
副業解禁の流れの中で、不動産投資を始めるサラリーマンも少しずつ増えてきています。しかし、中には「会社の就業規則で副業が禁止されている」ということで、不動産投資に興味はあっても一歩踏み出せない人も多いのではないでしょうか。そこで、今回は「サラリーマンが副業として不動産投資を始めることがそもそもできるのか」「続けるのであれば何が必要か」について解説します。
不動産投資の副業は法的な問題があるか?
一般論としては会社員が副業をすることに法的な問題があるわけではありません。厚生労働省は、「副業・兼業自体への法的な規制はない」と明記しています。また、会社の就業規則のお手本である「モデル就業規則」でも、2017年12月より「労働者は、勤務時間外において、他の会社などの業務に従事することができる」と記載されるようになりました。「働き方改革」が進む中で、日本社会は副業を容認する方向へ動きつつあります。
しかしながら、各会社の事情によって副業が禁止となっていることもあるでしょう。副業の中でも不動産投資は禁止とされているケースもあるかもしれません。たとえば、不動産会社であれば、従業員に対して副業として不動産投資を行うのは禁止である可能性も高いでしょう。また、副業は禁止でも不動産投資を含めた投資・資産運用は可能であるケースも考えられます。
以上を踏まえると、不動産投資を本格的にやりたいのであれば就業規則をしっかり読み込むとともに、不安であれば人事や総務の担当者に確認を取っておくのが無難です。
サラリーマンの副業として不動産投資を続けるコツ
サラリーマンが副業で不動産投資を行うのであれば、第一に「本業の会社へ迷惑を掛けないこと」が重要になります。サラリーマンとしての仕事に充実感を抱いていない人が副業を始めると、そちらにのめりこんで本業が手に付かなくなりがちです。こうした事態は避けなければなりません。会社へ迷惑を掛ける可能性は他にも考えられます。モデル就業規則では、以下の4パターンに当てはまる場合は会社が副業の継続を禁止・制限できると記載されています。
1.労務提供上の支障がある場合
2.企業秘密が漏えいする場合
3.会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
4.競業により、企業の利益を害する場合
夜ふかしや副業の長時間労働で「労務提供上の支障」となるパターンだけではありません。副業を通じて企業秘密を利用したり、会社の信頼を損ねるような副業に従事したり、会社と競合したりするパターンにも注意が必要です。不動産投資を副業として続けたければ、金銭管理も重要なポイントとなります。特に副業収入が20万円を超えた場合は、副業収入を税務署へ申告する「確定申告」の手続きを取らなければいけません。
年末調整だけで確定申告をしないと、場合によっては脱税とみなされる危険性すらあります。会社の税務手続きに影響を与えたくないのであれば、確定申告の「住民税の納付方法」の記載に配慮しましょう。方法には「給与から差し引き(特別徴収)」「自分で納付(普通徴収)」の2つがあります。
給与から差し引くようにすると、副業収入が会社に通知されて会社の把握している収入・税金額と合わなくなり混乱を招く可能性もあるでしょう。しかし、自分で納付するようにすれば会社への通知自体が行かなくなりますので、混乱を避けられるようになります。
まずは区分マンションからチャレンジ
サラリーマンが不動産投資をする際も、本業へ影響しないよう不動産投資・運営の業務負担を減らすようにしましょう。物件の管理や運営を自分で抱え込まず、不動産管理会社に任せた方が楽です。また、投資対象となる不動産タイプとして、区分マンションがおすすめです。マンションやアパートを1棟丸ごと購入するのに比べて、金銭的な負担も業務的な負担も大きくありません。
その割に人気エリアでグレードの高い物件も手に入りやすいので、入居者を集めるための苦労も小さく済みます。いきなり大きな収入を目指して大規模な物件運営を狙うと、そちらに時間が取られて本業がおろそかになりかねません。それでは本末転倒です。無理なく不動産投資を続けられるような仕組みを構築するためにも、最初は区分マンションからチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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