不動産クラウドファンディングはどう選ぶ?サービスを比較する7つのポイント

(画像=kinako/stock.adobe.com)

不動産クラウドファンディングは、少額から不動産に投資できるサービスとして人気を集めています。株式のような値動きがなく、出資後は分配金の入金と元本の返還を待つだけという手軽さも魅力です。

多くの運営会社がサービスを提供していますが、どんな基準で利用するサービスを選べばよいのでしょうか。今回は、不動産クラウドファンディングサービスを比較するポイントを7つ紹介します。

運用実績

不動産クラウドファンディングに限らず、サービスを選ぶときは実績が重要なポイントとなります。以下の項目に注目して、サービスの運用実績を見極めましょう。

配当遅延や元本割れが発生していないか

不動産クラウドファンディングは投資金額に応じて配当金が支払われ、運用が終了すると元本が返還されます。安心して出資するには、配当遅延や元本割れが発生していないサービスを選ぶことが大切です。

中途解約は認められないサービスが多く、運用途中で資金を引き上げるのは困難です。配当遅延や元本割れが発生しているサービスは避けたほうが無難といえます。

累計調達額、案件数、運用終了数を確認する

累計調達額や案件数、運用終了ファンド数なども、サービスの運用実績を判断する材料です。

累計調達額が多いほど、多くの投資家から指示されていると判断できます。また、他のサービスに比べて案件数や運用終了数が多ければ、安定した運用が期待できます。

運営会社の信用度

サービス運営会社のホームページで設立年月や事業内容、上場の有無などを確認すれば会社の信用度がわかります。

不動産業界での実績があれば、物件の選定や管理を安心して任せられるでしょう。上場会社は厳しい審査を経ているので、上場していれば会社の信用度は比較的高いといえます。

可能であれば、売上高や利益、資産、負債といった財務情報も確認しておきましょう。上場会社なら決算短信や有価証券報告書で公開されています。非上場会社でも、企業ホームページで公開されている場合があります。経営が安定していれば、サービス終了のリスクは低いと判断できます。

投資できる不動産の種類

不動産クラウドファンディングの主な投資対象は、居住用の1棟マンションや区分マンションです。ただし、サービスによっては多様な不動産を扱っています。投資できる不動産の種類に注目して、サービスを比較しましょう。

さまざまな種類の不動産を扱うサービスを選ぶ

不動産クラウドファンディングを利用するときは、さまざまな種類の不動産に投資できるサービスを選ぶことが大切です。

不動産は種類によって特徴や強みに違いがあります。たとえば、居住用マンションは比較的安定した運用が可能ですが、エリアによって賃貸需要が異なります。商業施設やホテルは収益が景気に左右されますが、好景気のときには高い利回りが期待できます。

複数の種類の不動産に投資し、エリアや物件を分散させることでリスク軽減につながります。

物件情報を入念に確認する

不動産クラウドファンディングでは、ファンドごとに物件情報が公開されています。物件名称や所在地、土地・建物の情報、設備、マーケット情報、リスクなどの詳細が記載されているので、しっかりと目を通すことが大切です。

「現物不動産投資ならこの物件を買うか」といった視点を持つと、投資判断がしやすくなります。物件情報の内容を比較して情報の透明性が高く、理解しやすいサービスを選びましょう。

ファンドの想定利回り

投資では、利回りが高いほど多くのリターンが期待できる一方でリスクも高まります。不動産クラウドファンディングは、ファンドによって想定利回りが異なります。適切な投資判断を行うためにも、平均的な利回りを把握しておきましょう。

想定利回りは3~6%程度のファンドが多い

不動産クラウドファンディングでは、多くのサービスで想定利回り3~6%程度のファンドを扱っています。2021年8月現在、都市銀行の普通預金金利は0.001%、J-REITの平均予想分配金利回りは3.32%です。不動産クラウドファンディングは、他の金融商品に比べて高い利回りが期待できます。

