不動産投資にはどんな準備が必要?事前に知るべきこと・用意すべきこと

(写真=pickingpok/Shutterstock.com)

意外に思う人もいるかもしれませんが、不動産投資の成否を分ける最も重要なフェーズのひとつは、購入前の準備です。お金も時間も投資なだけに、準備に時間をかけてでも最低限の知識を身につけることが必要です。情報収集に注力し、投資の目的を設定することで、不動産投資のリスクにも対処しやすくなります。

今回は不動産購入の前の準備作業について説明していきます。不動産投資に興味を持っている人には、事前準備の重要性を理解してもらえればと思います。

不動産投資の全体像

不動産投資のプロセスは、「準備→購入→運営→売却」の4つのステップから構成されています。

不動産投資というと、物件を購入して運営する点に注目が集まりがちで、準備と売却のプロセスを軽視している人が少なくありません。どういった物件を選ぶのか、ローンの返済はどうするのか、など購入や運営のプロセスに手間がかかることは間違いありません。しかしそれだけでなく、購入の前にどのような情報を集めるべきか、最終的に物件売却をどう進めるのか、といったことも考えなければいけません。

この記事では、投資の入り口部分である準備に絞り、不動産投資の基本的な情報やコンセプトの明確化、購入に必要な作業のリストアップなど、購入前の準備作業について考えていきましょう。

準備が最も重要な理由

不動産投資の4ステップの中でも準備が最も重要だとする理由は、不動産投資では必要とされる金銭的・時間的リソースが多く、失敗したときの経済的ダメージも大きなものになるためです。

株式投資であれば、手持ちのお金が数万円でも始めることができます。数ある投資信託の中でも、毎月一定金額を積み立てていく「積立投資」の場合は、月に100円から投資できる証券会社もあります。一昔前とは違い、資産運用は多額の資産を持った富裕層だけが大金を用意して行うものではなくなっているのです。

時間的な面についても、株式や投資信託への投資はすべての手続きをインターネットで行うことも可能になり、本業を持つ勤め人でも自分の時間をそれほど取られません。特にネット証券は手続きがとても簡単で、インターネット上で資料請求し、資料と必要書類を送付すれば口座開設が完了します。入金や商品の買付・売却などはすべてネット上で完結し、平日の日中は忙しい人でも手軽に取引が行えます。

一方で、不動産投資は有価証券に対する投資と同じように進められない面もあります。金銭的にも、時間的にも、有価証券よりはるかに多くのリソースを費やす必要があります。

物件価格は、数千万円から1億円を超えることも珍しくありません。もちろん、一度にそのお金を支払うケースは多くなく、一般的には不動産投資ローンを利用することが多くなりますが、融資の返済も毎月続けていかなければいけません。

不動産の投資、物件の運用には、オーナーの多くの時間が必要とされます。管理が軌道に乗れば、使う時間が少なくなることもありますが、購入に伴う細々とした手続きや日々の書類仕事にはまとまった時間が必要になります。

有価証券とは異なり、手続き提出はほとんどインターネット上で完結することができません。金融機関や役所に提出すべき書類も数多くあります。投資を成功させるためには、事前の情報収集も念入りに行う必要があるでしょう。

このように、不動産投資にはお金も時間もかかります。これほど多くのリソースを割り当てる必要がありまた失敗ができないからこそ、実際に行動する前の準備にじっくりと時間をかけ、知識と情報をインプットするべきだと言えるのではないでしょうか。

4種類の準備と原資の作り方

ここからは不動産投資の準備を、4つの局面に分けて見ていきましょう。それは「不動産投資の基礎知識のインプット」「不動産投資の目的設定」「物件情報のインプット」「必要書類のリストアップ」の4つです。なかでも、不動産投資の経験がそれほどなく、本業でも不動産とは関係ないビジネスをしている人は、特に目的設定と情報収集に力を入れる必要があります。

