Googleやゴールドマンサックスなどの先進企業も取り入れているマインドフルネスとは

(写真=maxpetrov/Shutterstock.com)

現代の生活環境は、ここ数十年で大きく変化しています。特にインターネットを中心にSNSやIT分野の目まぐるしい変化についていけないと感じられる方々も多いのではないでしょうか。そうしたストレスフルな社会の中で最近注目を集めているのが、マインドフルネスです。これは、もともと仏教の中にあった止観法(しかんほう)を使い、自分の心を客観的に見つめてみようという概念です。

マインドフルネスの語義として、「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」といった説明がウィキペディアでなされています。この文章の意味を理解するのは少し難しいと思いますので、少し説明を加えていきます。

iPhoneと禅の関係

亡くなったAppleの創業者であるスティーブ・ジョブズ氏は、禅の考え方に深く共鳴し、アップルの各種製品にも禅の考え方が取り入れられているのは有名な話です。例えば、iPhoneですが、ボタンは最低限で、表面にあるのはホームボタンだけ、そしてiPhoneXではそのホームボタンさえなくなりました。これは、一説にはジョブズ氏が禅の考え方からコンセプトを取り入れたともいわれています。

禅という漢字は、「しめすへん」に単純の単と書きます。この意味するところは「シンプルに表現する」ということです。禅の究極はすべてをそぎ落としていき、物事を単純に考えていくこと、これを積み重ねていくことで「一見複雑と思えることも、簡単に整理することができるようになる」という考え方です。この禅の考え方を取り入れたのが、Googleが開発したSearch inside yourself というプログラムです。

Googleで開発されたSearch Inside Yourself(SIY)

近年、マインドフルネスが注目を浴びてきた理由は、ストレスフルな現代社会において、マインドフルネスがストレスを軽減する効果があるなど、心の安定に寄与する効果が学術的に証明されたからです。さらに、Googleによって従業員の能力開発のプログラムとしてマインドフルネスを採用し始めたことから、さらなる脚光を浴びました。そのプログラムは「Search inside yourself(SYI)」と呼ばれ、下記のような効用が実感されたといわれています。

  • ストレス軽減により仕事の能率が上がる
  • 感情のコントロールができるようになり、判断ミスが少なくなる
  • 個々人に思いやりの心が育まれ、チームワークが向上する
  • アイデアが湧く脳になり、創造力が高まる

実際のマインドフルネスの方法

では、実際にマインドフルネスはどのように行うのでしょうか。基本的には瞑想を活用することにより精神的な安定と脳が活性化された状態を作り出します。瞑想には、「座る瞑想」「歩く瞑想」「寝る瞑想」「ボディスキャン瞑想」などさまざまな種類がありますが、一番なじみが深いのは「座る瞑想」ではないでしょうか。

これは、坐禅と同じく胡坐を組むか、椅子に座り、今行っている自分の呼吸に意識を向け続けることで集中力を高めていきます。大切な考えは、「今」に意識を向けることで未来の不安や恐れ、過去の怒りを鎮め、ストレスを軽減していきます。そのプロセスは、下記のようなサイクルを踏むだけです。

  1. 呼吸に意識を向ける
  2. 雑念が湧いてきて、注意がそれる
  3. 注意がそれたことに気づく
  4. 雑念を手放す
  5. 再び呼吸に意識を向ける

「座る瞑想」のポイントは、自分を客観的に観察し「自分の意識がどこに向かっているか」を観察することです。上述したプロセスの中で、もし自分の意識が呼吸からそれたことに気がついたときは、そっとそのことを脇において、もう一度呼吸に意識を向けることを行います。もちろん、誰でも雑念は浮かぶものです。このようすを「モンキーマインド」と呼びます。

これは、あたかもサルが木から木へ飛び回るようすにたとえたものですが、「雑念が浮かんで来たら、そっと呼吸に意識を戻す」という繰り返しがマインドフルネス瞑想の実践となります。最初は長く続けるのが苦痛かもしれませんので、5分を目安に行い、慣れてきたら10分、15分と少しずつ時間を延ばしていくと良い効果が期待できるでしょう。

マインドフルネス瞑想は、よく筋肉トレーニングにたとえられます。継続していくことで、ストレス耐性に強いメンタルを鍛えていくことができるのです。最近では、マインドフルネス瞑想用のアプリもいろいろありますので、それを使って実践してみてはいかがでしょうか。

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