2019年の国際イベントと経済に与える影響

(画像=Aleksandrov Ilia/Shutterstock.com)

2018年末から2019年のお正月にかけて、株式マーケットは大きく上下動しました。日経平均の2018年12月28日の終値は2万14円、年間では2,750円安と7年ぶりの下落となりました。

その理由は2018年10月以降、アメリカの長期金利が上昇傾向を見せると米国株式市場は大きく下落。さらにアメリカ連邦準備理事会(FRB)が、景気後退懸念がある中で金利の上昇を示唆することで、米国株が急落し、年末の下落に繋がりました。

このように、アメリカの株価と日本の株価はシンクロしています。言い換えますと、日本の株価は世界の様々な要素に影響を受けるということです。

今年度、関心の高い世界のビッグイベントとそれが経済にどのような影響を与えるか、みていきましょう

イギリスのEU離脱問題

ニュースでも報道されている通り、2019年4月12日としていた英国のEU離脱は当面回避され、10月31日まで延期する事となりました。イギリスのメイ首相は、EUのトゥスク大統領との会談の後、「議会での行き詰まりを打破することは容易ではないが、離脱を実行しなければならない」と述べています。また「国民投票で示された民意を実行することが、付託を受けた国会議員の行うことだ」と述べ、10月の期日を待たず、早期の離脱に力を注ぐことを示しました。

イギリス経済界からは、先行き不透明な状況は変わらず、将来への懸念を早急に払拭するよう求める声が出ています。今回の延期は、一時しのぎに過ぎず、根本的な解決にはなっていないということです。

ここでいう、「合意なき離脱」とは、何を意味するのでしょうか。
それは離脱交渉で合意に至らず、イギリスとEU間で取り決め無しで離脱するケースをいいます。なかなか離脱交渉に進展がないため、徐々に現実味を帯びています。EU加盟各国では、加盟国間での貿易で関税をなくし、加盟国以外からの輸入品に共通関税を設定しています。
今後「合意なき離脱」が起こった場合、①EU離脱により英国が関税同盟を抜けると、EUへの輸出品に関税が復活し、特に製造業などの企業活動に影響がでる、②メーカーなどにとって英国とEUの間の輸出入で高い関税がかかるようになると、生産拠点としての有利性は失われる可能性がある、といった悪影響が指摘されています。

イギリスに拠点がある、日産やホンダが、英国工場の閉鎖を発表するなど、イギリスを拠点とした製造業も関税のかからないイギリス以外の国に生産拠点を移すことなどを模索していますが、それ以上に影響が大きそうなのは金融関連です。デリバティブの決済機関がロンドンのシティに集中していますので、これが不安定要因となり、全世界に飛び火する可能性も出てくる可能性があります。

アメリカと北朝鮮の核廃棄交渉

アメリカと北朝鮮の核廃棄交渉の第2回がベトナムのハノイで2019年2月27日と28日に開催されました。しかし、合意には至らず、会談後も進展は見られていません。その後、北朝鮮側が、ポンペイオ国務長官やボルトン大統領補佐官ら強行派を名指しで避難するなど、第3回目の会談が開催されるかどうかは、全く不透明です。万が一、北朝鮮側が以前のような核実験を再開するようなことがあれば、地政学リスクが一気に高まり、日本経済にも大きな影を落とすことになるでしょう。

中国とアメリカとの貿易摩擦

最近のトランプ大統領の最大の経済リスクと言われているのが、中国との貿易摩擦です。2019年に入り、トランプ大統領は、中国に貿易戦争を仕掛けました。代表例として、中国の通信機器メーカー「ファーウェイ」のCFO孟晩舟(Meng Wanzhou)氏がカナダで逮捕されたことが2018年12月に明らかになり、“ファーウェイショック”が世界を駆け巡りました。
中国は、これに猛反発し、全面戦争になりましたが、中国の対米輸出は、中国GDPの4%を占める一方、アメリカの対中輸出は1%弱が現実であり、この戦争は圧倒的にアメリカに分があります。
また、連動するように中国でのiPhoneの売上が2018年10月~12月期で大幅に下方修正されました。そしてこの動きは、一時的なものでなく、当面続くであろう、というのがアナリストの大方の予測となっています。

IMFが2019年1月に発表した最新の世界経済見通しでは、2019年、2020年の経済成長の予測値は、前回2018年10月時点の予測と比べて、アメリカ、中国とも変化なし、としていますが、この貿易戦争の結果次第では、日本経済への影響も避けられないでしょう。

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