不動産投資における災害リスクとは?思わぬリスクに対処する方法

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「災害リスク」は、「空室リスク」「金利上昇リスク」と並んで不動産投資における主要リスクの一つです。災害リスク対策では地震・火事・洪水など、様々な自然災害と向き合わなければなりません。

不動産投資を行うにあたって、災害が発生した際の対処方法の多さがネックとなっている人は多いのではないでしょうか。

本稿では、災害リスク対策について悩んでいる人のために、災害リスクの対処法やあらかじめ入っておくと便利な保険などについて解説します。物件選びの段階でできる災害リスク対策についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

不動産投資で懸念される災害リスク

災害対策基本法では、災害を以下のように定義しています。

『災害 暴風、竜巻、豪雨、豪雪、洪水、崖崩れ、土石流、高潮、地震、津波、噴火、地滑りその他の異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する政令で定める原因により生ずる被害をいう』
(参照:災害対策基本法第二条一

不動産投資における災害リスクとは、上記のような災害によって投資物件が損壊・倒壊する危険性を指します。

空室リスク・金利上昇リスクなどと異なり、災害リスクは実際に発生した際の被害額を読むことはとても困難です。

地震や火災などで、建物が倒壊・焼失して丸ごとなくなってしまうと、投資対象の物件の不動産としての価値はほとんどなくなり、売却して現金化することもできません。

日本では大型の地震・台風などの自然災害が頻繁に発生するため、不動産投資において災害リスクは優先度の高いリスクといえるでしょう。

次項では、実際に災害が発生してしまった場合の対処方法について説明します。

不動産投資で災害が発生した場合に備える 3つの対応

不動産投資において、災害が発生した時のために備えておきたいことは、以下のとおりです。

  • 災害発生前の物件の破損状態を把握しておく
  • 物件の緊急時の脱出ルートをチェックしておく

それぞれについて説明します。

災害発生前の物件の破損状態を把握しておく

不動産投資で物件を購入する際は、事前に物件の破損箇所を把握しておきましょう。

災害が発生し、所有物件が被害を受けた場合は修繕を行う必要がありますが、物件の破損が災害によるものか否かで、保険の適用範囲が変わることがあるからです。

災害リスクに見舞われなかったとしても、認知していない傷などが物件にあると売却価格が下がってしまいます。購入前に物件の状況を確認しておくことは、不動産投資の基本といえます。

物件の緊急時の脱出ルートをチェックしておく

災害が発生した時のために、購入する物件では非常時の脱出ルートが確保されているか、障害物はないかなどもチェックしておく必要があります。

建物は壊れても修繕することができますが、人の命は失われたら元には戻りません。

マンションなどの場合は、災害時にエレベーターなどが停止してしまうこともあるため、物件のオーナーとして緊急避難経路はしっかり把握しておきましょう。

不動産投資では災害リスク対策の保険に加入する

不動産投資における災害リスクに備えるため、加入しておくと便利な保険の種類は以下のとおりです。

  • 火災保険
  • 地震保険
  • 施設賠償責任保険

個別に説明します。

火災保険

火災保険は不動産を購入する際に加入が必須の保険で、物件購入のためのローンを組む際に金融機関から加入を促されます。

不動産会社が購入する物件に見合った火災保険を紹介してくれる場合もありますが、保険の金額・内容は保険会社によって差があるので、自分でも比較・検討をするようにしましょう。

火災保険には火災以外にも、物件で死亡事故が発生した場合の損失額をカバーしてくれる「家主費用特約」などもあります。

また保険会社によっては、水害・風害・雷害などで発生した被害額を補償するオプションを選ぶこともできます。

地震保険

地震保険は、火災保険と並んで不動産投資においては必須の保険で、火災保険と一緒に加入するケースが多いでしょう。

補償の対象は建築物・家財などで、補償額は火災保険の30〜50%ほどに設定されますが、保険料は火災保険よりも高い傾向です。

しかし、好立地なエリアや臨海部エリアには地盤が不安定な地域もあるので、一戸建てだけでなく、マンションへの投資を検討している人も加入しておくと、いざという時の備えとなります。

特に東京近郊の物件の購入を検討している場合、30年以内に首都直下型の地震が起こる確率は30%ともいわれているので、地震保険には必ず加入するようにしましょう。

施設賠償責任保険

施設賠償責任保険とは、所有物件の倒壊などによって、二次災害が発生した際に請求される賠償金を補償する保険です。

災害時以外にも「マンションの外壁の剥げ落ちで通行人がケガをした」「設備の欠陥による水漏れで入居者の家財がダメになった」といった場合にも保険が適用されます。

保険料も比較的安いので、火災保険・地震保険と併せて加入を検討しましょう。

物件選びの段階でできる災害リスク対策

「不動産投資をする予定だが、まだ物件は購入していない」という場合は、災害リスク対策に加えて以下のことに気をつけておきましょう。

  • 新耐震基準の物件を選ぶ
  • ハザードマップで水害が起きそうなエリアを確認しておく

それぞれについて説明します。

新耐震基準の物件を選ぶ

新耐震基準とは、建造物の地震に対する耐久性を発揮する構造の基準のことで、1981年6月1日以降に建設された建築物に適用されています。

旧耐震基準では、震度5までの地震しか想定していません。2016年に発生した熊本地震で倒壊した家屋の多くは、旧耐震基準の物件だったそうです。

とはいえ、新耐震基準を満たした物件であれば何でもいいというわけではありません。「一戸建てよりはマンションを購入する」など、なるべく地震に強い建物を選ぶことも不動産投資では重要です。

東日本大震災 被災状況調査報告」によると、東日本大震災で倒壊したマンションはなかったとのことなので、投資対象としてはよりリスクが小さいといえるのではないでしょうか。

あらかじめハザードマップで水害が起きそうなエリアを確認しておく

ハザードマップとは、自然災害による被害が予測される地域を可視化したデータのことで、エリアごとの地震・津波などのリスクを確認することができます。

不動産を購入する際は、ハザードマップを使って購入を検討している物件があるエリアをリサーチすることで、災害リスクがより小さいと想定される物件を購入することができます。

川などがある地域の治水に関する歴史を見ることもできるので、今後水害などのリスク対策が行われる可能性のあるエリアを予想することもできるでしょう。

いざという時のリスク軽減のために日頃から備えよう

災害はいつ発生するかわからず、発生した際の被害額などの予測もなかなか難しいものです。

しかし、事前に「災害が起きた時に役立ちそうな情報を集めておく」「各種保険に入って万が一の際の負担額を減らす」など、事前に対策を講じることはできます。

物件を購入する際は、「新耐震基準の物件・マンションなど、耐震性能が高い物件を選ぶ」「ハザードマップで危険なエリアを確認する」などして、リスクを最小限にとどめられるよう日頃から努めておきましょう。

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