賃料収入は不労所得?物件購入後のオーナーの仕事8つ

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不動産投資を始める理由のひとつとして、「賃料収入という不労所得を得るため」と考える投資家も少なくないでしょう。
実際に不動産投資でFIRE(Financial Independence Retire Early)を達成したサラリーマン投資家も数多くいますが、彼らは全く働かずして賃料収入を得ているわけではありません。

本記事では、賃料収入は不労所得か否かを結論づけたうえで、物件購入後のオーナーの仕事8つを解説します。

賃料収入は不労所得か?

「不労所得」とは、個人の勤労に対する直接的な所得(会社員の給与所得など)以外の所得のことを指します。

賃料収入は以下2つの理由から、不労所得としての側面もある一方、純粋な不労所得ではないともいえるでしょう。

  • 入居者がいる限り発生し続ける
  • 物件購入後もオーナーには仕事がある

賃料収入は自分が所有する物件に入居者がいる限り、半自動的に発生し続ける収入であるという点においては、不労所得としての側面を有しているといえます。

一方、物件購入後もオーナーには貸主として、または賃貸経営者としての仕事が継続的にあり、完全に勤労をしなくていいというわけではないため、純粋な不労所得とはいえません。

物件購入後のオーナーの仕事8つ

物件購入後にオーナーが貸主として、または賃貸経営者として必要な主な仕事は以下の8つです。

いずれも毎日必ず行わなければならないわけではありませんが、継続的または突発的に発生する仕事です。

  • 損害保険への加入・更新
  • 入居者対応
  • 物件の日常的なメンテナンス
  • 入退居対応
  • 空室の募集活動
  • 修繕工事の発注
  • 確定申告
  • 納税

損害保険への加入・更新

不動産投資をするにあたっては、台風や地震、火災等の災害による建物の損傷に備えるため、所有物件についての損害保険(火災保険、地震保険、特約等)に加入することが多くなります。

どの保険に加入するか、どの特約を付帯させるかはオーナー自身で決める必要があり、契約や更新時の手続もオーナー自身で行う事項です。

損害保険は一度加入すれば契約期間が満了しても自動更新されるものもあることから、頻繁に手続をしなければならないわけではありませんが、加入する損害保険を選定し、実際の手続を行うのはオーナーの仕事の一つです。

入居者対応

入居者対応とは、具体的に以下のような事項に関する入居者からの問い合わせや要望への対応のことです。

  • 騒音やマナーなどの入居者間トラブルの対応
  • 駐輪場や駐車場等の契約または解約の処理
  • 設備不具合についての連絡受付

物件の貸主として、入居者に対して快適な住環境を提供することが求められるため、入居者からの問い合わせや要望には真摯に対応する必要があります。

物件の日常的なメンテナンス

物件の日常的なメンテナンスとは、共用部分(エントランスや共用廊下等)の清掃や巡回による異常有無の確認等のことです。

汚れやゴミが溜まっていたり、放置自転車が散乱していたりすると入居者からのクレームや内見時の印象ダウンに繋がる可能性があるため、定期的に物件を訪問してメンテナンスを行う必要があります。

入退居対応

入退居対応とは、既存入居者の退居から新規入居者の入居までの一連の項目のことで、具体的には以下のようなものがあります。

既存入居者(退居者) 新規入居者
・退居受付、契約満了日の確定
・退居立ち会い
・敷金精算
・内見時対応(鍵貸出等)
・賃貸借契約の締結
・鍵の引き渡し

敷金精算時には退居者との交渉が求められたり、新規入居者との賃貸借契約の締結時には契約書を作成したりすることもあるため、各項目において一定の専門知識が必要といえるでしょう。