ほかにも、不動産投資の原資となるべき預貯金の準備もしっかりと検討すべきテーマです。今回は紙幅の関係で割愛していますが、堅実な生活を続けてコツコツとお金を貯めていくようにしましょう。こうしたテーマについては、次のようなページが参考になります。

参考:みんなどうやって捻出している!?資産運用に必要な投資資金の作り方
参考:あなたは大丈夫?なぜかお金が貯まらない人の習慣と対策

出費に無駄のない生活を送るための基本は、エクセルやアプリを活用して家計簿をつけ、収入と支出を見える化することです。その際に、支出面で削れる部分を見つけ出し、月に数万円でも貯金に回すことができないかを考えます。

結婚して子どもが生まれると、出費が増えるシーンが増えて行くため、比較的自由に使えるお金が多い時期に、どれだけ貯金できるかが大切になります。家賃や通信費、保険料、交際費といった固定費の無駄をカットして不動産投資の種銭を作っていきましょう。

準備1:不動産投資の基礎知識のインプット

不動産投資の準備では、まず基礎的な知識を身につけなければなりません。そもそも不動産投資とは何か、お金はどのように用意すればいいのか、どうやって利益を出せばいいのか、メリットやデメリットは何か、など初心者が頭に入れるおくべき内容は少なくありません。

・ 指標のひとつは「利回り」
不動産投資とは物件を購入し、他人に貸して家賃収入を得る事業で、家賃収入であるインカムゲインと、高値で売却して売却益を狙うキャピタルゲインの二種類のリターンを追いかけます。

物件購入価格に対する家賃収入の割合を「利回り」と呼びますが、この利回りが基本的な収益率の指標となります。都心物件より地方物件の方が利回りも高くなる傾向がありますが、購入価格だけでなく入居率を高めることも非常に重要になります。

先ほども説明した通り、不動産では初期投資でお金がかかります。金融機関からの融資を「他人資本」としてうまく活用する必要がありますが、会社員の場合は安定した収入源を持っていることになるので、個人事業主より有利な面もあります。ここしばらくは歴史的な低金利が続いていますので、お金を借りやすいという事実にも注目したいところです。

・ 購入後の管理、ローン返済
購入後も、所有する物件の管理と不動産投資ローンの返済が長く続きます。物件の管理については、管理会社に業務委託するケースが一般的です。特に、本業で時間を取られるサラリーマン大家なら管理の専門的なノウハウを持つ会社に管理を依頼しないと、多大な労力を割くことになります。

参考:不動産投資の基本を押さえよう!改めて不動産投資とは

不動産投資ローンの返済は、基本的には「繰り上げ返済」が良いとされています。余剰資金を返済に回すことで、少しでも早く完済できれば、結果として支払利息が減り、返済総額が抑えられます。その一方で、ローンの低金利を利用し、別物件を購入して収入を増やすという方法もあります。

これは増えた収入によって、ローンの返済に余裕を持たせる戦略です。物件の経営状況や手持ちの資産によって目指す方向性は変わりますが、返済の仕方に2通りの考え方があることは頭に入れておきましょう。

・ メリットとデメリット
ここで、不動産投資のメリットとデメリットについても押さえておきましょう。メリットは、何と言っても「不労所得」が得られることです。融資を受けるときに「団信(団体信用生命保険)」に加入するため、自分に怪我や病気があっても一定の経済的な安定も手に入れられることになります。インフレや相続税への対策になる点も見逃せません。

一方のデメリットとしては、やはり空室リスクです。物件情報として事前に伝えられるのは、その多くが入居した前提で想定された利回りです。しかし、実際は空室が発生するため、実際の利回りが下がったりすることもあります。そのほかに、災害リスクに対する備えも必要です。こうしたリスクへの対処は、物件の運営をする不動産投資家であれば必ず検討しておくべきでしょう。

これらの情報は、インターネットや書籍などで身につけることができます。また、生の情報に触れるためにもセミナーや無料相談会など、不動産会社のイベントに参加することをおすすめします。