ただし、投資商品は利回りが高くなるほどリスクも高くなります。中には想定利回り10%以上のファンドを扱うサービスもありますが、運用期間が数ヵ月と短く、実際にはそれほど利益が期待できないこともあります。

利回りの高さだけに注目せず、標準的な想定利回りや運用期間、リスク等も考慮して投資判断を行うことが大切です。

応募方法

不動産クラウドファンディングは、人気が高いファンドの場合は1分程度で募集が終了してしまうこともあります。各サービスの応募方法を理解して、投資機会を確保しやすいサービスを選ぶのがポイントです。

応募方法は「先着」と「抽選」の2種類がある

不動産クラウドファンディングの応募方法は、「先着方式」と「抽選方式」の2つに分けられます。

先着方式は、申し込みが殺到すると短時間で受付が終了します。募集開始と同時に申し込みできない場合、投資できないこともあります。

抽選方式は受付期間中に申し込みをすればいいので、余裕をもって手続きできます。ただし、当選しないと投資できないため、投資機会を確保できるかは不透明です。

投資機会を増やすには、「先着と抽選の両方を扱うサービスを選ぶ」「複数のサービスを使い分ける」といった工夫が必要です。

大型案件を扱うサービスは出資しやすい

募集金額が数百~数千万円と規模が小さいファンドの場合、先着方式ではすぐに受付終了となってしまいます。しかし、数億円規模の大型案件であれば、先着方式であってもすぐに受付終了とならず、余裕をもって申し込みが可能です。

定期的に大型案件を扱っているサービスを選ぶと比較的出資しやすいでしょう。

優先劣後方式の劣後出資比率

不動産クラウドファンディングは投資家のリスクを下げるために、多くのサービスで優先劣後方式を採用しています。サービスを比較するときは、劣後出資比率に注目するのがポイントです。

優先劣後方式とは

優先劣後方式とは、投資対象不動産を売却するときに損失が生じた場合、まずは運営会社の出資分で損失を補填して投資家の元本割れリスクを軽減する仕組みです。

たとえば、ファンド全体の出資額が1億円で、その内訳が運営会社2,000万円(20%)、投資家8,000万円(80%)のケースについて確認しましょう。

投資対象不動産の売却損が2,000万円以下であれば、運営会社の出資分で損失を全額補填できるので投資家の負担はありません。売却損が2,000万円を超えた場合は、その超えた部分は投資家の負担となります。

劣後出資比率が高いほどリスク軽減が期待できる

優先劣後方式を採用している場合、劣後出資比率(運営会社の出資比率)が高いほど投資家のリスク軽減が期待できます。劣後出資比率はサービス・ファンドによって違いがあり、一般的には20~30%程度です。サービスを比較するときは、劣後出資比率の高さにも注目しましょう。

資金管理とセキュリティ体制

不動産クラウドファンディングはインターネット上で取引されるため、資金管理やセキュリティ体制も重要なポイントです。どのような取り組みを行っているかを比較して、安心して資金を預けられるサービスを選びましょう。

信託銀行による分別管理が理想

不動産クラウドファンディングでは、運営会社の財産と顧客から集めた資金を明確に区別して分別管理を行っています。ただし、分別管理の方法は運営会社によって異なります。具体的には、信託銀行による分別管理を行っているサービスを選ぶのが理想です。

信託銀行に預けた資産は差し押さえの対象外なので、仮にサービス運営会社が倒産したとしても、口座に預け入れた未投資資金は保護される可能性が高くなります。

セキュリティへの取り組みを確認

不動産クラウドファンディングはインターネット上で取引が完結するため、セキュリティ体制も重要です。セキュリティが脆弱だと、個人情報の漏えいや資金流出といったリスクが高まります。運営会社のホームページなどで、セキュリティへの取り組みを確認しておきましょう。

まとめ

不動産クラウドファンディングは、さまざまな運営会社がサービスを提供しています。大切なお金を預けるからには、安心して利用できる運営会社・サービスを選ぶことが大切です。今回紹介した7つのポイントを参考にしながら、自分に合ったサービスを探しましょう。

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