世界中で大ヒット 経営者必見の「ティール組織」とは?

(写真=Peshkova/Shutterstock.com)

マネージャーは、与えられた予算・計画に基づきメンバーを育成・指導し、業績目標を達成しなければなりません。マネジメントとは、組織や業務を管理するノウハウ・手法です。コーチング・行動分析・ビジョン・目標管理など、経営書の中でもマネジメントに関する領域はさまざまな視点・ロジックから書籍が発刊されています。ミリオンセラーは出ないものの、一定の需要が見込まれるカテゴリーです。

実は最近、そんなマネジメントを扱う書籍の中から、20万部のレコードをたたき出した本が登場し、話題を集めているのです。

世界で20万部と話題の「ティール組織」とは?

タイトルは『ティール組織 マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』、もちろんカテゴリーではトップ、一般書籍部門全体でも上位をうかがう勢いです。現在、多くの企業では目標管理制度を軸とした達成型組織を導入しています。こうした組織のもとでは、「競合に食われる」「顧客の支持を失う」といった「おそれ」で個人を動かします。

役割・ポジションといった指揮命令系統が重視され、上位者ほど人事・予算といった裁量権限が大きくなります。おそれと権限で動かす組織のもとでは、個人はエネルギーを消費し疲弊します。こうした閉塞感を打ち破り、組織のあり方を変革させるパラダイムシフトとして注目を浴びているのが「ティール組織」です。

5段階の色の意味、そしてティールとは?

本書では、組織形態を5つに色分けしています。レッドは、おそれにより支配するマフィア・民兵などの組織です。アンバーは権威と規律による服従を求める役所などに見られる形態です。オレンジは、上意下達で組織目標達成と株主利益確保を求める、多くの企業が採用している形態。組織は目標達成のため、研究開発・営業・マーケティングなど機能的に分化しています。オレンジでは、組織内のつながりや個人の感情を軽視しがちです。

こうした欠点を補い、インクルージョン・ダイバーシティー・ステークスホルダー重視といった考え方を取り入れ、意思決定に至るまでのコンセンサスを重視したのがグリーンです。グリーンをさらに進化させたのがティールです。組織のメンバーは厳格なルールに従うのではなく、プリンシプル(原理・原則)に基づき主体的な判断に基づき行動します。

変化・変革も、指揮命令系統に基づくものでなく、誰しもが起点となりえます。ティールでも組織の存在目的・ミッションを重視しますが、あくまで個人への意識付けや使命感とのすり合わせを重視し、一方的に押し付けるようなことはしません。

すでに成果を出している企業も

ティール組織を導入し、成果を出している先進企業もすでに表れています。マーケティングを中心にコンサル事業を展開しているA社は、実践モデルとしてティール組織を導入しました。従来はA社でも、多くの企業と同じように達成型目標管理制度を採用、全社目標を各セクションへ、さらには各セクション目標を社員個人へブレークダウンしていました。

当時は業績が伸び悩んでいる一方で、目標達成の締め付けから社員の疲弊が目立ち定着率も悪化していました。社長は原因が業績管理を軸とした組織運営にあるとの問題意識から、思い切ってティール組織導入に踏み切ったのです。ティール組織では、個人の目標をまず設定し、これを積み上げて全社目標ができあがります。

個人は自らに課した目標達成に向けて主体的に働くことができ、会社はその「働く場所」の提供を通じ成果につなげることができるのです。あくまで個々の目標達成に重点を置くので、カリブレーションなどの業績評価や期中進捗管理といった管理負荷も削減できました。同時にA社では、サテライトオフィス・フリーアドレス制を採用し、社員が働く場所を自由に選べるようにしています。

こうした取り組みが実を結び、A社の定着率は25%から67%にまで飛躍的に向上しました。「ティール組織」は未来への扉であり、A社は扉を開いたのです。みなさんも第1歩を踏み出すために、この書籍を手に取ってみませんか。

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