります。また、手元の資金に余裕があれば、不動産以外の資産にも分散して投資することもできるでしょう。

不動産投資ローンで頭金を減らす注意点

一方で、不動産投資ローンにおいて頭金を減らす注意点は4つあります。

・返済額が増える
・支払う金利が増加する
・ローンに通過できないことがある
・投資の選択肢が狭まる可能性がある

それぞれ詳しく見ていきましょう。

返済額が増える

不動産投資ローンの頭金を減らすほど総返済額は上昇します。月々の返済額も増加するため、レバレッジ効果で利回りが上昇しても、返済額も含め経費額によっては実質的な利回りが減少する可能性があります。

支払う金利が増加する

月々の返済額を減らす方法には返済期間を長期化させることが挙げられます。ただ返済額が増加し、返済期間が長期化するほど金融機関に支払う利息も増えます。変動金利で返済する場合は返済が長期化すると金利が上昇する可能性もあるので、無計画に返済期間を長期化させるのはリスクが高いです。

ローンに通過できないことがある

頭金を少なくすることで不動産投資ローンの審査で不利になり、希望するローンが組めないことがあります。金利が高いローンの審査以外は通過できない場合や、低金利で融資を受けるなら条件として高い頭金が求められることがあります。

ローンの審査で考慮される点は頭金だけではないので、年収や勤務先などのステータス性が高い場合は頭金が少なくても審査に通過できる可能性もありますが、人によっては頭金を少なくすると審査に通過できないこともあるので気をつけましょう。

投資の選択肢が狭まる可能性がある

不動産投資を続けていると、現在の不動産を売却して新しい良質な物件を購入することや、これ以上収益を得るのが難しい物件を売却することも選択肢に上がることがあります。しかし、頭金を少なくしてローンの残高が残っている状態では売却の選択肢が取れなくなることもあります。

ローンの残債が少ない状態であれば、不動産の売却益でローンを返済できるので売却可能ですが、残債が多く売却益でローンを返済できない場合は売却できません。頭金を少なくすることで、より効率的に収益が得られる方法を選択できなくなるリスクがあります。

不動産投資ローンにおける適切な頭金の割合

不動産投資ローンの適切な頭金の割合は、投資家の年収、年齢、目標などによって左右され、金融機関によっても求める割合は異なるので一概に何割と答えることはできません。しかし、フルローンで融資が受けられる金融機関がある中でも、多くの金融機関が頭金を求めているのは事実です。

【物件の購入金額の一部を顧客の自己資金で賄わせているかどうかの分布】

銀行 信金・信組
必ず行っている 15% 17%
3分の2以上の案件で行っている 63% 30%
3分の1以上の案件で行っている 10% 20%
3分の1未満の案件で行っている 6% 20%
一切行っていない 5% 13%

参考:『投資用不動産向け融資に関するアンケート調査結果』金融庁 2019年

上記の調査は銀行、信用金庫・信用組合が顧客に対してどれくらいの割合で頭金を求めているのかを調査したものですが、15%の銀行が必ず求めており、63%の銀行が3分の2の案件で頭金を求めている結果となりました。

フルローンや頭金を少なくする場合は、金利などの条件がいい銀行で融資を受けられないこともあるので、融資を受けたい銀行の提示する条件に従って頭金を決めるのが最も適切といえます。

不動産投資を始めるには頭金以外の費用も必要

不動産投資はフルローンで始めたとしても仲介手数料や、不動産取得税、司法書士への手数料など、さまざまな費用がかかります。ローンに対する自己資金は必要なくても、初期投資額がかかることを理解しましょう。

不動産投資ローンの頭金は必ずしも少ないほうがいいとは限りません。融資を受ける銀行の条件をもとに頭金を減らすメリットと注意点を理解しながら、適切な額を設定して不動産投資ローンを組むことをおすすめします。

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