投資信託のメリットって本当に信じていいの?真偽を徹底検証

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投資信託のメリットを鵜呑み(うのみ)にしていませんか。投資信託は、小口資金でも分散投資ができるローリスク・ローリターンの金融商品といわれています。しかし実際にメリットを一つ一つ確認していくと、投資初心者が勘違いしやすかったり説明不足であったりする部分も少なくありません。ここでは、投資信託のよくいわれているメリットの真偽について徹底検証していきます。

勘違い:「投資のプロが運用してくれるから安心」→真実:「指数と連動している銘柄のほうが成績はよい」

投資信託には、大きく分けると以下のような2種類のファンドがあります。

・インデックスファンド
「日経平均」「NYダウ」「S&P500」といった指数の値動きとシステマティックに連動するファンド

・アクティブファンド
インデックスファンド以上のリターンを追求するために投資のプロ「ファンドマネージャー」が運用するファンド

投資初心者向けで、投資信託のよくある紹介文に「投資信託(アクティブファンド)はファンドマネージャーが運用しているから安心で手間がかからない」といったものがあります。しかし長期的に見ると大半のアクティブファンドは、インデックスファンドのリターンを下回る結果となっています。つまり投資のプロが運用しているからといって必ずしも結果が伴うとは限らないのです。

例えば世界的な投資家のウォーレン・バフェット氏の「ヘッジファンドで構成する5本のファンド・オブ・ファンズ」と「S&P500株価指数」における過去10年の運用成績の比較では、インデックスファンドのほうが良い結果でした。また国内株式を対象にした投資信託で10年間の運用成績で見るとアクティブファンドの70~80%がインデックスファンドの結果を下回っています。

この結果から長期的に安定したリターンを得たい場合は、指数と連動するインデックスファンドを選択したほうが高確率といえるでしょう。

勘違い:「購入時手数料が無料だから得」→真実:「購入時手数料が無料でも他にも継続的にかかる手数料がある」

近年はたくさんの証券会社が「すべての投資信託の購入時手数料が原則0円(無料、またはノーロード)」とアピールしています。投資初心者であれば「購入時手数料が無料なら得」と感じている人もいるのではないでしょうか。しかし購入時手数料は、いくつかあるコストのうちの一つでしかありません。そのため無料となっていてもメリットは限定的です。

そもそも購入時手数料とは、投資信託を買い付ける際に銀行や証券会社などの金融機関へ支払うものです。銘柄ごとに上限の手数料が決まっていてその範囲内で各金融機関が設定できます。そのため購入時手数料が無料の場合は「この部分の手数料のみが無料」ということです。投資信託には、購入時手数料以外にも「信託報酬」という手数料があります。重要なのはむしろこちらでしょう。

なぜなら信託報酬は投資信託を保有している限り毎日一定割合を差し引かれる手数料だからです。「販売手数料」は投資信託の購入時のみかかるものですが、「信託報酬」は継続的にかかります。なお投資信託のコストには、購入時手数料と信託報酬以外にも売却したときに基準価額から差し引かれる「信託財産留保額」があり、こちらも一時的にかかるコストです。

ただし信託財産留保額がない投資信託もあります。 投資信託の手数料について正しい情報を得たい場合は、各ファンドの目論見書を確認するようにしましょう。

勘違い:「安定した分配金があるから安心」→真実:「分配金が必ず出るとは限らない」

「投資信託は安定した分配金があるファンドが魅力」と感じている投資初心者もいるのではないでしょうか。しかしこちらも投資信託で勘違いしやすい内容の一つです。分配金の支給が安定しているかどうかは、各ファンドの運用状況によって異なります。投資信託の分配金は、預金の利息のように確実にもらえるわけではありません。

預金であれば期日に決まった利息が振り込まれますが、投資信託の分配金は運用成績の結果次第で変わってくる可能性があります。例えば株式型の投資は、株式市場が右肩上がりの時期は問題なく分配金が支払われる確率が高いでしょう。しかし株式市場の暴落や長期的な停滞などが発生すると分配金の状況も一変する可能性があります。

近年は、コロナショックの一時的な暴落を除けば国内・海外の株式市場が好調だったこともあり投資信託は安心・安全のイメージが強い傾向です。しかしもし株式市場の状況が悪くなれば今まで通り安定した分配金が受け取れないリスクがあることも意識しておきましょう。なお投資信託ごとの分配金についての基本的な考え方は、目論見書(投資信託説明書)で解説されています。

買い付ける前には必ず、目論見書を確認するようにしましょう。

勘違い:「分散投資でリスクヘッジになる」→真実:「本質的な分散投資になっていないことも」

投資信託特有のメリットとしてよく挙げられるのが「世界中の数多くの株式や債券に分散投資ができる」というものです。個人投資家は資金力が限られているため、分散投資の大切さを理解していても実行するのが難しい面もあります。しかし小口の資金を集めてさまざまな株式や債券に投資している投資信託なら分散投資がしやすい傾向です。

ただし「投資信託=分散投資ができている」というのは思い込みの面もあります。なぜなら「さまざまな株式・債券に投資していること」と「本質的な意味で分散投資ができていること」は、まったく別の話だからです。例えば「グローバルの株式や債券に分散投資する」とうたっている投資信託でもポートフォリオを見ると投資している国の数が少ないケースもあります。

また投資をしている国の数自体が多くてもアメリカなど主要国の比率が高いこともしばしばです。例えば「グローバル型の投資信託」といわれる銘柄でも国別の投資配分で見ると、アメリカが大半を占めているケースはよくあります。こういった銘柄へ集中的に投資してしまうと結果的にアメリカの株式市場が荒れた場合、その投資信託は大きなダメージを受けてしまうでしょう。

そもそも株式市場は、世界中のマーケットが連動しています。アメリカ・中国・欧州・日本など主要マーケットのどこかが暴落して低迷すればそれに引きずられて世界中のマーケットが不振になる可能性もあるのです。このような特性を考えると投資信託で分散投資をしていても本質的な意味で分散投資ができていないケースが少なくありません。これは複数の投資信託の銘柄を買い付けても同様です。

本質的な分散投資によってリスクヘッジをするには、投資信託・株式・債券などの金融商品と値動きが連動しないアセットクラス(資産の種類)にも投資をするのが効果的といえるでしょう。

投資信託(株式・債券)以外のアセットクラスとは

本稿では「投資信託のメリットの真偽」をテーマに解説してきました。投資信託といえば分散投資によるローリスク・ローリターンの金融商品のイメージが強い傾向です。もちろん事実の部分もあるため、投資信託そのものを否定するわけではありません。しかし株式や債券の市場環境が崩れると基準価額や分配金に多大な影響のあるリスクがあることは覚えておきましょう。

前項で解説した通り本質的な分散投資をするには、いくつかのアセットクラスに分散投資するのが有効です。投資信託および関連性の高い株式・債券以外のアセットクラスとしては、不動産投資や金、銀、プラチナ、暗号資産、外国為替などがあります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、うまく組み合わせて「真の分散投資」を徹底しましょう。

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