データで見る!コロナ後も都心のマンションが堅調な3つの理由

(画像=sakura/stock.adobe.com)

新型コロナウイルスが世界的に猛威を振るっている2021年において、不動産投資をしている、または検討している人の懸念事項として、以下の3点が挙がることが考えられます。

  • コロナ禍における不動産市況はどうなっているか
  • コロナ後の不動産市況はどうなるか
  • 不動産投資を始めるならコロナ後の方がいいのか

特に都心部での不動産投資を考える人にとっては、上記の3点は特に大きな関心事でしょう。

不動産市況のコロナ禍における実情とコロナ後の予測についてデータを用いて客観的に分析をすることで、マーケットが混乱している中でも賢明な投資判断がしやすくなります。

本記事では、不動産投資マーケットの現状およびAIが予測する3年後の不動産価格についてのデータから、都心のマンションがコロナ後も引き続き堅調といえる理由を解説します。

データで見る!コロナ後も都心のマンションが堅調な3つの理由

コロナ後も都心のマンションが堅調といえる理由は以下の3つです。

  • コロナ禍においても価格が右肩上がり
  • 世界のマネーが都心物件に集まっている
  • コロナ禍でもマンション取引件数は変わらず

コロナ禍においても都心のマンションには国内外からのマネーが流入し、価格が下支えされていることに加えて、マンション取引件数もコロナ前と大きく変わっていないことから、都心のマンション市場は引き続き活況を呈すると予測できます。

コロナ禍においても価格が右肩上がり

株式会社東京カンテイの調査によれば、2021年4〜6月の全国主要都市における70㎡あたりの中古マンション価格および前年同月比の平均値は以下の表の通りです。

東京23区 横浜市 さいたま市 千葉市 大阪市 神戸市 名古屋市
6,302 3,337 2,980 2,036 3,585 2,272 2,454
10.6% 7.1% 10.4% 5.3% 4.8% 2.3% 4.5%

※上段が中古マンション価格(万円/70㎡)、下段が前年同月比(%)

全国主要都市の中でも東京23区が前年同月比で最も価格を伸ばしており、コロナ禍が本格化した2020年4〜6月から10%以上も価格が上昇しています。

同じく株式会社東京カンテイの調査を基に、東京23区内で2021年4〜6月の70㎡あたりの中古マンション価格および前年同月比の平均値を比較すると、以下の表のような結果となります。

都心6区 城南・城西6区 城北・城東11区
9,131 6,002 4,639
9.5% 9.0% 8.2%

※都心6区は中央区・千代田区・港区・新宿区・渋谷区・文京区、城南・城西6区は品川区・目黒区・大田区・世田谷区・中野区・杉並区、城北・城東11区はそれ以外の区

東京23区の中でも都心6区が最も高い価格上昇率であり、コロナ禍においても堅調な値動きを見せています。

2020年4〜6月からの一年間の各都市における中古マンション価格の上昇から、全国的に新型コロナウイルスによる価格面のネガティブ影響はほとんどなかったといえそうです。

世界のマネーが都心物件に集まっている

コロナショックによる世界的な金融緩和で市場に供給された世界の余剰マネーが、日本の都心物件に流入しています(2021年7月25日の日経新聞の記事より)。

海外投資家からすると日本の都心物件は安定した利回りを稼げるうえに世界的にみて割安であるため、優良な投資先として認識されているようです。

実際に1㎡あたりの単価で比較をすると、東京の不動産価格は香港、ロンドン、ニューヨークといった世界的な大都市よりも割安であるといえます(以下の表参照)。

都市名 東京 香港 ロンドン ニューヨーク
$/㎡ 16,322 28,570 26,262 17,191
対東京比 175% 161% 105%

※World’s most expensive cities(Global Property Guide)より

日本では割安な価格で安全資産を取得できることに加えて、海外投資家が物件を購入するにあたっての規制がないことも、世界のマネーが都心物件に集まっている理由の一つでしょう。

都心物件はコロナ禍においても国内外からのマネーに下支えされ、安定的な需要があることから、コロナ後も引き続き価格が堅調に推移するといえそうです。

コロナ禍でもマンション取引件数は変わらず

不動産市況の活況さを測る指標の一つとして、取引件数があげられます。

取引件数が多いほど消費者および投資家の購買意欲が高く、需要が旺盛であるといえるためです。

レインズが発表する「月例マーケットウォッチ」のデータによれば、2019年から2021年における東京23区の中古マンション取引件数の月間平均値は以下の表の通りです。

