SDGs時代の環境ビジネスとして注目される太陽光発電投資の始め方

(画像=sakura/stock.adobe.com)

SDGsやESG投資、エシカル消費など、これらの言葉が同じ価値観の中から続々と登場してきたものです。企業は単に利益だけを追求するのではなく、地球環境や社会に貢献できなければ生き残れないともいわれるようになり、そんな時代に注目されているのが先ほどのキーワード群です。

企業としてもSDGsに何らかの貢献をしなければならない時代に向けて、改めて注目されているのが環境ビジネスです。企業だけでなく個人投資家であっても手軽に始めることができてSDGsへの取り組みにもなるため、多方面から熱い視線が注がれています。

SDGsの時代になって改めて注目され、存在感を高めている太陽光発電投資について、その最新事情とこれからの投資のあり方について解説します。

太陽光発電の最新事情

太陽光発電というと、「地球に優しい」「お財布に優しい」といったキャッチフレーズと補助金によって家庭用のシステムが一気に普及した経緯があります。すでに国による補助金制度は終了していますが、その分導入コストが安くなっているので導入しやすい状況は依然として続いています。

ただし、FITと呼ばれる固定価格買取制度の買取価格が下がっているため、売電だけで利益を上げることは難しくなっています。そのため蓄電池を設置して全量を自家消費することで電気料金の高騰に備えるモデルが主流になっているのが2021年時点での最新事情です。

SDGsが太陽光発電に火をつけた

次に事業用と産業用の太陽光発電について見てみましょう。こうした法人向け太陽光発電はSDGsの知名度が高くなるにつれて状況が一変しつつあります。というのも、SDGsが世界的な潮流となり、企業は何らかの形で環境や社会への貢献をしなければ投資家から出資を募れなくなる時代になったからです。

この考え方はESG投資と呼ばれています。ESGのEはEnvironment(環境)、SはSocial(社会)、そしてGはGovernance(企業統治)の頭文字です。環境、社会、企業統治の3つに配慮していない企業は投資先として不適格とするのがESG投資で、このEの要件を満たすために太陽光発電に着目している企業が増えているのです。

ESG投資と同様の価値観であるエシカル消費の概念が一般消費者にも広がっており、太陽光発電に取り組むことは光熱費の削減や売電収入だけでなく、SDGsに取り組める手段の1つとして需要に火がつきました。

なお、太陽光発電に取り組むことはSDGsの7番「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」や11番「住み続けられるまちを」、13番「気候変動に具体的な対策を」といった目標に合致します。

意外に簡単、太陽光発電投資を始める方法

それでは、太陽光発電を対象とした投資を始めるにはどうすればよいのでしょうか。その方法は、意外に簡単です。

真っ先に思いつくのは、太陽光発電所の開発を手がけている業者に依頼して発電所を開発、運営することでしょう。郊外の休耕地や山間部などに太陽光パネルが敷き詰められた施設があるのを目にすることも多くなりました。しかしこれには時間だけでなく多大なコストがかかります。このうちコストについては解決できる方法があるのですが、それについては後述します。

新規に太陽光発電所を設置するよりも手軽なのが、既存の発電所を購入して運営する方法です。セカンダリー市場といってすでに稼働している太陽光発電所が土地とセットで売りに出されている市場があるので、そこで発電所を購入するのが手っ取り早いといえます。

こうした中古発電所を購入する方法には、太陽光発電投資をすぐに始められることや、すでに発電実績がデータとして明らかになっている物件なので安心感があるといったメリットがあります。中にはFITの買取価格が高い頃の物件もあるため、高い売電収入を見込める場合もあります。

ただし、太陽光発電所の運営には自身による管理・メンテナンスが必要になることや、山間部や郊外など人目につきにくいところにある発電所もあるため、防犯上のリスクがあるなど、いくつか注意点があります。また、FITの買取期間である20年が終了すると買取価格が低下するので、売電を前提とした収益モデルは一変してしまうことにも要注意です。

他にもある太陽光発電投資を始める方法

太陽光発電投資を始める方法は、他にもあります。実際に発電所を所有するのではなく、発電所を運用しているファンドを購入することで間接的な太陽光発電投資を行うことができます。

インフラファンドといって太陽光発電事業を手がけるファンドが東証に上場している銘柄があるので、これらのファンドを購入するだけです。

買って持っておくだけなので最も手軽ではありますが、企業がSDGsへの取り組みとして謳うには、これだと少々弱いことがネックになります。あくまでもインフラファンドは個人投資家が利益を追求する手段として考えるべきでしょう。

太陽光発電所設置のコストを抑える方法

先ほど新規に太陽光発電所を設置するには多大なコストがかかると述べましたが、その問題を解決できるスキームがあります。数あるスキームの中でも代表的なものを2つご紹介します。

・PPAモデル(おすすめ度★★★)

自宅や社屋の屋根、敷地などに無料で太陽光パネルを設置できるスキームです。PPAの契約期間内の売電収入は太陽光パネルを設置した業者のものになりますが、契約期間を満了したあとは設置された発電設備はすべて自分のものになります。今すぐではなくても将来無料で太陽光発電設備が手に入るスキームといえます。

・屋根貸し(おすすめ度★)

PPAモデルより以前からあったのが、屋根貸しです。自宅や敷地などにある太陽光パネルを設置できる場所を事業者に貸して賃料を得るスキームです。あくまでも場所を貸しているだけなので売電収入が入ってくるわけではなく、入ってくるのは場所代のみです。この賃料が高ければよいのですが、現実にはあまり高くはなくその電力を自家消費できるかは契約の内容次第です。売電単価が高かった頃にはよく見られたスキームです。

今や太陽光発電はエシカル金融の投資商品に

SDGsの時代で注目される、エシカル消費。倫理的な消費としてSDGsの達成に資する事業をしている企業の製品を選んで消費する考え方ですが、その考え方は金融の世界にもあります。それが、エシカル金融です。

投資家はエシカル(倫理的)な事業、SDGsの達成に貢献する企業などを投資先に選ぶのがエシカル金融で、その動きは欧米ですでに顕著になっています。エネルギーの分野に話を絞れば、石炭火力など化石燃料に依存した発電から再生可能エネルギーにシフトしていくことがエシカルであり、SDGsの理念と合致すると解釈されています。もちろん太陽光発電も再生可能エネルギーなので、エシカル金融の投資先となり得ます。

こうした流れから見えてくるのは、太陽光発電投資をはじめとした環境ビジネスには、今後も資金が集まりやすいということです。資金が集まることでより市場が活発になり、投資家にとっては利益の機会が広がります。これまでは注目度が先行している側面が強かった環境ビジネスですが、これからは将来性豊かな投資先の選択肢として認識されていくことでしょう。

2021年の下半期になってから天然ガスの価格が高騰し始めていることは、ご存じの方も多いと思います。これは世界的に起きている脱炭素化、二酸化炭素排出削減の流れから燃焼時の二酸化炭素排出が少ない天然ガスの需要が高まったからだといわれています。

環境問題への意識が高まることにより、投資マネーも大きく動き始めているわけです。それと同時に天然ガス価格の高騰は電気料金の高騰を招くので、太陽光発電による電力調達はリスクヘッジとしても有効です。太陽光発電投資はこうした時代を見据えたビジネスモデルであるのと同時に、有効な資産防衛でもあるのです。

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