入居率アップ!コロナ禍のマンション経営に必要な設備5選

(画像=oka/stock.adobe.com)

2020年10月13日時点で世界の新型コロナウイルス感染者数は約3,780万人を突破し拡大がおさまる兆しは見られません。社会的に感染症対策が求められるなか、マンション経営においてもコロナ対策に有効な設備や機器の導入の検討が必要になるでしょう。入居者の不安を少しでも取り除こうというオーナーの努力が競合物件との差別化にもなります。

本記事では、コロナ禍で入居率アップにつながりそうな設備を5つ紹介します。

コロナ禍でのマンション経営の状況

新型コロナウイルス(以下、コロナ)が日本経済にさまざまな影響を与えるなか、マンション経営の現状はどうなっているのでしょうか。東京カンテイの調査によると2020年8月の首都圏分譲マンション賃料は、1平方メートルあたり3,118円と前月比0.5%上昇し史上最高値を更新しました。コロナで多くの業種が業績悪化に見舞われるなか、賃貸マンションの賃料は依然として好調に推移していることがうかがえます。

しかしすべての不動産が好調というわけではありません。三鬼商事株式会社の調査によると2020年1~9月の東京ビジネス地区(都心5区:千代田・港・中央・新宿・渋谷)におけるオフィス空室率は以下のように推移しています。

年月平均空室率前月比(ポイント)
2020年1月1.53%-0.02
2020年2月1.49%-0.04
2020年3月1.50%+0.01
2020年4月1.56%+0.06
2020年5月1.64%+0.08
2020年6月1.97%+0.33
2020年7月2.77%+0.8
2020年8月3.07%+0.3
2020年9月3.43%+0.36

2020年1~5月にかけては上昇しているものの平均空室率は1%半ばで推移していました。しかし2020年6~9月にかけては2~3%台に突入していることが分かります。株式市場などに比べると影響が出るまでにタイムラグがあることが特徴的です。平均空室率は上昇傾向となっていますが、比較的限定的に推移しておりマンション経営の安定性の高いことが分かります。

今後も空室率などの動向は随時チェックしておくことが大切です。

コロナ禍で差別化を図れる5つの設備

不況に強いと言われるマンション経営ですが、今後注意しなければならないことはコロナで国民の感染症対策に対するチェックが厳しくなっていることです。エントランスや共用スペースに「殺菌スプレー」が置いてあるくらいでは競合物件との差別化が難しいでしょう。いくらマンション賃料が上昇しても空室が出てしまっては、その恩恵を受けることはできません。

そのため今後は、現在の入居者の不安を払しょくしたり新たなユーザーに選ばれたりするマンションを意識することが必要です。競合物件との差別化を図るには、例えば以下のような5つの設備の導入を検討することも大切になります。

  • 通販需要の急増で利便性高まる「宅配ボックス」
  • テレワークの居住者に役立つ「ワーキングスペース」
  • プラズマクラスターイオンを発生する「空気清浄機」
  • ドアに貼るだけで設置できる「非接触自動検温器」
  • 集会所の会議などに有効な「飛沫感染防止パーテーション」

1.通販需要の急増で利便性高まる「宅配ボックス」

緊急事態宣言による外出自粛がきっかけになり通販の需要が急増しています。単身で住んでいる会社員にとっては、勤務時間中に荷物が届けば受け取ることはできません。不在票を見ながら再配達を依頼することになりますがその手間が面倒と感じる人は多いのではないでしょうか。「宅配ボックス」はいわば時代の要請とも言える設備です。

全国賃貸住宅新聞が発表した「2019入居者に人気の設備ランキング」によると宅配ボックスは単身者向けで3位、ファミリー向けで6位にランクインしています。コロナ前の調査のため、2020年はさらに順位を上げるかもしれません。宅配ボックスがあれば配達員と接することなく荷物を受け取れるため、感染防止にも効果的です。

エントランスに宅配ロッカーが設置されているマンションであればかなり他物件との差別化を図れるでしょう。もう一つ宅配便に似たジャンルに食事を中心としたデリバリーがあります。2020年10月時点では、少ないですが「返却ボックス」を設置しているマンションもあり特に役に立つのがオートロック式のマンションです。

