株式投資の新戦略、これからはアジア株に世界が注目する理由

(画像=cassis/stock.adobe.com)

2020年8月時点で、新型コロナウイルスの拡大は世界各地で依然として猛威を振るっていますが、アジアでは経済活動が正常に向かいつつあります。アジアは欧米に比べて、新型コロナウイルスによる被害が極端に少ないことで世界から注目を集めているため、今後はアジア株の上昇が期待できるかもしれません。本記事では、世界がアジア株に注目する理由と上昇の背景を探ります。

日米株式市場はバブルとの声も

2020年時点での日米株式市場の上昇は「バブルではないか」という声が聞かれます。新型コロナウイルスの影響で世界の株式市場は、感染が本格化した2020年2月中旬~3月中旬にかけて大きく落ち込みました。新型コロナウイルスの影響は長期に渡る可能性が高いことから、日米の株式市場も当分低迷が続くものと感じていた人も多いのではないでしょうか。

しかし日経平均株価は2020年3月19日に年初来安値1万6,358円19銭で底を打ったあと、景気動向とは裏腹に反発していきます。2020年8月6日時点では2万2,418円15銭まで回復しました。一方のニューヨーク株式市場のダウ平均株価は、2020年3月23日に1万8,213米ドル65セントまで下落。その後反発し、2020年8月6日時点では2万7,386米ドル98セントと日経平均以上に急速な回復を見せています。

しかし日米の経済ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)は決して上向きではなく、GDP(国内総生産)は大幅な落ち込みを見せています。日本の2020年1~3月期のGDPは年率換算で2.2%減となりました。コロナの影響が大きくなる同年4~6月期は、さらなる悪化が予想されています。米国の状況はさらに深刻で、2020年4~6月期のGDPが年率換算で32.9%減と歴史的な落ち込みを記録しました。

しかし日米ともに株式市場が安定しているのは、金融緩和による世界的な“金あまり”が原因ではないかと見られています。そういった背景から、日米株式市場はバブルの状態にあるとの声が聞かれるのでしょう。

アジア圏はコロナの影響が少ない

コロナ禍において今後有力になりそうなのがアジアの株式市場です。アジア圏はコロナの影響が少ないことで世界もその原因を究明しています。NHKの新型コロナウイルス特設サイトによると、2020年8月6日14時の時点で世界の感染者数は1,881万392人、死者数は70万7,666人です。感染者数1位の米国(482万3,890人)から25位のカタール(11万1,805人)までが10万人を超えています。

死者数の1位はやはり米国で15万8,250人、2位がブラジルで9万7,256人と続きます。一方特筆すべきはインドやインドネシア、中国を除くアジア各国の死者数が極端に少ないことです。主なアジアの国の死者数は以下の通りです。

国名死者数(2020年8月6日14時時点)
韓国302人
香港43人
シンガポール27人
ベトナム9人
台湾7人
ミャンマー6人
マカオ0人
モンゴル0人
カンボジア0人

日本も1,048人(2020年8月6日23時59分時点)とアジアの中では多いものの、欧米やほかの地域に比べると少ない数字といってよいでしょう。

入国規制解除の中心はアジア各国

感染が収束したといわれている中国や感染者数が少ないアジア圏の国では、経済活動がほぼ正常に戻りつつあります。日本政府も経済の再生に向けて「リスクが低い」と判断できる国から入国規制を解除する方向で検討を始めました。入国規制解除第1弾の対象を協議すると発表された国は、ベトナム、タイ、ニュージーランド、オーストラリアの4ヵ国です。(2020年7月10日時点)

また2020年7月22日時点で第2弾として協議を進めているのが中国、韓国、台湾、香港、マカオ、カンボジア、シンガポール、ブルネイ、マレーシア、ミャンマー、モンゴル、ラオスの12ヵ国です。新たに追加される地域はすべてアジア圏です。規制が解除され各国との交流が活発になれば、日本にインバウンド効果が再発現するほか、海外旅行も徐々に増加して現地の経済にも好影響を与える可能性があります

アジア株はすでに上がり始めている

アジアの経済活動正常化を受けてアジア株はすでに上昇を始めています。「日経アジア300指数」という株価指数の動きを見ると、その傾向が顕著です。2020年3月19日に年初最安値として994.89をつけて以降、同年8月6日19時30分時点では、1414.21と年初最高値となる1429.04(同年1月14日)を突破するような勢いを見せています。

日経アジア株300指数とは、アジア11ヵ国・地域を対象に有力上場企業300社の株価を米ドルに換算し、時価総額加重方式で算出した株価指数です。対象になる国は、中国、香港、台湾、韓国、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムとなっています。2020年4月に商工中金が公表した「アジア主要国の経済データ」によると、アジアの2020年1~3月期実質GDP前年比は以下の通りです。

国名2020年1~3月期実質GDP前年同期比
インド+4.7%
ベトナム+3.8%
インドネシア+3.0%
台湾+1.6%
韓国+1.4%
マレーシア+0.7%

一方Bloombergの2020年7月16日の報道によると、新型コロナウイルスがいち早く収束に向かった中国も2020年4~6月期のGDPは前年比+3.2%とプラス成長となっています。アジア株は日米株価と異なり、経済ファンダメンタルズが伴っているだけに、上昇を後押しする明確な根拠があるのかもしれません。

これまで世界の株式市場は、米国株を中心に回っていました。しかしコロナの経済的影響からいち早く立ち直りつつあるアジア株への投資は、株式投資の新戦略としてこれからも世界の注目を集めそうです。

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