大企業社員こそ資産運用!所得税などの増加や退職金減少への対抗策

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大企業社員は「倒産リスクが低い」「給与が高め」「福利厚生が手厚い」といった点は大きなメリットです。大企業社員は「給与が高め」ということがメリットの一つですが、逆にいえば税金や社会保険料負担は大きくなります。高収入者の宿命ともいえる問題ですが、なにか対抗策はあるのでしょうか。そこで今回は、大企業社員の負担増や退職金減少などにかかわる3つのデータを見ていきます。

大企業社員らの社会保険料負担が30%超の「2022年危機」

はじめに大企業社員の保険料負担の増加を示すデータを見てみましょう。

2019年に健康保険組合連合会が公表した「今、必要な医療保険の重点施策」によると、大企業の会社員などが負担する社会保険料(厚生年金・健康保険・介護保険の総計)の平均は、2022年に給与水準の30%超(社員と労使で折半)に達します。

2010年の社会保険料が約25%だったことを考えれば、負担割合がかなりのハイペースで増えている様子が分かります。さらに2022年以降は75歳以上になる団塊世代が増えるため、超高齢化の進行が懸念材料の一つです。人口全体に占める高齢者(65歳以上)の割合は、2022年の29.5%から2040年の36.2%まで上がっていきます。

そのため高齢者の割合と社会保険料の負担割合が増え続ける状況を、健康保険組合連合会では「2022年危機」と名付けて警鐘を鳴らしているのです。

大企業社員の所得税の“隠れ増税”が進んでいる

2つ目は、高所得サラリーマンの所得税負担が増えている可能性を示すデータです。

2018年度の税制改正に伴い2020年度分から「給与所得控除の上限額」と「対象となる給与年収」が引き下げ続けられています。所得税は、年収から給与所得控除および所得控除を差し引いた課税所得などで決まるため、給与所得控除が減ればその分、課税所得が増える(=所得税が増える)仕組みです。

年度給与所得控除の上限額対象となる給与年収
2013~2015年245万円1,500万円以上
2016年230万円1,200万円以上
2017~2019年220万円1,000万円以上
2020年~195万円850万円以上

つまり、「給与所得控除の上限額」と「対象となる給与年収」が引き下げられると所得税率は変わらなくても多くのサラリーマンが影響を受け、所得税が増える可能性があります。上記の表のように2013~2015年の給与所得控除の上限額245万円、対象となる給与年収1,500万円以上でした。2020年までに3回の引き下げが繰り返され2020年からは上限額195万円、対象となる給与年収は850万円以上です。

直近の15年間でホワイトカラーの退職金は700万円以上減った

3つ目は大手企業社員の退職金制度に関するデータを確認してみましょう。

終身雇用が当たり前だった戦後の昭和時代と比べると、令和時代は終身雇用が崩れつつあるといわれています。しかし、大企業ではかなり高い割合で退職金制度が残っているのです。例えば、厚生労働省の「就労条件総合調査(平成30年)」によると、社員数1,000人以上の企業のうち退職給付制度がある割合は92.3%です。

ただし、その中身に問題があり、近年の退職金の平均額は急激に減り続けています。同調査によると大学・大学院卒の管理・事務・技術職の定年による退職金の平均額は2003年調査では2,499万円でしたが、15年後の2018年には1,788万円と711万円も減少しているのです。 

年金に偏った資産運用はリスクあり 安全資産による分散投資を

3つのデータを見ると、所得税や社会保険料の負担が増し退職金が減っているため、大企業社員といえども資産運用に目を向けていく必要性があることを実感した人もいるかもしれません。大手企業社員であれば確定拠出年金などで老後に備えているケースも多いですが、年金に偏った資産運用では不安が残ります。

より一層、安定感のある資産運用をしていくには、年金以外の選択肢で分散投資をするのが効果的です。しかし、安易な投資商品を選択してしまうと、逆に資産を減らしてしまう結果になりかねません。前提としては、大企業社員であればベースに潤沢な給与収入があるため、ハイリスクをとる必要はないでしょう。

投資商品メリットデメリット
稀少価値の高い鉱物のため価値が変わりにくい債券や不動産のようなインカムゲインがない
債券先進国の国債などであれば比較的リスクが低いインカムゲインはあるものの利回りが低い
不動産投資都心の好立地物件などであれば空室リスクは低い傾向エリア選びを間違うと空室リスクが高まる

そのため安全資産によるローリスク&ローリターンの長期運用で、確実なリターンをとっていくのが賢明です。例えば、安全資産の代表的なものに金や債券、不動産投資などがあります。ただし、同じ資産でも上記のようなメリット・デメリットがあるため、セミナーや書籍などで正しい投資リテラシーを身につけたうえでの選択が重要になってきそうです。

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