不動産投資の金利上昇リスクとは?事前想定でキャッシュフローを確保

(写真=Suwicha/Shutterstock.com)

不動産投資には災害リスクや空室リスクなど、さまざまなリスクがあります。そのなかでも無視できないリスクの一つが、金利上昇リスクです。2018年現在の日本では歴史的な低金利政策を継続しているものの、今後は利上げに踏み切る可能性もないわけではありません。金利が上昇すると、借り入れたローンの返済利息にも影響を与え、キャッシュフローが大きく狂うこともあるかもしれません。今回は、金利上昇リスクとその対策について解説します。

金利上昇によるローン変化

バブル崩壊以降の「失われた20年」から脱却するために、日本では国を挙げて超低金利政策を進めてきました。その結果、不動産投資の際に金融機関から融資を受けるときも、1~2%などという低金利が設定されるようになっています。不動産投資家にとっては、強力な追い風だったといってよいでしょう。しかし、こうした超低金利政策が永遠に継続されるわけではありません。

どこかのタイミングで出口戦略、すなわち段階的な利上げが行われる可能性もあるのです。それは、そのまま融資の金利上昇リスクという形で不動産投資家を襲うことになるでしょう。たとえば、金融機関から金利1.5%で3,000万円の融資を受け、これを30年間かけて返済するとします。「ボーナス返済なし」「元利均等返済」と仮定した場合、毎月の返済額は10万4,098円(年換算で約125万円)です。しかし、上記と同条件で金利が5%となると、毎月の返済額は16万2,629円(年換算で約195万円)にまでアップします。

このように、金利の上昇は返済金額に大きな影響を与える可能性があるのです。そのため、不動産投資を行うに当たっては、今後の金利上昇リスクを織り込んでプランニングしておく必要があります。

金利上昇リスク対策のメリットとデメリット

金利上昇リスクは事前に対策可能です。もちろん、100%自己資金で購入するのが最大の対策ではあるのですが、ほとんどの投資家にとってはあまり現実的な方法とはいえないでしょう。ここでは、対策を2点挙げてそれぞれのメリットやデメリットについて考えてみましょう。まず、思い浮かぶのは「繰り上げ返済を実施すること」です。毎月の返済額よりも大きな金額を返済することで、早めに元金を減らせます。

元金が減ることにより、金利が上昇しても利息額の増加を抑制できますので、金利上昇リスクの対策となります。しかし、繰り上げ返済をするためには、それなりの自己資金が必要です。自己資金をより高いパフォーマンスで運用できるのなら、場合によっては繰り上げ返済しすぎないという工夫も必要です。

繰り上げ返済が厳しい場合、次に考えられる対策は「固定金利でローンを組むこと」です。金利上昇時にも金利が固定されますので、金利上昇リスクを抑えられます。しかし、この場合は金融機関が金利上昇リスクを引き受ける形になるため、特に長期で固定金利を謳うローンの場合、金利が高めに設定されているケースが多い傾向です。

変動金利と固定金利の折衷案として、2年、5年、7年、10年、20年の金利固定期間を設けた「期間固定型金利」もあります(2018年6月時点)。返済額を一定の間でも固定できるのは金利上昇時のヘッジとなるでしょう。

「繰り上げ返済」「固定金利」のどちらを選ぶにしろ、事前のシミュレーションがきわめて重要です。どちらが金利上昇リスクの対策としてふさわしいかは、不動産投資や返済の計画をどう立てるかによって変わってきます。金利が何%上昇したら、月額返済額がどの程度、増加するかなど、事前にシミュレーションしておくことが重要です。

不動産投資は金利上昇・インフレに強い

一般的に、不動産は金利上昇局面には価格が下がるといわれています。不動産投資は金融機関の融資を活用し投資するため、コストである金利が上昇すれば、家賃収入が一定だった場合、物件価格が下がらなければ、投資としての妙味が薄れるためです。
もし、今後、金利上昇局面を迎えることがあったとしたら、繰り上げ返済や固定金利へのスイッチなどを活用し、きちんと対策をとることが重要です。
入居者からの家賃収入で借り入れを返済し、中長期での資産形成に不動産が有効なことにはかわりがありません。将来の正確な金利の水準を予想するのは困難ですが、きちんと状況に対応し、リスクヘッジすることが重要といえます。

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