ライフイベントを見据えた30代からの資産形成に適した投資方法

(画像=takasu/stock.adobe.com)

金融緩和政策の中で普通預金金利が年0.001%(100万円の預金に対して年間の利息が10円)という銀行もある中、ただ預金をしておくだけでは合理的な資産形成は望めません。大きなライフイベントに備えるためには、他の方法を検討するべきだといえそうです。

本記事では、30代以上で迎えるライフプランに備えて、どの程度の資産をどのような手段で構築していくかを解説します。

30代以上がこれから迎えるライフイベントの相場

30代以上から大きなライフイベントを迎える時期です。ライフイベントには大きな出費を伴うこともあるため、生活のための資金ニーズが高まることが想定されます。ライフイベントは主に以下の4つが挙げられ、それぞれにおいてまとまった資金が必要になることが見込まれます。

  • 結婚・出産
  • 住宅
  • 教育
  • 老後

結婚・出産

株式会社リクルートマーケティングパートナーズが実施した「結婚トレンド調査2020」によれば、挙式、披露宴・ウエディングパーティに係る費用総額の平均は362.3万円で、2014年から上昇傾向にあります。挙式、披露宴・ウエディングパーティに係る費用のうち、カップルの自己負担額の平均は154.6万円で、費用総額と同様に2014年から上昇傾向にあります。

住宅

国土交通省住宅局が2020年3月に発表した「令和元年度住宅市場動向調査報告書~調査結果の概要~」によれば、住宅購入に係る費用は下表のようになっています。

住宅購入に係る費用 自己資金比率
注文住宅新築(土地も購入) 平均4,615万円 0.272
注文住宅(建て替え) 平均3,555万円 0.485
分譲戸建住宅 平均3,851万円 0.265
分譲マンション 平均4,457万円 0.394
中古戸建住宅 平均2,585万円 0.391
中古マンション 平均2,746万円 0.435

参照:国土交通省住宅局「令和元年度住宅市場動向調査報告書~調査結果の概要~」

上記の自己資金比率から自己資金額を割り出してみましょう。例えば、分譲戸建住宅が約1,020万円、注文住宅(建て替え)が1,724万円、分譲マンションが約1,756万円です。住宅購入時の頭金として少なくとも1,000万円以上の自己資金が平均的にかかることがわかります。

教育

子供1人当たりの教育費の相場は、通う学校が私立か国公立かで大きく異なります。幼稚園から大学まで全て私立に通った場合、教育費(学校教育費、学校給食費、学校外活動費の合計)の総額は約2,400万円で、全て国公立に通った場合は約985万円が目安です。

老後

老後のための資金の一般的な目安は、生活費(食費や日用品費等)や医療費、住居費等に加えて、冠婚葬祭費や娯楽・趣味のための費用等も含めると、夫婦二人で約3,000万円が必要額の相場というシミュレーション結果があります。

約3,000万円という目安は、定年を60歳、老後期間を20年として算出しているため、今後の年金制度や平均寿命、定年を迎える年齢等の事情によって変動する可能性があります。

投資スパンに適した資産形成を

資産形成をする際は投資スパンを予め想定し、いつまでにいくら必要かという目標を決めておくことが重要です。目標から逆算して、どの資産にどの比率で投資をするかというポートフォリオを決めることで投資方針を立てやすくなるでしょう。

投資スパンを以下3つのタームに分けてポートフォリオを組んでいくのも選択肢の一つです。

  • 短期
  • 中期
  • 長期

短期

結婚資金など比較的短期スパンでの資産形成場合は、定期預金や債券といった資産が適しているでしょう。定期預金や債券は一般的に値動きが少なく、換金性が高いという理由からローリスク・ローリターンな位置付けの資産であるため、短期スパンで安全に運用しやすいといえます。

中期

住宅購入資金や教育資金などの形成に向けた中期スパンの場合は、株式や投資信託、外貨保有による資産形成が有効な選択肢として挙げられるでしょう。5年や10年といったタームでの資産形成を見越して、一定程度の価格変動リスクをとりつつ、インカムゲイン(配当金や利息、スワップポイント等)を複利運用することでまとまった資金を作ることが期待できます。

長期

老後資金のための長期スパンの場合は、不動産投資によって資産形成を行うのが有効な選択肢の一つといえます。

不動産投資は融資というレバレッジを利かせて長期的に資産を築くことができる資産形成であるためです。時間を味方につけることで、ゆっくりと着実にキャッシュフローを生み、盤石な経済的基盤の構築が期待できます。

