不動産投資クラウドファンティングVSワンルーム経営 仕組みやメリットを徹底比較

(画像=lucid-dream/stock.adobe.com)

「不動産投資クラウドファンディング」と「ワンルームマンション経営」は、どちらも若手~中堅ビジネスパーソンに人気の高い資産運用です。今回は、それぞれの仕組みやメリット・リスクなどを比較することで両者の違いと共通点を浮き彫りにします。

同じ不動産投資でもかなり違う、それぞれの仕組みについて

「不動産投資クラウドファンディング」も「ワンルームマンション経営」も同じ不動産投資です。しかし仕組みは「まったくの別モノ」というくらいに異なります。

不動産投資クラウドファンティングの仕組み

不動産投資クラウドファンディングは、2017年の「不動産特定共同事業法の一部改正」をきっかけに広がった新しい投資手法です。その仕組みは、たくさんの投資家から集めた小口資金をもとに事業者が不動産を取得し運用または売却します。これらの活動で得たリターンを投資家に分配するものです。「不動産投資クラウドファンディング」と呼ばれていますが、正式名称は「小規模不動産特定共同事業」です。

<不動産投資クラウドファンディングの仕組み>

対象の不動産は多岐にわたり賃貸マンション・古民家・ホテル・保育園・学校などさまざまです。

ワンルームマンション経営の仕組み

ワンルームマンションを購入し入居者へ貸し出すことで家賃収入を得る投資手法です。入居者管理を管理会社に委託するのが一般的で、オーナーは運用の手間はかかりません。

<ワンルームマンション経営の仕組み>

不動産投資には、アパートやファミリーマンションなど物件のタイプはさまざまです。例えば、大都市圏で今後もワンルームマンションのターゲットとなる単身世帯(独身者)が増えることが予想されています。そのため、ワンルームマンションは将来の入居者ニーズが安定していると見込まれ、人気があるとされています。

ワンルームマンションの価格は「中古ならば数百万~」「新築ならば千万単位~」が相場といえるでしょう。しかし実際には、金融機関のローンを利用して購入する人が多いため、キャッシュアウトを最小限に抑えられます。「物件価格の1割程度の頭金を入れる」「全額を融資してもらえるフルローンを使う」といったケースも少なくありません。

不動産投資クラウドファンティングのメリット

次にそれぞれのメリットを比較してみます。まず不動産投資クラウドファンディングのメリットは、主に以下の2つです。

少額で投資ができる

不動産クラウドファンディングの一番のメリットは、少額で投資できることです。通常の不動産投資は、まとまったお金が必要ですが不動産クラウドファンディングなら1口1万円程度から投資することが可能です(1口あたりの出資額はファンドによって異なります)。

手間がかからない

ワンルームマンション経営は、管理会社に運用を任せることで手間をかけることなく運用することができます。同様に不動産投資クラウドファンディングも事業者が運用を担当するため、投資家の手間はかかりません。ただワンルームマンション経営の場合は、物件の購入時・売却時に打ち合わせをしたり契約書を交わしたりすることが必要などの負担が発生します。

不動産クラウドファンディングは、購入時・売却時の手間がかからない、手間が少ないことがメリットです。

ワンルームマンション経営のメリット

不動産投資クラウドファンディングにはないワンルームマンション経営(他の不動産投資を含む)のメリットを4つ紹介します。

他人資本で運用できる

不動産投資には、数ある投資の種類の中でも唯一「金融機関が元手を融資してくれる」というメリットがあります。ローンを利用して収益物件を購入および毎月の返済を家賃で相殺することで、最小限の自己資金で大きな金額を動かせることが魅力です。なお不動産投資の中でもワンルームマンション経営の特徴としては、「融資審査において投資家の信用力を重視する傾向が強いこと」が挙げられます。

