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公示地価の上昇をどう考えるか?不動産投資家にとってのメリットとデメリット

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(写真=slonme/Shutterstock.com)

毎年3月に発表されている公示地価をチェックされていますか。発表されるのはごく一部の地点に過ぎませんが、公示地価の動向を見ることで不動産市場や日本経済の現状と今後を分析する手がかりになります。当然、不動産投資の判断にも役立てることができるはずです。

そもそも公示地価とは?

公示地価とは、国土交通省が決めた全国の所定の「標準地」の毎年1月1日の地価を指しています。国土交通省では、毎年3月にその年の1月1日時点の標準地の地価を調査し、これを取りまとめて発表しています。2017年は全国26,000地点を対象に調査が実施されました。

公示地価は、「地価」という名前がついているものの、実際の土地の売買価格を示しているわけではありません。国土交通省が「特別な事情がなければ、これが適正な価格である」として設定した価格が公示地価であり、実際に売買価格とは異なるケースがほとんどです。

公示価格は公共事業や税金の計算にも用いられますが、不動産投資家にとっては不動産売買市場の動向を知るのに役立ちます。投資判断をするうえで、今後の市場を予測するために利用されています。

公示地価は2016年から上昇傾向

2017年のデータを見ると、全用途(商業地と住宅地)の全国平均が前年比でプラス0.4%となり、2016年に続いて2年連続で上昇しました。特に商業地は、2016年の0.9%よりさらに高い1.4%の伸びを記録しています。住宅地も、前年のマイナス0.2%からわずかながらプラスに転じました。

商業地の価格上昇には、事務所需要やホテル稼働率の上昇が寄与しているとされています。特に大都市圏の価格上昇傾向は顕著で、たとえば東京都全体ではプラス5.5%、千代田区区でプラス8.7%、中央区においてはプラス9.8%となっています。

住宅地が価格上昇に転じた背景には、長引く低金利政策と住宅ローン減税の影響で、不動産投資や住宅取得の需要が伸びていることが挙げられます。こちらも大都市圏と地方との差は大きく、たとえば東京都がプラス3.0%であるのに対し、北海道はマイナス0.3%で26年連続のマイナスを記録しています。

要するに、全国平均では公示地価が上昇に転じつつあるけれども、それは大都市圏に限られた話であり、大部分の地方では下落が続いているというのが現状です。アベノミクスによって株価が上昇している現在ですらマイナスなので、今後も公示地価の伸び率については、すべての地域で一律に上昇するのではなく、需給に応じて地域の選別が進み、連続でマイナスを記録する地域も増えていく可能性が高いです。

公示地価上昇のメリットとデメリット

公示地価は上昇したから良い、下落したから悪いという単純なものではありません。不動産投資家にとって、公示地価の上昇にはメリットとデメリットの両方があります。

公示地価が上昇するメリットは、何と言っても不動産の資産価値が上昇することです。特にすでに不動産をたくさん持っていて、売却を考えている不動産投資家にとってのメリットと言った方がよいでしょうか。先ほど「公示地価と売買価格は異なる」と述べましたが、公示地価の上昇は売買価格の上昇につながります。

ただし、当然ながら公示地価が上昇すると不動産を購入するのにより多くの資金が必要になります。これが公示地価上昇のデメリットの一つ目です。

デメリットの二つ目は、税金負担が増えることです。公示地価とともに資産価値も向上すると、固定資産税や資産税などといった税金の額も上がります。

公示地価の投資行動への活用方法

毎年発表される公示地価の動向をチェックすることで、不動産市場の現状と今後の動向を大まかに把握することができます。公示地価自体は売買価格と必ずしも連動しているわけではありませんが、その動向は連動していると考えられているためです。

公示地価は一部の大都市圏でのみ上昇し、多くの地方では下落が続いています。また同じ都道府県内でも、都市部ほど公示地価が上がりやすい状態にあり、今後もこの傾向は続くでしょう。

これを考えると、地方の物件の資産価値は今後も下落していく可能性が高いと考えられます。地方の物件には高利回りのものが多いですが、その分、資産価値の将来的な下落も含んだ上での判断が必要になります。もちろん地方だから、すべてが投資対象とならないわけではなく、保有期間のキャッシュフローと資産価値の変動を盛り込み、よりミクロな視点での対応が必要になります。逆に都市部の物件に関しては、今後も資産価値上昇が期待できる状況となり、不動産投資を活用した資産形成がますます活況になりそうです。

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