不動産投資の2025年問題と、さらに深刻と言われる2035年問題について

(写真=pathdoc/Shutterstock.com)

不動産投資の世界には、2020年問題、2022年問題といった「〇〇年問題」がいくつかあります。東京オリンピック開催を機に不動産市場がピークアウトしてゆく「2020年問題」と農地が大量に市場に流入する「生産緑地法」により、不動産市場に価格の暴落が起きる「2022年問題」は現在でもしばしば取りざたされています。

かたや「2025年問題」は2022年問題のさらにその向こう、人口構造の変化によって賃貸需要が低下するとされている問題です。本稿では、この2025年と、そのさらに10年後にやってくるといわれる2035年問題についても解説したいと思います。

不動産投資の2025年問題とは?

多くの方がご存じの通り、すでに日本の人口は減少に転じています。いわゆる少子高齢化が進行しており、このままの状況が続くと厚生労働省の調査結果では2025年には団塊世代である「1947年~49年生まれ」の人たちが65歳以上となり、この世代が人口のボリュームゾーンとなります。
その結果、リタイアした人が新たに引っ越しをしたり、マイホームを購入したりといった行動を起こす割合は低くなるため、賃貸・分譲ともに不動産需要が低下することが懸念されています。

さらに深刻とされる2035年問題とは?

2025年問題の10年後にあたる2035年には、先ほどの団塊世代がさらに10歳年齢を重ねるため75歳以上になります。高齢になると亡くなる人も多くなり、人口のボリュームゾーンではなくなります。

その次には団塊ジュニア世代である「1971年~1974年生まれ」の人たちが人口のボリュームゾーンになりますが、2035年にはこの世代の人たちが老後を迎え始めます。団塊ジュニア世代が最後のボリュームゾーンとなり、以降の世代は少子高齢化の影響が顕著になり、加速度的に人口が少なくなります。

このように2025年で一度需要の冷え込みが起き、さらに10年後には最後のボリュームゾーンが続々とリタイアしていくため、不動産需要の落ち込みがさらに顕著になるという懸念が、2035年問題です。

これらの問題を考慮した不動産投資のあるべき姿

このように2025年よりも、2035年の方が少子高齢化の割合が深刻であることから、2035年問題が大きな問題であることがお分かりいただけたと思います。もし、この懸念通りになるとすると不動産投資の将来性そのものに明るい展望が見出しにくく感じられるかもしれません。しかしもしこの通りであるならば、それを踏まえた戦略もあります。

・2025年問題、2035年問題を踏まえた上で有効な戦略とは
① 団塊ジュニア世代が高齢者のターゲットゾーンとなるので、それを意識した物件選び、構築をする。
② 入管法改正による外国人定住者の増加、インバウンド需要を意識する。
③ 大都市圏とそれ以外の二極化が進むので、大都市圏の都心部を中心に投資候補地を厳選する。

以上の3点はいずれも、2035年以降も有効であると考えられる戦略です。なかでも団塊ジュニア世代が高齢化するのであれば、高齢者に支持される物件選びや構築をするというのは、最も取り組みやすい戦略といえるでしょう。

また、日本人が減少していく一方で、日本に定住する外国人や訪日外国人は増え続けているため、インバウンドを含めた外国人向けの層も大きなマーケットになります。大規模な企業や工場がある「企業城下町」では、外国人労働者需要を当て込んだアパートなどの投資価値が高くなっており、また大阪や京都、北海道などではインバウンド需要による不動産市場の活況が見られます。

将来の人口推移を見越した不動産投資を

日本国内では全体的に人口が減少傾向にある一方で、総務省の人口移動報告によると、東京は転入者が転出者を上回る「転入超過」数が1年で国内最多の約8万人にのぼると発表されています。また、東京都の人口の推移(国勢調査ベース、外国人含む)を見ると、1995年の11,773,605人から2015年には13,515,271人と、20年で174万人も増加しており、この都心回帰現象はさらに続くと予想されます。

不動産投資の成否を大きく左右するのは立地だといわれています。全体の人口が減少している中でこうした人口移動が起きている現状と将来の人口予測を踏まえつつ、人口増加が見込まれる地域に投資をしていくことがこれからのセオリーと言えるのではないでしょうか。

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