不動産投資のブランドタウン「文教地区」の魅力と投資の優位性

(画像=sharaku1216/stock.adobe.com)

地名やそのエリアそのものがブランド価値を持つような街があります。知名度の高い都心の一等地はその筆頭格です。しかし住宅地の中には子どもを育てやすい住環境に恵まれていることから「文教地区」と呼ばれる街があります。日本全国にある大都市には、必ずと言って良いほど文教地区がありその多くは人気の高さゆえに地価も高い傾向です。

「人気が高い」ということは、文教地区での不動産投資は高い入居率が期待できるのではないでしょうか。地価が高いため高級住宅地としても名を馳せている街も多く文教地区で物件を所有することは資産価値を維持する観点からもメリットが感じられます。地名自体にブランド価値があるエリアや文教地区での不動産投資は実際のところ魅力的なのでしょうか。

本記事では、文教地区の概要や人気の理由など文教地区における不動産投資事情について解説します。

文教地区とは特別用途地区の一つ

文教地区は、都市計画法によって定められている特別用途地区の一つです。文教という言葉の通り「教育に適した環境」を維持するために市区町村が指定できることとなっており文教地区に指定されると例えばパチンコ店やマージャン店、ナイトクラブなどといった「教育上好ましくない業種」と見なされる店舗などは出店できなくなります。

こうした規制は、市区町村が制定する条例が法的な根拠になるため、規制内容や区域の指定は市区町村の判断に委ねられる傾向です。法的な定義と別に、文教地区は小中学校から大学に至るまで名門校が所在しておりさらに寺社仏閣が多く(私学に併設されている宗教施設も含む)、公園など緑も多いなどの景観が良いという特徴があります。

一方で都心からそれほど遠くない街が多いため、住環境と利便性が両立している傾向です。

文教地区が人気を集める7つの理由

良好な住環境や景観、そして利便性が両立しているだけでも文教地区が人気を集める理由としては申し分ありません。しかしそこから派生する魅力を含めると例えば以下のような7つの人気の理由が考えられます。

  • 子育て世帯が多く必要な施設やサービスが充実している
  • 教育熱心な親が多い傾向のため、塾などの教育施設が整っている
  • 教育熱心な家庭が多い傾向のため、公立学校での学級崩壊リスクが低い
  • 風紀に悪影響を及ぼす施設がないため、治安が良い
  • 騒音が少ないため、閑静な環境になりやすい
  • 地区そのものにブランド価値があり資産価値が低下しにくい
  • 全体的に利便性の高い地区が多く立地条件に恵まれている

これらの理由を見れば見るほど文教地区での不動産投資には強いメリットが感じられるのではないでしょうか。

文教地区での不動産投資はこうなる

不動産投資家にとって重要なのは、所有している物件がいつまでも高い入居率を維持してくれることです。その点において文教地区は街そのものに強い集客力があるため、「ぜひ物件を所有したい」と感じる人も多いのではないでしょうか。しかしやはり人気の高さゆえにどうしても地価が高くなるため、利回りが低くなりやすい傾向があります。

首都圏では千代田区の皇居北側と西側の大学密集地や渋谷区の広尾から表参道にわたるエリアは、いずれも文教地区に指定されています。関西圏の中でも天王寺区は、名門校が多く所在し大阪都心から至近でありながら閑静な住宅地として知られている文教地区です。2020年9月29日に公表された大阪府内の基準価格(2020年7月1日時点)では、天王寺区真法院町が21年連続で府内トップでした。

それぞれの土地勘がある人であれば、文教地区がいかに高いブランド価値を持っているかが想像できるのではないでしょうか。今から新たに物件を購入するとなると価格が高くなりがちですが購入後の価格下落リスクが低いため、利回りよりも資産形成重視の投資スタイルに適していると言えるでしょう。

文教地区での不動産投資に適している4つのタイプ

ここまでの解説を踏まえて文教地区での不動産投資に適している4つのタイプを紹介します。

  • 自分も子どもの教育環境にこだわりを持っている
  • 年収や勤続年数などの属性が高い
  • 自己資金が潤沢
  • 利回りよりも安定的な賃貸経営を重視し資産防衛の一環と捉えている