準備2:不動産投資で「なりたい像」を想像

不動産投資に関する基本的な知識を身につけたら、次は自分自身に目を向けてみましょう。不動産投資によって、どういった生活を実現したいのかを明確にすることが目的です。言い換えれば、不動産投資を開始する目的を言語化するということです。

目的を決めずに不動産投資を始めようとすると、耳に入ってくる情報に振り回されてしまいます。準備段階で情報を収集し、基本的な知識をインプットすることは必要ですが、自分の中で線を引かないとインプットには際限がありません。情報を知れば知るほど、むしろ「知らなければいけない」と感じる情報が広がっていってしまうのです。

また自分の中で目的がはっきりしていないと、新たに仕入れた情報に引きずられることも多くなります。「○○にある物件が高利回り」と聞いたらそのセミナーに出席し、「でも○○の物件の近くには墓地があるので……」などネガティブな情報を聞きつけたら別の物件を探しへ、と場当たり的な行動が続いてしまい、いつまでも決断に移れないということになりかねません。

不動産投資の目的として、たとえば、「老後のための資産形成」を挙げる人は多いのではないでしょうか。自分の年齢が30代だとすると、20年、30年と長期にわたり物件運営を続けることが前提となります。そう考えると、優先的に探すのは長期的に一定の家賃収入の得られる物件となり、入居率が安定しやすい都市部の物件を選ぶ、というように狙いを絞りやすくなります。

ほかにも、「高利回りの物件でインカムゲインを多く得たい」「転売でキャピタルゲインを得たい」という目的も考えられます。会社勤めを辞め、大家だけで生活していきたい人もいることでしょう。その場合は、利回りが高くなりがちな地方の穴場物件の購入が選択肢として挙がってきます。

空室リスクの高い物件を安く購入し、リフォームやリノベーションなどで手を入れて人気物件に変える戦略ですが、これは初心者よりも経験豊富な不動産投資家向きの投資と言えるかもしれません。

このように目的を具体化することで、狙いが明確になり、情報の取捨選択がしやすくなります。行動の軸も決まり、「5年以内に家賃収入〇〇万円以上」など短期的な目標も自ずと決まってきます。

準備3:物件情報の調査

自分の目的がしっかりと把握できていると、物件情報の調査もやりやすくなります。また、自分の目的や目標に必要な物件の情報が入ってきやすくもなります。

一棟丸ごと購入するのか、区分マンションを購入するのか、あるいは木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造など構造の違いにも頭を悩ませることになります。構造の違いは、減価償却の年数=法定耐用年数につながるので、必ず検討しなければならない項目です。言うまでもなく物件によって特徴が異なるため、事前の綿密な調査と確認が必要です。

準備4:必要書類のリストアップ

物件を運営するためには、膨大な書類の作成・提出もついて回ります。特に、銀行からの融資と物件の購入・売却のときに書類が必要です。

購入の契約時には本人確認証明書や印鑑登録証明、住民票などを準備しなければいけません。申込のときには買付証明書を提出します。加えて、源泉徴収票ないし確定申告書の控えなど、収入を証明するための書類が必要です。

禁輸期間融資のときには、本人確認や収入証明のための書類以外にも、物件について説明できる書類を提出し、売買契約書や登記簿謄本、重要事項説明書、公図などを示すことも必須です。売却時にも、本人確認・収入証明・物件説明と三種類の書類を入手して提出することを求められます。確定申告書の作成も毎年の仕事になるでしょう。

準備を終えたらチャンスをうかがい行動を始めよう

ここまで見てきた通り、不動産投資で最も重要なのことのひとつは、自分の目的を定めることです。これによって、インプットする情報の質と量も上がり、次の行動までに必要な知識が明確になります。情報をインプットして様々な準備を終えたら、自分の目的にかなう物件を探し始めましょう。

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