テレワークの普及で賃貸マンションへのニーズはこう変わる

(画像=rh2010/stock.adobe.com)

2020年3月頃から影響が深刻化した、新型コロナウイルスの感染拡大によって起きた社会の変化の一つに、テレワーク(リモートワーク)の普及があります。満員電車に乗ること、オフィスで多くの人と接することなどが感染リスクを高めるとして、できる限り自宅で業務を行うことを従業員に命ずる企業が急増しました。

国も新型コロナウイルスの感染症対策としてテレワーク導入に対する補助金制度を設けるなど、テレワークの普及を推進しています。テレワークを経験した労働者側も、いわゆる「コロナ後」もテレワークを継続したいと考えている人が4割程度いるそうです。

今後もテレワークの普及が進むと、オフィス以外の場所で仕事をする機会が多くなり、これまで純粋なプライベートスペースだった自宅が「職場」になっていきます。このような状況で、新たに起こり得る問題や、それを受けてこれからのマンション物件に求められることを考察します。

テレワークの普及で「新たな問題」が浮上

テレワークのメリットは、通勤をする必要がなく自宅にいながらにして打ち合わせを含む仕事ができることです。しかし、この「自宅にいながらにして」ということが、新たな問題を生み出しています。

自分で機器の準備や設定がなかなかできないといった問題もありますが、その他にもテレビ会議で見られては困るものが映ってしまう、また女性の場合は「自宅なのにメイクをしなければならない」といった声も聞かれます。

テレワーク自体はそれほど新しいものではなく、以前からツールはあったのですが、あまり普及が進んでいませんでした。そこに新型コロナウイルスの感染拡大が起き、人との接触を減らす必要性から急速に普及が進んだものの、うまく活用できていないのが実情です。

「Zoom映え」を意識した入居者ニーズを理解しよう

オンライン会議などに使用するツールとしては、ZoomやSkypeなどが人気です。特にZoomはアメリカで人気があることもあって、日本国内でもテレワークやオンライン飲み会などで用いられることが多く、Zoomに映る顔や背景を美しくする「Zoom映え」という言葉まで登場しました。

バーチャル背景などを利用することもできますが、Zoom映えを意識してオンライン会議で映り込む背景に自分のこだわりをみせる人もいます。このような人にとっての自宅は単なる生活の場ではなく、さりげない自己主張の場でもあるわけです。テレワーク時代の賃貸経営では、このようなニーズを汲み取ることで差別化の可能性も出てくるのではないでしょうか。

自宅でのテレワーク時代にふさわしいマンション物件の考え方

Zoom映えを意識する人にとって、テレビ会議で映り込む背景は洋服のオシャレに通ずるものがあるのかもしれません。奥行きを感じさせるような空間演出ができる間取りや、背景用に売られているスクリーンを設置するためのフックがあることなど、Zoom映えを意識した物件づくりとしてできることはたくさんあります。

SOHOという、自宅兼オフィスとして使える物件があります。SOHOは自宅の中にオフィスを設置するという考え方ですが、SOHOが登場した当時はオンライン会議で自宅の映像が見られることまでは想定されていませんでした。

これからのSOHO物件では、テレワーク向きの物件としてオンライン会議の使用にも適しているスペースがあることや、背景が映り込んでも問題のない内装であることなどが求められるでしょう。使い勝手が良いだけでなく、Zoom映えする間取りや内装を備えることで、新しいニーズを捉えることができます。

新型コロナウイルスの感染拡大は、普及が進んでいなかったテレワークを一気に加速する可能性を秘めています。これからは「テレワークもできる物件」ではなく「テレワークに適した物件」を構築していくことが、賃貸経営の収益性を高める要素の一つになっていくでしょう。

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