1.自分も子どもの教育環境にこだわりを持っている

文教地区の物件でターゲット層となるのは、富裕層や教育への関心が高い人たちです。こうした人たちのニーズを把握するには、自分も同様の環境を求めていることが望ましいでしょう。事実、文教地区に物件を所有するオーナーの多くは同一区域もしくは近隣の住民であるケースもあります。

2.年収や勤続年数などの属性が高い

文教地区の物件は、高額になりがちです。そのため物件を購入するための融資を受けられるだけの高い属性が必要になります。高い属性とは、具体的に「年収が高い」「勤続年数が長い」「企業規模が大きい」などです。

3.自己資金が潤沢

2と同じ理由で高額物件を購入できるだけの自己資金が用意できることも条件の一つです。魅力的な物件を購入するためには、それだけのコストを要します。また自己資金が潤沢であれば選択肢を広げることもできるでしょう。

4.利回りよりも安定的な賃貸経営を重視し資産防衛の一環と捉えている

先述したように高額物件が多い文教地区での不動産投資は利回りが低くなりがちです。しかしその一方で物件の資産価値が下がりにくいため、将来を見すえた資産形成や資産ポートフォリオを多様化する一環として不動産投資に取り組むのであれば文教地区の物件はそのニーズを満たしてくれるでしょう。

文教地区の不動産投資に適しているタイプが理解できた後は、注意点についても把握しておくと安心です。

文教地区での不動産投資で注意したい3つのポイント

最後に文教地区での不動産投資で注意したい3つのポイントを解説します。いずれも文教地区ならではの注意点です。

  • 小学校の校区
  • 駐車場の確保
  • 物件の外観やイメージ

1.小学校の校区

文教地区内にいくつかの公立小学校がある場合、「どの小学校の校区か」によって地価が変動したり物件の人気度に差が生じたりすることがあります。小学校の校区は、法律的な定めはなく各市町村教育委員会が設定した区域です。そのため地域によっては道路を隔てただけで向かい合わせのマンションであっても家賃相場が大きく異なる事例も少なくありません。

実際には、子どもを公立ではなく私立の小学校に入学させる家庭が多いものの文教地区では小学校の校区を十分理解したうえで物件選びをすることが必要です。さらに文教地区内と文教地区に指定されていない「周辺エリア」の場合、こちらも道路を隔てているだけであっても家賃相場が大きく異なることがあります。

しかしこうしたケースは、類似したエリアでありながら物件価格がかなり安くなることもあるため、投資家自身の判断が分かれるところでしょう。

2.駐車場の確保

都心から近く利便性の高い文教地区が多い傾向ですが富裕層の人たちは一つの世帯で複数のマイカーを所有するケースもあります。駐車場が十分に確保されていないことが入居をためらう理由の一つとなることもあるでしょう。そのため利便性の高い立地条件でありながら複数台の駐車場を確保できるかは事前にチェックしておくと安心です。

文教地区のマンションは富裕層をターゲットにしていることが多い傾向です。建物内の戸数よりも多い台数分の駐車場を設置していることもありますがこれも文教地区における不動産投資で留意しておくべき特徴の一つです。

3.物件の外観やイメージ

文教地区にあるマンションは低層かつ高級物件が多い傾向です。タワーマンションのような都会的なイメージよりも周辺の景観に溶け込むようにデザインされたシックな印象のものが主流。しかし実は、これが重要です。高級マンションに入居するような富裕層の人たちは、派手すぎたり目立ったりする物件よりも上品で景観にマッチした外観を好む傾向があります。

いわゆるデザイナーズ物件といった流行の影響を受けやすい物件よりも飽きの来ない普遍的な価値を主張できるようなデザインが好まれる傾向です。こうした外観やマンションの存在感といったイメージは、非常に重要になります。文教地区での不動産投資では、外観など見た目の印象も重視するべきでしょう。

文教地区ならではの優位性と注意点を踏まえて投資を検討しよう

文教地区で不動産投資を行う場合は、一般的な不動産投資物件と目利きするポイントが異なります。安定的な運用を目指すことが期待できるため、魅力的に感じている人もいるかもしれません。しかし文教地区特有の優位性や注意点を十分に周知したうえで投資を検討することが重要です。文教地区での入居を希望する人が「どのようなことに関心を持っているのか」について日ごろからアンテナを張っておくことも大切になるでしょう。

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