東京は人口流入で不動産投資のチャンス?人口の推移を確認しよう

(写真=graphbottles/Shutterstock.com)

しばしば「東京一極集中」という言葉を聞くようになりました。少子高齢化による人口減少に転じた日本社会において、「特に東京を中心とした大都市圏だけ人口流入が続いている」という論調です。人口増加が続いているのであれば、今後も東京には不動産投資のチャンスが眠っていると考えられます。しかし、そうした傾向は本当に継続的なものであり、これからも継続するものなのでしょうか。今回は、統計データを基にして客観的に「東京一極集中」の実態を見ていきましょう。

「東京一極集中」は本当か?

地方の衰退によって大都市圏への流入が進み、特に東京圏への一極集中が進んでいるとされています。地方分権やリスクマネジメントなどの観点から、政府は首都機能移転を含めた地方活性化策によって東京一極集中を是正する必要があると主張しています。しかしながら、統計データを見る限りではむしろ東京への一極集中は進みつつあります。

たとえば、総務省統計局の「住民基本台帳人口移動報告」によれば、2017年に転入超過となったのは東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県・福岡県・愛知県および大阪府の7都府県です。中でも東京都は7万人を超える転入超過があり、2万人に届かない千葉県・埼玉県・神奈川県、1万人に届かない福岡県・愛知県・大阪府を大きく上回っています。この結果を見る限り、2017年は東京への一極集中が進んだといえるでしょう。

さらに、東京の中でも特別区である東京23区への流入が著しい傾向です。東京都の転出超過数である約7万5,000人のうち、東京23区の転出超過数は6万人を超えています。東京の中でも、特定地域への人口流入がうかがえる結果です。

20年以上転入超過が続く東京

東京への転入超過は、何も2017年に限ったことではありません。人口移動の推移を見ていくと、1990年代から20年以上も転入超過が続いていることが分かります。実は、高度経済成長期後半の1967年以降から1996年にかけての30年間、1985年をのぞくと東京では大量の転出超過が続いていました。特に1970年代は、毎年のように10万人を超えていたことが分かっています。

不動産価格が異常に高騰するバブル経済を経験した1980年代後半から1990年代でも、5万人前後の転出超過を毎年記録していたのです。しかし、1990年代になって傾向に変化が見られ、1998年になると東京は転入超過へ転じます。その後は20年以上転入超過であり、特に2000年以降は一度も転入超過4万人を下回ることなく推移しています。

20年以上も同一の傾向が続いていることを踏まえると、大きな社会の変化や関東圏での大災害などがない限り、しばらくは東京への人口流入が続くと考えるのが自然でしょう。東京都の発表した人口予測では、都全体では2015年よりも、2045年のほうが人口が多くなる見込みです。

若年層が多くマンションニーズが高止まりの可能性

不動産投資の観点から見ると、東京では10~20代の若年層の転入超過が目立ちます。若年層が増えることから、マンションニーズの高さが今後も続く可能性があるのです。人口移動報告の年齢別データによれば、東京への転出超過は10代で約1万7,000人、20代では約7万人にも達し、それぞれ他の道府県を圧倒する結果となっています。

また、2018年1~3月期の東京の労働力人口は約809万4,000人に達し、前年同期比で3.8%の増加でした。今後、可処分所得を増やし家庭を形成する若年層では、近い将来に住宅への需要が高まると考えられます。東京のような地価の高い大都市圏では、一軒家を建設することはあまり現実的ではありません。そう考えると、マンションをはじめとした集合住宅へのニーズが上昇することが予測されます。

以上を踏まえると、東京への人口流入によって不動産投資のチャンスが続いているといえるでしょう。若年層で特に人口の伸びが著しく、日本全体の人口減少幅が拡大する2020~2040年代にかけても都心の人気エリアでは人口流入が止まらないことが予測されます。日本の人口減少に悲観的な見通しを持つ方であっても、東京への不動産投資は検討に値するといえるでしょう。

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