30代以上が不動産投資で特に気を付けるべき3つのこと

数ある資産形成の手段の中でも不動産投資は融資を伴うレバレッジの利く投資であるため、大きな資産を構築できる可能性を与えてくれる反面、投資をする際に注意をしなければ大きな損失を出してしまうこともあり得ます。

30代以上の投資家が適正なリスクで不動産投資を行うために特に気をつけるべきことは以下の3つです。

  • 自己資金を入れすぎず手元資金を確保
  • 融資期間が長すぎるまたは短すぎる
  • レバレッジを利かせすぎる

1.自己資金を入れすぎず手元資金を確保

30代以上の投資家が不動産投資をする際は今後のライフイベントに備えて、自己資金を入れすぎず、手元資金を一定程度は確保しておくようにしましょう。

融資を受けて不動産投資をする際には、一般的な目安として物件価格の2割ないし3割程度の自己資金を求められることがありますが、預貯金があるからといって過剰に自己資金を入れることには以下3つのデメリットがあります。

  • 今後のライフイベントに備えるための手元資金が減る
  • 突発的な出費によって資金ショートするおそれがある
  • レバレッジ効果が薄まる

自己資金を入れすぎて生活が破綻してしまっては本末転倒です。不動産投資には賃貸経営という事業としての側面もあるため、株式や債券等のペーパアセットへの投資よりも経費が多くかかる傾向があります。

賃貸経営における経費には、設備不具合による修繕費や賃借人の入退去に関する費用のように突発的に生じる変動費もあることから、手元に資金をプールしておくと安心です。

不動産投資のメリットとして、少ない自己資金で大きな資産を買えるというレバレッジ効果が挙げられますが、自己資金を入れすぎることでレバレッジ効果が薄まる可能性があります。

レバレッジ効果による恩恵として、手元の余剰金を他の投資に回すことで加速度的に資産形成ができるという点があるためです。余剰金を少しでも効率良く運用するために、健全な範囲でレバレッジを最大限活用するのも選択肢の一つといえます。

2.融資期間が長すぎるまたは短すぎる

不動産投資の融資期間は10年以下から45年まで大きく差があります。

融資期間の長短はそれぞれがメリットとデメリットを持ちあわせているため、個々人が投資方針に応じて融資期間を決めるべきであるといえますが、長すぎる場合または短すぎる場合はライフプランに大きく響く可能性があるため注意が必要です。

融資期間が短すぎることのデメリットとして、毎月のキャッシュフローが大幅な赤字になってしまう可能性があることが挙げられます。融資期間が短い分、毎月の返済額が大きくなるため、賃料収入よりも返済額の方が大きくなる場合があるためです。キャッシュフローが大幅な赤字になると、本業の給与や預貯金を取り崩さなければならなくなるため、将来の資金計画に大きな影響が出るかもしれません。

融資期間が長すぎることのデメリットとして、老後に返済を持ち越してしまう可能性があることが挙げられます。融資期間が長いということは、完済時の年齢が後ろ倒しになるということです。具体例として、30代後半以降に融資期間35年のローンを組む場合を想定すると、繰上返済をしない限りは完済時の年齢が70歳を超えるため、定年後も返済が続く可能性があるでしょう。

融資金額や返済開始時の年齢によっては、70歳以降に返済が残っていることも想定できます。老後は給与収入がなくなっていたり、医療費が嵩んだりする可能性が高いため、健康で働けているうちに完済してしまうのが得策といえそうです。

3.レバレッジを利かせすぎる

レバレッジは資産形成のスピードを加速させてくれる可能性がある反面、利かせすぎるとキャッシュフローから諸経費(固定費および変動費)を賄えずに事業として破綻してしまうリスクが高まるという側面も有しています。

長期空室や突発的な修繕費をカバーできる十分な余剰金がない状態、つまり手元資金が少ない状態で過剰なレバレッジを利かせてしまうと、自己資本比率が下がり事業としての財務が脆弱になってしまうリスクがあるということです。

融資を受ける際は事前に空室率や諸経費を高めに見積もり、万が一のことがあった場合でも経営を持続できるように資金計画を組みましょう。

ライフプランとのバランスを加味した資産形成を

30代以上になると、今後のライフイベントを見据えた資産形成を考える必要が出てくるでしょう。資産形成をする際はゴール(時期と金額)を決め、ゴールから逆算してポートフォリオを組むのが得策です。

長期的なスパンの資産形成には不動産投資が有効な選択肢の一つであるといえます。不動産投資を行う際は、自己資金・融資期間・レバレッジという3点を熟慮して、財務面の健全性と資産形成の速度のバランスを最大限に高められるような運用プランを組みましょう。

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