デリバリーは届けてもらうときは確実に人がいますが容器を引き取りに来るときは不在で引き取れないケースも考えられます。不在が多い家であればエントランスに設置した返却ボックスに返しておけば業者に二度手間をかけずに済むので便利です。

2.テレワークの居住者に役立つ「ワーキングスペース」

コロナ禍で社会構造が大きく変化しましたがそのなかでも象徴的なのがテレワークの普及です。内閣府が2020年6月21日に公表した「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」によるとテレワークの全国の実施率は34.6%でした。雇用形態別では、正規雇用社員が42.2%と非正規雇用社員の18.0%を大きく上回っています。

そのため正社員にとってはテレワークで勤務するのが常識になりつつあると言えるでしょう。この流れを受けて最近では共用部に「ワーキングスペース」を設置するマンションが増えています。自宅勤務において小さな子どもがいる家庭や独立した仕事部屋がなく来客があった際に苦慮する家庭では、テレワーク勤務に支障が出る場合もあるでしょう。

しかしワーキングスペースがあれば必要なときだけ出向いて仕事を仕上げたりデータを送信したりすることができます。ワーキングスペースがあることがきっかけで入居を決めたユーザーもいるようです。

3.プラズマクラスターイオンを発生する「空気清浄機」

人の出入りが多いエントランスを「空間除菌」できる機器を設置する施設も増えています。プラズマクラスターイオンを発生する「空気清浄機」を稼働させることで空気中に浮遊するウイルスを不活可することが期待できるでしょう。プラズマクラスターイオン技術に関しては、2004年にシャープと社団法人北里研究所の共同研究でプラズマクラスターイオンによる不活可実証実験を行っています。

その結果40分以内に99.7%を不活化させウイルスを破壊することにより感染力を抑える働きがあることが実証されました。「空気清浄機」はコロナに限らずインフルエンザや花粉症対策にもなるため、設置すれば入居者に喜ばれるでしょう。他にも次亜塩素酸でウイルスを除去する「空間除菌脱臭機」などもあります。

4.ドアに貼るだけで設置できる「非接触自動検温器」

イベントの開催では、入場時におでこで検温されることが一般的になりましたがマンションで行うのは困難です。そこで自動で発熱者を発見できる「非接触型自動検温器」や「体表温測定サーマルカメラ」が注目されています。体表温測定サーマルカメラは、赤外線サーマルカメラとCMOSカメラ(蛍光観察に適したカメラ)を使って非接触で人の体表温度を検知することが可能です。

また付属しているアラーム機能ソフトと組み合わせることで発熱者を検知したときにアラーム音を発する仕組みになっています。(高機能機器の場合)三脚などに固定して設置する方法が一般的です。もっと簡単に設置できるタイプもあります。非接触型自動検温器は、「磁石や両面テープでドアに貼る」「受付カウンターなどに置く」といったことだけで使えるものもあるのです。

37.5度以上の熱を感知した場合に本体のLEDが点灯しアラーム音が鳴る仕組み。価格や商品名、設置方法などは各商品によって異なるため、マンションの規模や出入りする人数など物件に合わせた機器を選ぶとよいでしょう。

5.集会所の会議などに有効な「飛沫感染防止パーテーション」

多くの飲食店に設置されている「飛沫感染防止パーテーション」は、マンションでも集会所のように会議を行う場所に有効な感染防止グッズとなります。主に吊り下げ型のタペストリータイプと設置型のスタンドタイプの2種類です。タペストリータイプは、管理人室の窓口へ設置するのに向いています。またスタンドタイプは集会所の長机を2人掛けで利用する場合の分割用として重宝するでしょう。

価格は塩ビタイプであればいずれも1万円以下で購入できるため、ぜひ完備したいアイテムの一つです。

コロナ禍対応の設備で競合物件との差別化を図ろう

コロナ禍でもマンション賃料があまり影響を受けていないのは不動産投資家にとっては幸いです。しかし今後は安心して住める物件を選ぶユーザーの選択眼がより一層顕著になることが予想されます。紹介した5つの設備や機器をすべて導入することは難しいかもしれません。しかし予算を有効に使い自分の物件をグレードアップすることで競合物件との差別化を図っていきたいものです。

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