地価上昇率は都心を凌駕:九州の要諦・福岡で進む再開発「天神ビッグバン」とは

(画像=Sanga Park/Shutterstock.com)

三大都市圏(東京・大阪・中京)の地価上昇が相変わらず勢いを増す中で、地方圏の地価もようやくマイナス圏から脱しようとしています。そんな中で、福岡・札幌・広島・仙台といった地方の中核都市は三大都市圏以上に元気が良いようです。

特に福岡市に関しては商業地で2桁上昇が続いており、その好調ぶりは周辺自治体だけでなく、隣県の佐賀や大分にまで波及しています。

福岡市は、新幹線博多駅・福岡空港を擁する九州の要諦です。つまり九州は、福岡市を核として巨大な経済圏を形成しているのです。

そんな福岡では、現在急ピッチで再開発が進んでいます。その核となるのが、「天神ビッグバン」です。果たして天神とはどんなエリアなのでしょうか、そして福岡の街はどう進化していくのでしょうか。

九州経済圏の中核都市・福岡

都市の繁栄・成長は単体でなし得るものではなく、周辺エリアがお互いに機能を補完し合うことではじめてうまくいくものです。その意味で、福岡を中核都市とする九州経済圏は、数少ない成功事例の1つとされています。

巨大生産拠点かつ消費地である中国との距離が近い九州は、地の利を活かしてさまざまな産業拠点を集めています。

・自動車産業:大手メーカー(日産・トヨタ・ダイハツ)の拠点立地と生産増強(25年で3倍以上)

・IT産業:安川電機(本社北九州市)・九工大を軸としたロボット産業育成

・観光産業:別府・湯布院・阿蘇山などの豊富な観光資源とインバウンドによる振興

ただし、福岡市自体は生産拠点立地を避け、玄関口としての機能を高めることに専念してきました。

例えば、かつては陸の孤島だった宮崎と福岡を結ぶ東九州自動車道が開通したことで、福岡を起点とする交通網は完成の域に達しました。物流面でも博多湾に新コンテナターミナルを整備するなど、施設の刷新が進んでいます。

雇用・公共インフラ・生活文化の充実で人材を呼び込む

同時に司令塔としての役割を果たす福岡には、JR九州・九州電力などの主要インフラ企業や、ロイヤルホールディングス・ピエトロなど九州の代表企業が本社を置いています。こうした企業は、地元学生に地元での就職機会を提供しています。

公共インフラ面では、教育施設の充実(留学生受入れは東京・大阪に次いで3位)、交通の利便性向上(ラッシュの少なさ・オフィスに近い居住エリアによるウォーカブルシティの実現)などを進め、暮らしやすい街づくりを実現しています。

また、福岡市では西日本を代表する繁華街が多様な生活文化を支え、周辺から人を呼び込んでいます。海外との玄関口として発展した博多、屋台で有名な中州、そして最大規模を誇るのが天神です。

天神がビッグバンで生まれ変わる

この3つの繁華街は、それぞれ特色を発揮しながら福岡の発展を支えてきました。最近は、国内最大の駅ビル博多シティやキャナルシティの成功もあり、天神はやや分が悪い状況です。

そこで、やや古さの目立つ天神の街並みを一新し、アジア拠点都市にふさわしい生活発信地を目指し、ひいては福岡市の都市機能向上を図るのが「天神ビッグバン」です。

市街地から空港までが約5分と至近なのが福岡の魅力ですが、その反面で航空管制のためビルの高さは厳しく規制されてきました。それを期間限定かつエリア限定で緩和し、2024年度までに民間投資によって30棟のビル建て替えを促そうというのが、このプロジェクトの目玉です。

同時に、「福岡のアキバ」と呼ばれる北天神地区や昭和の香りが残る新天町などの商店街を活かして、魅力ある街づくりを目指します。

政令指定都市の中で福岡市だけは一級河川がなく、昔から水不足に悩んできました。そのため市は早々に工業都市化を諦め、周辺都市との機能分担に舵を切りました。逆にそれが功を奏したのです。

今後は九州でも人口減少が進むでしょう。その中で繁栄を維持するためには、天神ビッグバンの成功が不可欠です。ありきたりの再開発でなく、どれだけ思い切った独自色を打ち出せるかがポイントになるでしょう。今後の進展から目が離せません。

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