投資信託のやめ方とは? 長期投資における出口戦略について解説

(画像=kellymarken/stock.adobe.com)

少額から投資可能で、初心者でも始めやすい投資信託は長期の積立投資に人気の商品です。ダウ平均株価(NYダウ)や、S&P500などの株価指数に運用成績が連動するインデックスファンドに投資することをインデックス投資と呼び、つみたてNISAやiDeCoなど、非課税制度を用いてインデックス投資を始めた方も多いでしょう。

始めるのは簡単な投資信託ですが、いつやめるのかを明確に意識している方は少ないです。しかし、やめ方を間違えると投資信託のパフォーマンスが大きく減少することが考えられます。本記事では投資信託への長期投資における出口戦略について解説していきます。

投資信託は始めるよりもやめるほうが難しい

投資信託は毎月一定の金額を用意して積立を続ける投資手法のドルコスト平均法で簡単に始められます。簡単である理由はドルコスト平均法という買いのルールを守って取引しているからです。しかし、売りにも明確なルールを定めていないと適切なタイミングで売却ができません。

分配金があるものを除いて、投資信託は売却をしなければ受益できないので、やめるタイミングが大切です。しかし、なにかを始めるとき、やめどきを考えて始める方は多くありません。定年などの人生における区切りが近づいてから判断しようと考えている方もいらっしゃると思います。

投資信託をやめることは、保有する投資信託をすべて解約し現金化することです。保有している状態で発生する含み益は現時点における暫定の利益であり、売却をしたときに初めて損益が確定します。売却のタイミングを見失った結果、損失が増えてやめ時を見失う事態にならないように出口戦略を考えていきましょう。

投資信託の長期投資において出口戦略を考える理由

投資信託の長期投資において出口戦略を考える理由はリスクの軽減があげられます。投資信託は基準価額の変動によっては元本を割る商品です。売却するタイミングで基準価額が大きく下落すると、元本を割らない場合でも利益が大きく減少するリスクがあります。

特に売却したいタイミングで、2008年のリーマンショック、2020年のコロナショックのような市場の急落が発生するとリターンが大きく減少する原因となります。リーマンショックでは日経平均株価は約41%の下落、コロナショックでは約31%下落しています。

また、リーマンショックは1度目の暴落の発生後に2番底をつける動きが発生したので、株価の急落が発生した後に株価がすぐに回復する保証はありません。売却をしたいタイミングで市場が暴落すると含み益は大きく減少し、市場の混乱が収束するまで目標となる資金の用意が難しくなります。

20%以上の暴落の発生はこれまでの歴史から定期的に発生しているので、将来的にも発生する可能性があります。よって、市場の急落に備えた投資信託の出口戦略を考える必要があります。

投資信託をやめるタイミング

投資信託をやめるタイミングは以下の3つが考えられます。

  • 目標となる期限に達したとき
  • 償還日に達したとき
  • 資金が必要になったとき

それぞれ詳しく確認していきましょう。

目標となる期限に達したとき

定年のタイミングや、つみたてNISAの非課税期間である20年間など、自分で決めた期限に達したときに解約を考えている方が多いかと思います。指定したタイミングで投資信託をやめるなら、目先の基準価額にとらわれてやめ時を見失うことはありません。

売却のルールを作るなら、やめるタイミングを明確に決めて実践するのが有効です。ただし、売却のタイミングを決めるだけでは、市場の急落が決定したタイミングで発生した場合のリスクヘッジにはなりにくいです。

償還日に達したとき

投資信託には償還日が設定されているものもあります。償還日は投資信託の運用が終了する日のことであり、投資信託の発売時に設定されます。このような商品性の投資信託は売却を必ずしも考える必要がありません。

ただし、償還日が設定されていても運用状況の悪化などの理由により期限前に償還されることもあるので、償還日がやめるタイミングにならないこともあります。

資金が必要になったとき

様々な事情で急に資金が必要になったときに投資信託をやめざるを得ないケースが考えられます。また、資金が必要になったときがやめるタイミングであると考えている方もいるでしょう。

しかし、一定期間の間、解約を受け付けないクローズド期間が設けられている投資信託もあるので、自由に解約ができない場合もあります。すぐに現金化はできないので、返金までに時間を要することにも注意が必要です。

投資信託における出口戦略とは

具体的な投資信託における出口戦略について紹介していきます。

  • 目標額を決めて売却する
  • 期間を分散して売却する
  • スイッチングを活用する

目標額を決めて売却する

例えば、自分で目標を設定した投資信託の評価額が5,000万円になったときや、利益が元本の2倍になったときなど、具体的な目標を決めていれば売却しやすいです。市場の状況や目標額によっては想定していたよりも早く到達する場合も考えられますが、投資の目的が資金準備であれば目標となる金額を用意できた時点でゴールといえます。

目標額は想定する運用期間や投資する商品のリスクとリターンも考えて、適切な額を設定するようにしましょう。ただし、NISAやiDeCoなどの非課税口座で取引していない場合は税金がかかり、解約時には信託財産留保額という手数料がかかる商品もあるので、目標額を設定する際にそちらも考慮する必要があります。

期間を分散して売却する

目標となる期限に到達してやめる場合、期限の数年前から分散して売却することで、急落のリスクをヘッジしながら期限までに資金を用意できます。例えば、60歳を投資信託のやめるタイミングとするなら、その数年前から分散して売却を始めれば、市場の急落が起きたときのリスクヘッジができます。

売却の基準は1ヵ月ごとに同じ口数を売却することが考えられます。60歳で口数が0になるように調整して実践すれば、市場の状況に左右されず決定したタイミングでやめられます。

スイッチングを活用する

スイッチングとは、現在保有している投資信託から別の投資信託に買い換えることです。市場の急落の影響を受けやすくて株式を対象にした投資信託であるため、株式の投資信託を安全な債券の投資信託にスイッチングすることでリスクを軽減できます。

運用期間に余裕があるなら、多少リスクを取っても資産を増やすために株式の投資信託の保有割合を大きくしても問題ありません。しかし、ゴールが近い場合、リスクの高い資産の保有割合を減らし、リスクの低い資産の保有割合を増やすリスクヘッジが重要です。

ただし、スイッチングは信託財産留保額が設定されている投資信託でおこなうと手数料がかかり、資産が目減りしてしまいます。また、つみたてNISAでスイッチングをした場合は非課税枠を消費する点にも気をつけましょう。

売却のリスクを避けるためには出口戦略が重要

ドルコスト平均法による投資信託への積立投資は、長期的に投資対象が上昇することを期待するなら、成果を出しやすい投資方法のひとつです。ただし、売却方法も検討しなければ市場の急落などのリスクに対応できないため、出口戦略が重要になります。

投資信託をおこなっている方は早めに出口戦略を検討し、売却も考慮しながら投資を続けましょう。

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