経営者が押さえておくべき保険を活用した節税スキームとは

(写真=Gustavo Frazao/Shutterstock.com)

法人保険とは、法人(会社)が契約者となり、保険料を会社が支払うものを一般的に法人保険と呼びます。個人で生命保険に入る目的は、主に次のような内容です。
・残された家族のための死亡保障
・病気になったときの医療費をカバーする医療保険
・がんになったときのがん保険
比較的身近な保険としてイメージがしやすいのではないでしょうか。法人保険に加入する目的も、経営者に万が一のときを保障する機能もありますが、実はそれだけの目的で法人保険に入る経営者はほとんどいません。

法人保険に加入する主な目的

・経営者、役員の死亡時の保障や弔慰金の支払い
保険の基本である死亡保障は、経営者に万が一のことがあったときに役立ちます。例えば、銀行からの融資打ち切りや役員、従業員への給与の支払い、さらには今までの会社への貢献に報いるための弔慰金の支払いに充当します。

・法人税対策
よくあるケースは、決算期末近くに予想に反して利益が計上されそうになった場合、損金として計上できる保険を使った課税の繰り延べができます。

・経営陣、社員の退職金準備
会社の経営が軌道に乗ってくると、福利厚生の充実により、優秀な役員、社員をつなぎ留めることが必要です。そのための退職金を準備する手段として、法人保険を使うことが良くあります。

・緊急時の余裕資金の確保
会社を経営しているとさまざまな資金需要が発生します。特に緊急に資金が必要になる場合も想定されるでしょう。法人保険は、その目的にも使え、保険会社に今まで支払ってきた保険料が簿外資産としてプールされています。解約すれば、数日で手元に入ってくるお金が会社の貸借対照表に計上されない、いわば外にプールされたお金として使えます。また、保険の種類にもよりますが、保険を担保に生命保険会社から資金を借りることも可能です。

・事業承継対策
最近は、中小企業の大廃業時代ともいわれています。しかし、ご自身で築き上げた会社を子どもなど身内に引き継ぎたいと思う経営者も多いのも事実です。ただ、その継承する自社株評価が想像以上に大きくなった場合、相続財産全体が大きくなり、納税資金が準備できないことも考えられます。通常、相続税は、被相続人が亡くなったことを知ってから10ヵ月以内に納付する必要があります。これを回避するために、法人保険を上手に活用するのです。

法人税と法人保険の考え方

このように、法人保険は万が一の保障をカバーするだけでないことが理解できたのではないでしょうか。そのときに密接に関連してくるのが、法人税との関係です。法人保険に関して、国税庁から経理処理に関して多くの通達が出ており、さらにその内容も頻度高く変わっていきます。法人保険の商品内容によっては、税制上の優遇措置が施され、加入者側からすると大きなメリットとなるものもありますので、法人保険を考える際に経理処理はとても大切なポイントです。

法人保険の選び方

法人保険の種類の代表的なものは、逓増定期保険、養老保険、長期平準定期保険などがあります。その他、がん保険を活用するケースもあるでしょう。従業員の退職金準備としては、養老保険が選ばれます。この保険は、従業員の死亡時の保障と定年時の退職金を同時に準備することが可能です。このように、法人保険を選択する大切なポイントは、法人保険の加入目的を明確にすることになります。

その理由は、その目的によって法人保険の設計方法が異なるからです。また、同じ種類の法人保険であっても、生命保険会社によって、特徴が異なります。加入時や保険料の積立時に支払う保険料のいわゆる入り口戦略と、解約返戻金を上手に使う出口戦略をうまく使うことで、法人税の納税の繰り延べ効果を最大限に発揮できるのです。そのためには、法人保険に精通した税理士や保険アドバイザーと綿密に計画することが大切なポイントとなります。

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