2019年 2020年 2021年※
取引件数(件/月) 1,354 1,257 1,438

※2021年は1〜7月の平均値

緊急事態宣言が出された2020年4月および5月の取引件数は、それぞれ672件、706件と落ち込みましたが、6月には1,311件に回復しており、取引件数の下落は極めて一時的なものだったといえます。

2021年にはコロナ前(2019年)の月間平均値を上回っていることから、コロナ禍においても都心のマンションには安定的な需要があり、取引は活況を呈していると評価できるでしょう。

AIが予測する3年後の都心のマンション価格

株式会社ワンノブアカインドが提供する「マンション将来価格予測サービス」のデータを基に日経新聞が作成した、東京都および神奈川県における3年後のマンション価格ヒートマップによれば、AIは以下3つの予測をしています。

<予測>

  • 都心5区では18%以上の物件が値上がりする
  • 横浜ベイエリアでは40%近くの物件が値上がりする
  • 郊外・駅遠の物件は敬遠される

<前提条件>

  • 緩和縮小の影響で日経平均株価が10%下落すると仮定
  • 専有面積50㎡以上かつ築10年以内の物件が集計対象

<予測方法>
以下のようなマクロデータを勘案して、AIがマンション価格を個別に予測

  • 築年数
  • 過去の販売価格の変動
  • 各地域の不動産相場
  • 日経平均株価

都心部や横浜ベイエリアなど一部の人気エリアに需要が集中する一方で、郊外および駅遠エリアが敬遠されるという二極化の進行が示唆されています。

都心5区では18%以上の物件が値上がりする

都心5区(中央区・千代田区・港区・新宿区・渋谷区)では、物件数ベースで18.2%のマンションが値上がりするという予測がされています。

都心部に近いエリアほど価格が底堅く、千代田区における予測値は35.3%にのぼります。

同じ23区内でも都心5区とそれ以外の区では差が大きく、準都心(江東区・世田谷区・台東区・中野区・品川区・文京区・豊島区・目黒区)では11.6%、その他の区では8.7%にとどまるというのが本データの予測です。

コロナ禍でも堅調な値上がりをみせていた都心部のマンションは、コロナ後においても引き続き多くの物件で価格上昇が見込まれるでしょう。

横浜ベイエリアでは40%近くの物件が値上がりする

本予測では、横浜ベイエリア(横浜市中区および西区に位置するみなとみらいに代表されるエリア)の値上がり予想物件の割合が最も多く、38.5%という結果でした。

横浜ベイエリアの値上がり割合が都心5区よりも多いのは、以下2つの理由が考えられます。

  • オフィスや役所が密集している
  • 最寄り駅から徒歩5分以内と交通利便性が高い

横浜ベイエリアには日揮、日産、富士ソフトといった大企業の本社オフィスや神奈川県庁、横浜市役所、横浜市中区役所といった役所が密集しており、職住近接を求める人たちからの需要が底堅くあると思われます。

本予測の集計対象となった横浜ベイエリアのマンションのほとんどが最寄り駅から徒歩5分以内の立地であったため、交通利便性の高さが価格上昇の予測に繋がったと分析することもできるでしょう。

2020年に発表された「住居の居住志向及び購買等に関する意識調査」(全国宅地建物取引業協会連合会および全国宅地建物取引業保証協会)によれば、交通利便性の高さは住宅購入時に重視されるポイントのベスト3に入る重要な判断基準の一つであるため、今後も交通利便性が高い物件は資産価値を維持しやすいといえそうです。

郊外・駅遠の物件は敬遠される

東京都の市部(23区外)および横浜市以外の神奈川県内で価格上昇が見込まれるマンションの割合は5%未満という予測がされています。

郊外マンションの主たる買い手である平均的なサラリーマンの所得がコロナ禍で伸び悩み、購買余力が乏しくなっていることが要因の一つでしょう。

本予測において、東京23区外かつ最寄り駅から徒歩10分以上かかるマンションに絞ると、値上がりが見込まれるのはわずか2.4%(126件中3件)という結果でした。

交通利便性の高さが重視される住宅購入において、駅遠のマンションで価格上昇を狙うのは至難の業といえるかもしれません。

コロナ後も都心のマンションは手堅い資産になる

都心のマンションを中心にコロナ禍でも国内外のマネーに下支えされて底堅い価格上昇をみせており、コロナ後も高い確率で価格上昇をしていくことが予測されています。

不動産市況の今後の見通しに鑑みるに、コロナ禍で不動産投資をためらったり、保有中の物件を急いで売却したりする必要はないと判断するのが賢明といえそうです。

株価が暴落し多くの企業が業績を悪化させているコロナ禍においても、コロナが収束した後の世界においても、都心のマンションは手堅い安全資産になるでしょう。

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