【相場検証】恐怖指数と呼ばれる日経平均VIはコロナショックでどう動いたのか

(画像=stanisic-vladimir/stock.adobe.com)

相場の世界にはさまざまな指標があります。しかしその中に「恐怖指数」と呼ばれるものがあることをご存じでしょうか。語感だけを見ると少々穏やかではない指標に感じられるかもしれません。しかし「VIX指数」「日経平均VI」といった指数はいずれも恐怖指数で、株式市場全体の投資家心理を知るのに役立つとされています。

果たしてコロナショックで日経平均VIはどのように動いたのでしょうか。本記事では、コロナショックにおける恐怖指数の動きや今後の投資への生かし方について解説します。

恐怖指数の動きとVIX指数

恐怖指数は株式市場に暴落などの大変動が起きると数値が上昇し、特に大きな値動きがないときは数値が低くなるのが一般的です。この特性から推測すると、新型コロナウイルスの感染拡大によって2020年に起きた株の大暴落では恐怖指数も大きく動いたと推測できるでしょう。

VIX指数は米株価指数S&P500のオプション取引の値動きをもとに算出した恐怖指数で「Volatility Index」の略です。Volatility(ボラティリティ)とは、価格の変動度合いを表します。価格変動が大きいときは「ボラティリティが大きい」といった表現をするのが一般的です。

日経平均VIとは?恐怖指数と呼ばれる理由

日経VIは日本の株価指数である日経平均株価の恐怖指数です。1ヵ月後の日経平均株価の変動率を示しており、指数が大きいほど今後大きな変動を予想する人が多いことを意味しています。VIX指数と日経平均VIは、先物市場で取引されている株価指数先物の取引状況から算出されています。現物よりも先を見越した取引が行われている先物市場でボラティリティ(変動幅)が大きくなると、恐怖指数は上昇していきます。

先物市場でのボラティリティが大きくなるということは、今後値動きが荒くなってくるのではないかと予想されることから、投資家には恐怖を与えます。そのためVIX指数や日経平均VIはいずれも恐怖指数と呼ばれているのです。日経平均VIについての詳しい解説記事がありますので、計算方法など詳しい情報は以下の記事もあわせてお読みください。

【関連記事】日本の恐怖指数 日経VIとは

コロナショック時の日経平均VIを検証

コロナショックで株価が大きく落ち込み始めたのは、2020年2月中旬ごろからです。日経平均株価の値動きを見ると、2020年1月までは高値圏にあったものが2020年2月中旬ごろから急落しているのが見て取れます。

<日経平均株価終値の推移>

それでは、これと同じ時期に日経平均VIはどのように動いていたのかを見てみましょう。

<日経平均VI終値の推移>

日経平均株価が急落するのとほぼ同じ時期(2020年2月中旬)に上昇を始め、2020年3月中旬には恐怖指数としては警戒水準である60にまで達しています。ちょうどこのころは日経平均株価が大暴落をして1万6,000円台まで落ち込んで相場には恐怖と悲観論が渦巻いていました。このように株が大暴落している状況は、すでに株を保有している投資家にとっては恐怖でしかありません。

株価がどこまで下がるのか底が見えないため「さらなる暴落の前に売ってしまおう」と考える人が多くなります。売りが売りを呼ぶことになり相場はさらに悪循環に陥る傾向です。そんなときに日経平均VIは急上昇していたため、暴落時の投資家心理を数値で正確に表していました。つまりコロナショックという非常事態においても、日経平均VIは恐怖指数として正常に機能していたわけです。

今後に向けて日経平均VIから分かること

それでは今回のコロナショック時に「日経平均VIが見せた動きから分かること」「今後の投資に役立てられること」を考察してみましょう。日経平均VIの上昇は先物市場での売買が活発になり、特に一方向の値動きが起きやすい展開であることを示唆しています。しかしボラティリティが大きくなることは投資のチャンスともいえるのです。

株式を保有していない人には「新規エントリーのチャンスが巡ってきている」という見方もできます。日経平均VIがボラティリティの大きさを示しているため、暴落だけでなく急騰時にも数値が上昇するのです。そのため、すでに株を保有している人にとっては利食い(利益を確定させる)もしくは損切り(損を確定させる)の局面が来ているといえるでしょう。

すでに含み益が出ている場合は暴落によって含み益を失うのは非常にもったいないため、逆指値を入れて急落が起きてもしっかり利益を確定できる戦術が有効です。

恐怖指数は市場全体の動向を知るために重要な指標

日経平均VIやVIX指数といった恐怖指数は、指数そのものをトレードすることができます。そのため市場のボラティリティを分析して指数そのものの値動きで利益を狙うことも可能です。さらに上記のように恐怖指数の動きから株式投資の戦術を立てることもできるため、いずれにしても恐怖指数は知っておいて損のない指標の一つといえるでしょう。

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