不動産投資ローンの借り換えの3つのメリット・デメリット

(画像=sharaku1216/stock.adobe.com)

現在の不動産投資ローンの返済額が高いと感じている方は、別の金融機関に借り換えることで不動産投資のキャッシュフローを改善できるかもしれません。

不動産投資において金利の利息を抑えることは重要であり、借り換えによって金利の引き下げができるなら利回りの向上につながります。本記事では不動産投資ローンの借り換えの3つのメリット・デメリットについて解説します。

不動産投資ローンの借り換えとは

不動産投資ローンの借り換えは、現在の借入先の金融機関から新しい金融機関のローンに乗り換えることです。新規に契約した金融機関の融資額を利用して現在のローンの残債を返済し、以降は新しい金融機関で返済を続けます。

新規の金融機関では新たな返済条件で返済できるので、現在の金融機関よりもよい条件で融資が受けられる借入先であれば、以降の返済において様々なメリットが得られます。

不動産投資ローンを借り換えたほうがいい人の特徴

不動産投資ローンの借り換えは誰がやっても効果が得られるわけではありません。不動産投資ローンは下記の条件に当てはまる場合に検討すべきものとなっています。

  • 購入してから時間が経っておらず、返済期間が残っている
  • 他の金融機関と比較して金利に大きな差がある
  • ローン残高が十分に残っている

上記の条件に当てはまるなら借り換えの効果が高まりやすいので、本格的に検討してもよいでしょう。一方で、当てはまらない場合は効果が薄くなる可能性が高いのでおすすめできません。

不動産投資ローンを借り換えるメリット

不動産投資ローンに借り換えるメリットは3つあります。

  • 総返済額を減らせる
  • 金利のタイプを変更できる
  • 大手金融機関への借り換えで信用度が向上することも

それぞれ詳しく解説していきます。

総返済額を減らせる

借り換えの一番のメリットは金利を引き下げることで総返済額を減らせるので、不動産投資におけるキャッシュフローの改善が期待できます。具体的に不動産投資ローンの借り換えについてシミュレーションしました。

3,000万円を20年間で返済すると仮定し、現在の借入先の不動産投資ローンの金利が3.6%で、新規の借入先の金利が2.2%であったときの借り換え効果は下記の通りです。

現在の借入先 新規の借入先 借り換えの効果
毎月の返済額 17万5,533円 15万4,622円 2万911円
年間の返済額 210万6,396円 185万5,464円 25万932円
総返済額 4,212万7,920円 3,710万9,280円 501万8,640円

このように1%以上金利に差がある不動産投資ローンに借り換えられた場合は、上記のように返済額を大きく減らせます。現在の借入先と新規の借入先の金利の差が大きければ大きいほど借り換えの効果は高まりやすいです。

金利のタイプを変更できる

不動産投資ローンの金利のタイプには固定金利と変動金利の2種類があります。変動金利のほうが金利は低いですが、金利の変動の影響を受けます。固定金利は金利の変動の影響を受けませんが、変動金利よりも金利は高くなります。

固定金利で契約した場合は、一般的に変動金利に変更できません。しかし、借り換えで新規の借入先で新たに返済条件を定める場合は、前の借入先において固定金利で契約したとしても変動金利での契約ができます。

例えば、不動産投資ローンを25年の返済期間で、金利の変動リスクを考えて固定金利で組んだと仮定し、10年後に返済の目途がついてきたので、金利の引き下げ効果を期待して変動金利に変更する借り換えの動機が考えられます。

大手金融機関への借り換えで信用度が向上することも

不動産は居住用住宅と異なり、投資効率を高めるために複数の物件を所有することが望ましいです。新規の借入で2つ目以降の物件を購入するとき、大手金融機関と契約しているほうが融資を受けられる可能性が高くなります。

大手銀行と契約することは、不動産投資家において重要なステータスになるからです。今後の不動産投資の展開を考えて、大手銀行に借り換えることができれば、信用度の向上が期待できます。

