少子化なのに不動産投資をしても大丈夫?人口減少が賃貸経営に与える影響を解説

(画像=Paylessimages/stock.adobe.com)

投資用不動産を所有し賃貸住宅経営によって収益を得るには、物件を借りていただける人「賃借人」が重要な鍵を握ります。

しかし、その地域に人口が減少傾向である場合、賃借人の減少や空室率の増加により賃貸物件のニーズも低下してしまいます。

日本では今後、少子高齢化それに伴う人口減少を迎えると見込まれ、それが賃貸住宅経営の逆風になると考えている人が多いようです。

本記事では、賃貸住宅経営で重要な要素のひとつである人口動態に着目し、人口減少時の賃貸住宅経営の見通しについて解説していきます。

人口減少時の賃貸経営の懸念

日本では少子高齢化の進行に伴い、2008年に総人口1億2,769万人となりピークを迎えましたが、その後は減少に転じており、2053年にはピーク時に比べ22%の人口減少が見込まれています。その結果、日本の総人口は1億人を割り込み、9,924万人になると予想されています。

人口減少の影響は賃貸物件の主な借り手として期待される15歳〜64歳の現役世代において特に深刻で、2008年には8,230万人が活躍していましたが2053年には5,119万人まで減少し、その減少率は38%にも達しています。

人口減少は賃貸市場の縮小に繋がるため、空室率の増加や賃借人を獲得するまでの費用が増加するなど、一見賃貸経営に対する逆風が生じると懸念されますが、人口減少は全国一律に進むわけではなく、地方部から雇用環境が相対的に整っている都市部への人口の移動が生じるため、人口減少下においても都市部の賃貸物件へのニーズは維持または向上すると期待できます。

2053年というと遠い将来のように感じられるかもしれませんが、新築マンションの法定耐用年数が47年となっている通り、賃貸経営は長期間にわたる投資活動となりますので影響を与えそうな事柄に関してできるだけ把握しておくようにしましょう。

空き家の再活用による影響は?

人口減少下でのもう一つの懸念点は、空き家やマンションの空室を賃貸物件として再活用が進み、需給バランスに影響を与えるものと考えられます。

「国土のグランドデザイン2050」によると、将来的には現在の居住地域の60%で居住者が半減ないしは無人化してしまいますが、役場や学校などの環境のよい中心区などでは人口減少が抑制されると予想されています。人口減少によって生じた空き家の一部は再活用によって賃貸住宅として利用されると思われますが、その多くは居住者が減少した区域に生じるため、賃貸物件として競争力を持つものは限られます。

投資用不動産を取得する際は、自身の物件の条件だけでなく、周囲の状況についても加味することをおすすめします。

選ばれる物件を取得することが重要

今後の人口動態によると、地方から都市部へ、郊外から都市の中心部へと人の居住圏が移動してくると考えられます。物件を取得する際は人口が減少してしまう地域ではなく、将来にわたり人口密度が維持または向上すると期待できる地域の物件を取得することで安定した賃貸経営を行うことができます。

こうした条件に合致する地域として真っ先に思い浮かぶのが、日本の首都である東京23区です。シンガポールなど他のアジア圏の国際都市の隆興によりその地位が相対的に低下してきたとはいえ、現在も日本で事業展開を行う海外企業の多くが東京を事業の拠点として選んでいることからも依然として魅力的な国際都市の地位を保っているといえます。

今後は人口減少やそれに伴う経済後退への対策として、移民政策や外国企業のさらなる誘致が行われる可能性もあり、そこで働く高度外国人材に向け、利便性に優れる23区内の主要駅近くの物件の賃貸ニーズが高まると思われます。この際に外国人ビジネスマンに訴求できるよう、立地条件や設備・管理などに相対的に優れるマンションを中心に物件取得をすすめると良いでしょう。

安定経営のためにはサブリース契約や物件の売却も選択肢に

空室の発生は賃料収入がゼロになってしまうため、特に賃貸経営の規模が小さいうちは大きなリスクです。そうした場合に備えて、サブリース(転貸借)契約を活用する方法があります。

通常は入居者とオーナーの間の契約である賃貸借契約が用いられますが、サブリース契約では不動産会社などがオーナーから物件を借り上げ、入居者にまた貸しし家賃を受け取り、その一部をサブリース保証料としてオーナーに支払います。通常の賃貸借契約と比べて家賃収入は減少しますが空室リスクを肩代わりしてもらえるため、キャッシュローが安定するメリットがあります。

しかし、サブリース契約の保証料は周辺相場の変動に合わせて見直され、場合によっては減少することもあるので、競合物件の状況と賃料相場の見通しについても目を光らせる必要があります。賃料相場が下落する要因として、学校や企業の撤退や周辺に賃貸物件が大量に供給される場合、所有物件の老朽化が進むことで建物や設備が旧式化してしまうケースが考えられます。

また、マンションは適正に管理することで長期的に利用できる資産ですが、経年劣化による修繕や建て替えといった対応が必要となる場合もあります。マンションではこうした大規模な修繕等に備えて修繕費を積み立てていますが、修繕規模が広範囲にわたるほか、マンションに空室が多く修繕費の積立が不足していると、月々負担している修繕積立金に加えて自己負担が生じる可能性があります。

取得した物件を将来も持ち続けるのに懸念があると予想された際には、物件を売却してしまうのもひとつの選択肢です。賃貸市場の変動リスクに対する備えを行いたい場合は、ワンルームマンションなど比較的売却しやすい物件を選ぶことをおすすめします。

東京23区内のマンション価格の状況について

東京23区のマンション価格は一節によると値崩れの恐れがあるともいわれていますが、マンション価格の推移をみるとリーマンショック以降右肩上がりに価格上昇が続いており過去20年で最高値となっています。こうした値上がりの続く資産は購入タイミングを図る必要はありませんが、できるだけ早く購入したほうが利幅を多く得ることができます。

人口減少は賃貸経営においてマイナスではない

人口減少は賃貸物件の賃借人の減少も招くため賃貸経営において一見マイナスのように感じられます。確かに現在居住している地域の多くが無人化ないしは人口が大きく減少すると見込まれていますが、都市部のとりわけ利便性に優れる中心部は、相対的に優れる労働条件による現役世代の移動や外国企業の誘致による高度外国人材の流入などにより人口密度が高まると予想され、賃貸物件のニーズは維持または向上すると考えられます。

しかし、どのような物件でも賃貸市場で競争力を維持できるわけではなく、企業などの撤退により賃貸物件のニーズが減少してしまったり、多くの賃貸物件が建設され供給過多に陥ってしまった場合や物件の老朽化による設備の旧式化などで取得した賃貸物件が逆風に見舞われたりするケースもあります。

こうした環境の変化に備え、ワンルームマンションなど比較的規模が小さく流動性に優れる物件を取得するなど、リスク対策や地域の将来的な見通しや周囲の賃貸市場の動向を見据えることが今後の賃貸経営において重要だといえるでしょう。

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