これからの不動産投資で中規模・小規模マンションが有利な理由とは

(画像=tnog8080/stock.adobe.com)

新型コロナウイルスによる3密を避けるため、管理組合総会を書面決議中心にする大規模マンションが増えています。また居住者が多いタワーマンションも、コロナ禍で感染リスクの高まりから人気は下降気味です。そこで3密になりにくく、管理も容易な中・小規模マンションが見直されています。その背景とは?

コロナで管理組合の総会を書面決議中心にするマンションも

2020年は社会全体が新型コロナウイルスの影響を受けた1年でした。マンション業界も例外ではありません。大規模マンションでは、管理組合総会を延期したり書面で決議を促したり、相次ぐ事態になりました。

集会所での開催は3密のリスクが大きく、通常のスタイルでの総会はほぼ難しい状況が続いています。しかし、管理組合総会は区分所有法によって年に1回は開催することが義務付けられています。そこで、理事会が区分所有者に書面での決議を促し、会場の出席者を最小限に抑える工夫をしているマンションが多く見られます。

このように大規模マンションでは、居住者が多いことで3密になるケースが多く、中・小規模マンションよりも新型コロナウイルスの影響を受けやすいというデメリットがあるのです。

タワーマンションのリスクが高まっている

新型コロナウイルスは不動産市場にも影響を与えています。これまで人気が高かったタワーマンションですが、前述した3密リスクにより人気に陰りが見えはじめています。タワーマンションは1棟あたりの居住者が多く、人口密度が高い傾向があります。高層階はエレベーターで昇降せざるを得ず、3密回避のために人数を制限するのも容易ではありません。また、タワーマンションは眺望用の窓を開閉できない物件が多く、換気の面での不安も取りざたされています。

さらに、マンション投資はローンを返済したあとの出口戦略(売却)も重要ですが、今後の価格動向にも不安が出ています。これまでタワーマンションの買い手の中心といわれた中国などの海外投資家が、撤退する動きを見せているからです。これに加え、タワーマンションは2020年以降も相当な戸数の供給が予定されていることから、過当競争になる可能性も否定できないでしょう。居住用としてだけでなく投資物件としても、今後、タワーマンションのリスクは高くなりそうです。

大規模マンションは修繕費用負担も大きい

大規模マンションは修繕費負担が大きいのもデメリットです。一部の報道では、2015年に大規模修繕工事を行ったタワーマンションの工費は12億円といわれています。総戸数は650であり、1戸あたりの負担金は約185万円に及びます。一般の分譲マンションの費用相場が100万円前後といわれていますので、大規模マンションの負担割合の大きさがわかります。

大規模マンションの修繕負担が大きいのはデータにも表れています。Webサイト「SUUMOジャーナル」に掲載されている資料よると、3大都市圏マンションの階層別の修繕費と管理費の平均は下表のようになっています。

▽3大都市圏マンション管理費・修繕積立金平均費用(2019年)

  首都圏 中部圏 近畿圏
管理費 修繕積立金 管理費 修繕積立金 管理費 修繕積立金
2019年平均 1万9,085円 7,826円 1万2,541円 7,393円 1万1,346円 6,232円
20階未満 1万8,751円 7,784円 1万2,422円 7,042円 1万935円 6,131円
20階以上 1万9,341円 7,886円 1万3,160円 9,217円 1万3,867円 6,990円
30階以上 2万7,701円 8,653円     1万5,755円 6,919円
40階以上 2万5,738円 8,805円     1万8,814円 8,279円

出典:東京カンテイ「マンションのランニング・コスト最新動向」
SUUMO「マンションの管理費・修繕積立金、平均額はいくら?回数や築年で変わる?」より

20階未満のマンションが平均値より費用が安いのに対し、20階以上になるとすべてのケースで平均値よりも高くなります。首都圏の例でみると、40階以上の物件と20階未満の物件では年間の諸経費に約10万円の差が生じます。タワーマンションでは豪華な共有スペースやコンシェルジュなどの人件費も加算されるため高くなるという事情があります。

中・小規模マンションが見直されている

新型コロナウイルスのような感染症に加え、もう1つの大きなリスクが地震や台風などの自然災害です。中・小規模マンションは災害時の避難が容易という点で見直されています。大きな揺れの地震では高層階ほど揺れが増幅されるといわれており、停電時にはエレベーターが停止する事態も考えられます。タワーマンションでの高層階の居住は平常時こそ眺望が魅力ですが、災害が起こると一転してリスクになる不安があります。その点、10階以下の中・小規模マンションは災害時にエレベーターが停止しても、階段を使って非難することがそれほど難しくありません。

さらに、5階以下の低層マンションは住環境がよいというメリットもあります。理由は、第一種低層住居専用地域、もしくは第二種低層住居専用地域では建物の高さは10メートル、あるいは12メートル以下に制限されていることが多いからです。加えて、日照制限があるため、日当たりのよいマンションが多いのも特徴です。

結論は東京23区の中・小規模マンションがベスト

では、マンション投資においてどのようなエリアで中・小規模マンションを探せばよいのでしょうか。結論をいうと、東京23区の中・小規模マンションがベストです。東京23区は家賃相場が高いため、ローンの支払いを差し引いても黒字を確保しやすいというメリットがあります。

東京カンテイの「市況レポート」によると、2020年12月における東京23区の分譲マンション賃料は3,822円/平方メートルで、神奈川県の2,352円/平方メートル、埼玉県の1,688円/平方メートル、千葉県の1,680円/平方メートルを大きく上回っています。分譲マンションの価格自体も同じ東京カンテイの調べで2020年12月の東京23区中古マンション価格が、前月比+1.1%の5,997万円と6ヵ月連続で上昇しています。購入したマンションの価値が下がりにくいのも東京23区物件の大きな魅力です。

また、入居者が住まいを選ぶときに重視するポイントでも、東京23区のマンションは優位に立っています。SUUMOのアンケート調査「857人に聞いた引越し・住み替えの実態調査2017」によると、「家を探すときに重視する項目」という問いに対し、「最寄り駅からの時間」(2位、58.6%)、「通勤・通学時間」(3位、57.8%)、「路線・駅やエリア」(4位、54.7%)と駅に関する3つの項目が上位を占めています。東京23区は交通網が充実しており、1つの物件に対し複数路線が乗り入れている例も少なくありません。たとえば、A駅より徒歩12分、B駅より徒歩5分であれば、物件の募集広告では「駅歩5分、通勤・通学に便利」と記載することができます。需要が多いことは空室リスクが減ることにもつながるので、東京23区の物件は「家賃が高く、空室リスクが少ない」理想的な投資先といえます。

感染症や自然災害がいつ起こるかわからない先行き不透明な時代には、大規模マンションに多額の投資をするよりも、リスクの少ない中・小規模マンションで堅実な投資が期待できるマンション経営を行うのが懸命な選択といえるのではないでしょうか。

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