そのため、安定収入のある会社員や公務員などが相性のよいカテゴリといわれています。

税金を節税できる

ワンルームマンション経営を行うことで所得税や相続税の節税が期待できます。特に高所得のビジネスパーソンや富裕層にとっては大きなメリットです。所得税の節税では、実際に出費していない減価償却費を含めて収支が赤字になった場合、赤字分を給与所得など他の所得と相殺することができます。いわゆる損益通算が可能です。

損益通算で総所得を圧縮することで所得税を抑えることができます。相続税の節税では、現金・預金で資産を保有しているよりも賃貸不動産で保有しているほうが、相続税を算出する際の資産評価額が圧倒的に少なくなることも大きなメリットです。

運用期間が長い

不動産クラウドファンディングの運用期間は数ヵ月~数年が多い傾向にあります。一方でワンルームマンション経営の運用期間は、数十年かつ途中で現金化することもできます。運用期間が長いため、家賃収入をコツコツと積み上げてローンを完済し、将来の私的年金を生み出せる可能性も高くなります。

生命保険に似た機能がある

不動産投資では、物件購入時にローンを組む際、団信(団体信用生命保険)への加入を金融機関から求められることが一般的です。団信は、契約者が亡くなったり高度障害になったりしたときなどに保険金でローンの残債を相殺します。万が一の際でも家族にはローンのない収益物件が遺されることはメリットの一つです。遺族には賃料収入が入ってくるため、生活の助けになるでしょう。

それぞれにリスクヘッジする方法はある

「不動産投資クラウドファンディング」「ワンルームマンション経営」のどちらも運用中の空室リスクや物件価格下落のリスクがあります。

運用中の空室リスク

両者ともに運用中の空室発生により想定していた賃料を得られないリスクがあります。その結果「不動産投資クラウドファンディング」では分配金や元本が目減りしたり、「ワンルームマンション経営」ではローン返済をオーナーが負担しなければならなかったりする可能性も否めません。空室リスクの回避策としては、以下の2つの方法があります。

  • 不動産会社などの事業主が物件を借り上げる「マスターリース契約」
  • 借主に転貸借する「サブリース契約」

ただしすべてのプロジェクトでサブリース契約(またはマスターリース契約)が採用されているわけではありません。ただ空室リスクが低い経営環境であればサブリース契約によるリスクヘッジは不要でしょう。

物件価格下落のリスク

収益物件の想定以上の価格下落リスクも「不動産投資クラウドファンディング」「ワンルームマンション経営」両方で発生する可能性があるでしょう。不動産投資クラウドファンディングの価格下落に対するリスクヘッジとしては「優先劣後出資方式」があります。これは、所有する不動産の価格が下落したとき一定の損失割合までを事業者が優先してカバーするものです。

投資家からすると「一定額を超えた分の損失のみ元本に影響がある」という方式となります。「どれくらいの損失割合まで事業者が負担してくれるか」はファンドによって異なりますが、一般的に全体の出資額に占める事業者の出資額(劣後出資)の割合は2~3割程度です。ワンルームマンション経営の価格下落に対するリスクヘッジとしては「資産価値を保ちやすい東京23区の好立地物件を選ぶ」などが有効といえます。

不動産投資クラウドファンディングは「お小遣い稼ぎ」向き

ここで紹介してきた「不動産投資クラウドファンディング」「ワンルームマンション経営」のどちらも大枠では、不動産投資のカテゴリです。ただ同じ不動産投資でも仕組みやメリットがかなり異なることが理解できたのではないでしょうか。端的にいえば「不動産投資クラウドファンディング」は、1口あたりの投資額が少なく手軽にはじめられるため、ちょっとしたお小遣い稼ぎに向いています。

一方の「ワンルームマンション経営」は、投資額がそれなりに多く長期間の運用が前提のため、将来の私的年金づくりに向いている傾向にあります。両者の特性を理解して使い分ければ、どちらも人生で余裕をつくるのにプラスになるスキームといえるでしょう。

※不動産投資クラウドファンディングは、歴史の浅い商品です。新たなリスクが出てくる可能性もあるため、運用する場合はファンド(事業者)を慎重に選ぶことが賢明です。

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