強気説と弱気説が入り混じる東京オリンピック後の不動産市場

(写真=Korkusung/Shutterstock.com)

2020年に開催される東京オリンピックは東京都だけでも約20兆円、日本全国では約32兆円もの経済効果があると東京都が試算しています。しかし東京オリンピック後に景気が後退し、不動産市場も冷え込むといわれる2020年問題がまことしやかにささやかれています。

東京オリンピックが不動産市場にもたらす影響

東京オリンピック開催が主に首都圏の不動産市場に与える影響を考えてみましょう。オリンピック開催だけが理由ではありませんが、2019年現在、首都圏の不動産市場は好調が続いています。

上場不動産投資信託であるJ-REIT全体の市場価格を示す東証REIT指数を見ても、直近5年間の値動きは1,500から2,000近辺を推移しながら堅調さを保っています。J-REITの多くは主に首都圏の不動産に投資をしているため、この指数を見ても不動産市場の堅調ぶりは明らかです。

強気説――東京オリンピック後も首都圏の不動産市場は好調が続く

2020年以降の不動産市場についてまずは強気説を解説しましょう。強気説では2020年以降も首都圏の不動産市場は好調が続くとしており、その理由としては以下のような根拠が挙げられています。

・首都圏の不動産需要は人口増、海外も含めた投資の流入であり、オリンピックだけがもたらしたものではない
・ワンルームマンションの新規開発による増加があまりなく既存物件の価値は維持される
・不動産需要はオリンピック開催との関係性が低く2020年以降も好調は維持される

もちろんオリンピック開催による一時的な高揚感や過熱感はあるものの、それはあくまでも限定的にすぎないという主張です。

そもそもいくらオリンピックといえども単なるスポーツイベントにすぎず、巨大な不動産市場に与える影響はそれほどないというわけです。

弱気説――東京オリンピック後は首都圏の不動産市場が冷え込む

それでは次に2020年以降の不動産市場が冷え込むと予測する弱気説の根拠を挙げてみましょう。

・一大イベントによる過熱感で買われている部分は否定できない
・投資マインドの冷え込みによってオリンピック後は暴落の懸念がある
・東京といえども少子化の影響は避けられず緩やかな下落トレンドに入る
・特需で需要の先食い感がある

2020年問題と呼ばれている弱気説を見ると、オリンピックという一大イベントによる投資マインドの過熱感や需要の先食いと、それとは無関係の長期的なトレンドに対する悲観論があることがわかります。

結局どう判断するべきか

強気説と弱気説の両論を見ると、どちらにも一理あるように感じられますし、結局のところどうなの?という疑問は依然として残ったままです。

そこで両論を踏まえて今後考えられる展開を整理してみました。

・東京でも強気説が通用するエリアとそうではないエリアに分かれていく
・オリンピックが終わってもインバウンド需要や東京への人口流入が止むわけではない
・一次的な投資マインドの冷え込みはあっても下がれば買い手も現れるためそこまで悲観的ではない

首都圏の経済規模や今後の人口動態を考えると不動産需要が急に冷え込むとは考えにくいでしょう。不動産投資ブームに過熱感が見られた時期と、一連の金融機関によるスキャンダルで貸し控えが起きたその後の不動産市場を比べても大きな冷え込みには至りませんでした。

それだけ市場の需要は底堅く、オリンピック開催を終えたという理由だけで急速に冷え込む理由にはなりにくいと考えるのが妥当でしょう。

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