タワーマンションは超高層なのになぜ地震に強いのか 免震構造の謎に迫る

(写真=yoshi0511/Shutterstock.com)

タワーマンションは超高層でありながら、一般的に耐震性能は優れています。「震度6でも花瓶が倒れない」と言われるほどです。その秘密は、一般的なマンションにはない免震構造です。

タワーマンションの免震構造と通常のマンションの構造は、何が違うのでしょうか。最新テクノロジーを結集した建築技術の粋を紹介します。

地震に備える防災構造は3種類ある

余震も含めて震度7クラスの揺れが続いた熊本大地震では、多くの建物が倒壊を含めた甚大な被害を受けました。そうした状況でも、免震装置を備えた建物は軽微な被害にとどまっています。

地震に備える防災構造は、一般的に耐震・制震・免震の3つに区分されます。それぞれどんな特徴を備えているのでしょうか。

低コスト・短納期が魅力の耐震構造

壁・柱・梁などの構造物自体を頑丈にしたり、補強材を入れたりすることで、建物の耐震性を向上させています。制震・免震構造に比べて、低コスト・短納期で済むことも特徴と言えるでしょう。

1981年の改正建築基準法で「新耐震基準」が設けられ、震度5以上の揺れで建物が損傷しない、震度6~7の地震で倒壊しないレベルの耐震性が求められるようになりました。耐震構造は、この新耐震基準をクリアするよう設計されています。

耐震構造の効果は、阪神大震災で証明されました。旧耐震基準で造られた建物の3割が「大破・倒壊」したのに対し、新耐震基準の建物では1割にとどまっています。

建物の揺れを抑える制震構造

新耐震基準が目指すのは、あくまで「人命を守るための倒壊防止」です。加えて頑丈な構造で耐震性を担保していることもあり、揺れ自体は建物に伝わります。

阪神大震災でも、家具が倒れて住人が下敷きになるといった事故が起こりました。外壁などが大きく損傷し、資産価値が著しく低くなった建物も多くありました。

そこで注目を浴びたのが、制震構造です。その特徴は、ばねやゴムなどでできたダンパーを設置することにより、地震エネルギーを吸収する点にあります。高層マンションの場合は、各フロアーにダンパーを設置するケースが多いようです。
制震構造によって揺れそのものがなくなるわけではありませんが、地震エネルギーによる損傷はダンパー部に限られ、躯体部分へのダメージを回避できます。これによって、大地震でも建物の資産価値を守れるわけです。

花瓶さえ倒れない免震構造

2000年代後半には、揺れそのものを耐震構造の1/3から1/5に軽減する免震構造が登場しました。実際、東日本大震災・熊本地震において、揺れによる照明落下・家具転倒などの被害が大幅に減ったと言われています。

熊本地震では、市内西区の賃貸マンション(11階建て)で家具どころか花瓶すら倒れず、関係者を驚かせました。

免震構造は地下(基底部)にアイソレーターや積層ゴムを設置、その上に建物が乗っており、建物に揺れそのものが伝わりにくいようにしています。

49階以上の建物に使われることが多く、最近では芝浦のGLOBAL FRONT TOWERやザ・パークハウス晴海タワーズ、THE TOYOSU TOWERなど多くのタワーマンションが免震構造で施工されました。中には、免震プラス制震構造をミックスさせ、より耐震性を高めた物件も出てきています。

タワーマンションに関しては、免震構造で建築される物件が増えています。施工コストが1割ほど高くなるのがネックですが、上層フロアほど気になる揺れを抑えられるのは魅力的です。免震構造のタワーマンションは、リセールバリューにおいて一定の優位性を保っていくでしょう。

免震構造は躯体への損傷防止・揺れの制御といった面で優れていますが、耐震構造にも低コストで地震対策できるといったメリットはあります。実際、戸建てや低層マンションに関しては、コスト・納期・対応できる施工業者を考慮すると、耐震構造の採用が現実的な場面も多いのです。

将来のマンション購入に備えて、それぞれの構造のメリットを理解しておき、購入検討材料の1つとして考えるのが良いでしょう。

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