中でもメガバンクと呼ばれる三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行と契約できれば大きなステータスとなるでしょう。

不動産投資ローンを借り換えるデメリット

一方で、不動産投資ローンを借り換えるデメリットは3つあります。

  • 返済条件によっては効果が薄い
  • 諸費用がかかる
  • 借り換えには手間がかかり健康状態も影響する

それぞれ解説していきます。

返済条件によっては効果が薄い

借り換えは残りの返済額や期間、借り換え先の金融機関の金利に効果が依存します。よって、融資条件によっては効果が薄くなります。

例えば、借り換えの融資条件によっては返済期間が短くなることもあります。金利の条件がよく残債がある状態でも融資期間が短縮されることで、総返済額は減少しても毎月の返済額の減少幅が少なく効果を実感しにくい場合や、返済額が増加しキャッシュフローが悪化する可能性が考えられるでしょう。

また、固定金利から変動金利に借り換えた後に情勢が変化し、金利が上昇することで借り換えの効果が薄まる可能性もあります。10年以上後の金利情勢を読むのは難しいですが、借り換えを検討するなら、金利の差だけでなく返済額や返済期間を考慮したうえで不動産投資において十分な効果が得られるかを考えるべきです。

諸費用がかかる

借り換えには様々な手数料がかかるので、手数料を含めて借り換えの効果を計算する必要があります。

借り換えの諸費用には、現在の借入先が持っている抵当権を抹消するための登記費用と新規の借入先に抵当権を設定するための登記費用が必要です。司法書士に抵当権手続きを依頼するなら登記報酬が必要になります。他にもローンを組む際に様々な費用がかかります。

また手数料に加え、保証料や印紙代、団体信用生命保険料などの費用もかかります。
発生する諸費用を含めたうえで効果を考える必要があり、仮に借り換えの効果よりも諸費用の額が大きい場合は、かえって返済額が増加するので気をつけましょう。

借り換えには手間がかかり健康状態も影響する

借り換えの手続きは現在の金融機関と借り換え先の金融機関でそれぞれおこなう必要があるので手間がかかります。副業で不動産投資をおこなっている方で、本業との兼ね合いで手続きに時間をかけられない場合は向きません。

また、借り換えには現在の健康状態も影響します。借り換え時には新たに団信を設定できるので、保証内容が充実した団信に新たに加入し直すのであればメリットになりますが、現在の健康状態によっては新たに団信に加入できず融資が受けられない可能性も考えられます。

借り換えをおこなうためには借り換え先の金融機関の審査に通過する必要があるので、健康状態も含めて、不動産投資家としての信用力が当初の借入時より低下している場合は融資を受けにくいです。

金融機関との交渉で金利を安くできる可能性もある

借り換えは金利の差や、返済額や返済期間によっては大きな効果が生まれるため、メリットは大きいですが、借り換えの条件によっては具体的な返済額の減少効果が手続きや手間などの労力と釣り合わなくなる場合があります。条件次第では、かえって返済額が大きくなる場合があるので計画的におこないましょう。

また、現在の借入先の銀行にとって借り換えは不動産投資ローンの金利収入を失うので阻止したいと考えます。他の銀行と比較して金利が高いことを理由に借り換えを検討していることを借入先の銀行に打ち明ければ金利の交渉ができるかもしれません。

交渉によって金利の引き下げができれば、借り換えよりも手間と時間がかからず、諸費用もかかりません。現在のキャッシュフローを簡単に改善できる可能性がありますので、メリットとデメリットを理解した上で借り換えを検討してみてください。

【オススメ記事】
不動産投資は利回りがすべて?利回りの種類と目安、計算方法を紹介
不動産投資で節税する仕組みとは?所得税と相続税に注目しよう
なぜ賢い人の副業に不動産投資が選ばれるのか?
始める前に考えるべき不動産投資の目的
不動産投資で節税したいサラリーマンのために伝えたいイロハのイ