空室の募集活動

空室の募集活動とは、空室住戸の入居者を募集するための活動のことで、具体的には以下のようなものがあります。

  • 募集条件(賃料、敷金礼金、広告料等)の設定および変更
  • ポータルサイトへの物件情報掲載
  • 仲介業者への周知活動
  • 反響状況の集計

周辺相場や募集時期等に鑑みて適切な募集条件を設定し、物件情報の周知・拡散を行い、反響状況に応じて募集条件を変更するという営業活動もオーナーの仕事の一つです。

修繕工事の発注

修繕工事の発注とは、所有物件の設備に不具合が起こった際に行う一連の手順のことで、以下のような流れとなることが多いです。

  • 修繕業者に見積もり依頼
  • 見積もりを基に価格や工期の交渉
  • 工事発注

エアコンや給湯器等の不具合状態が続くと入居者の生活に重大な支障が出る設備、漏水等の被害が拡大する可能性が高い場合の修繕発注には対応の迅速さが求められます。

確定申告

確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得の金額とそれに対する所得税等の額を計算して確定させる手続きのことです。

オーナーは不動産賃貸業を営む事業主として、サラリーマンであっても毎年確定申告をする必要があります。

所得税法では、確定申告は原則として所得を申告する年の翌年2月16日から3月15日までの間に行うこととされており、同期間を過ぎると無申告加算税(納付すべき税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%)が課されることがあるため、注意しましょう。

納税

納税とは、物件の購入・保有・売却のそれぞれに対して発生する税金を納めることで、不動産投資に関連する主な税金には具体的に以下のようなものがあります。

物件購入時 保有期間中 物件売却時
・不動産取得税
・印紙税
・登録免許税
・固定資産税
・都市計画税
・所得税
・住民税
・消費税(※)
・個人事業税(※)
(※ 必ずしも課税されるとは限らない)
・所得税
・住民税

物件購入時および物件売却時の税金はそれぞれのタイミングで発生する単発のものですが、保有期間中の税金は毎年発生するものであるため、課税タイミングについても注意が必要です。

オーナーの仕事は大部分が専門家にアウトソーシングできる

物件購入後もオーナーには貸主として、または賃貸経営者としての仕事が多くありますが、その大部分は専門家にアウトソーシングすることができます。

賃貸経営の実務では専門知識が求められることも多いため、迅速かつ適切に対処することを優先して、費用を支払ってでも専門家にアウトソーシングする方が合理的といえるでしょう。

具体的に、アウトソーシング先となる専門家は以下の通りです。

  • 現場実務は管理会社
  • 税金関連の事項は税理士

現場実務は管理会社

オーナーの仕事のうち、以下のような現場実務は管理会社にアウトソーシングするのが合理的でしょう。

  • 損害保険への加入・更新
  • 入居者対応
  • 物件の日常的なメンテナンス
  • 入退居対応
  • 空室の募集活動
  • 修繕工事の発注

管理会社は「送金賃料の◯%」や「1戸あたり◯円」といった料金体系で上記のような現場実務を代行してくれます。

管理会社を介した賃貸経営におけるオーナーの仕事は、管理会社からの報告や助言を受けて対応内容についての意思決定をすることであり、オーナー自身が入居者に直接連絡をしたり、空室住戸の募集営業を行ったりする必要はなくなるということです。

現場実務をアウトソーシングすることで、オーナーは賃貸経営者としての重要な意思決定の部分のみに専念できるようになります。

税金関連の事項は税理士

税金関連の事項は高度な専門知識が必要であるため、以下のような項目は税理士にアウトソーシングするのが合理的でしょう。

  • 確定申告
  • 納税額の算定

確定申告においては決められたフォーマットの書面を複数作成する必要があり、作成方法についても税務に関する専門知識が求められます。

物件購入前に正確な納税額を加味した資金計画を立てるためには、購入価格、保有期間、売却価格を想定したうえで税法や税制度についての情報を参照し、納税額を算定しなければなりません。

税金については申告漏れや遅滞があるとペナルティを課されることもあるため、税理士に一任するのも選択肢の一つです。

賃貸経営上の実務は専門家にアウトソーシングすることで迅速かつ適切に行うことができ、オーナーの負担を軽減することもできます。

実務にかける時間と手間を可能な限り少なくし、賃料収入を不労所得に近づけるために、費用を上手に使いながらアウトソーシング化することが重要です。

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