若いうちから老後資金は準備すべき?人生100年時代への備え方とは

(写真=Jirsak/Shutterstock.com)

社会保障制度の動揺や少子高齢化など、私たちの将来には不安要素がたくさん存在します。「下流老人」という言葉もあるとおり、高齢者になってから貧困に陥るのではないかと心配する方もいるでしょう。

そこで考えたいのが、現役世代のうちから老後資金を準備することです。今回は、高齢化社会に備え今から何を準備していくべきかご説明します。

人生100年時代には「下流老人」のリスクが増える可能性

寿命が伸びることは、定年後の時間が長くなることを意味しています。年金だけで生活がまかなえれば問題ないのですが、生活費が年金を上回ると預貯金を切り崩さなければいけません。寿命が長いほど切り崩す預貯金の額が増える結果になってしまいます。

そもそも「人生100年時代」と言われることが増えましたが、これは本当でしょうか。厚生労働省の統計調査によると、2017年における男性平均寿命は81.09歳、女性平均寿命は87.26歳と過去最高を更新しました。70歳の平均余命は男性で15.73年、女性で15.79年となっており、90歳代まで生き続けることは当たり前の時代に入りつつあります。

また、100歳以上の高齢者は7万人近くに達しています。平成元年時点では3,000人ほどでしたので、この30年で20倍以上になったということです。健康な高齢者であれば、100歳まで生きることすら夢物語ではないのです。

日本人の寿命が伸びる一方で、会社の定年は60歳ないし65歳とあまり延長されていません。その結果、定年後の生活時間が数十年に及ぶようになりました。100歳まで生きるとなると、会社に勤務していた時間と定年後の時間がほぼ変わらなくなります。これだけの長い期間を、給料無しでやりくりしなければなりません。

60歳で退職すると貯金頼りの苦しい生活

60歳で退職すると、ほとんどの人が自分の預貯金を切り崩す生活になると考えられます。厚生労働省の別の統計調査によると、高齢夫婦無職世帯の家計収支のうち不足分(実収入から総支出を引いた赤字額)は5万4,000円あまりです。これは月額ですから、1年間で約65万円、30年間だと2,000万円近くにも達します。ちなみに、高齢独身者でも毎月4万円以上の不足が生じています。

ただし、中には「すでに貯金が2,000万円以上あるから問題ない」と考える人がいるかもしれません。確かに、100歳近くまで夫婦で生きたとしても、貯金がたくさんあれば生活費には支障が無いでしょう。

しかし、実際には毎月5万4,000円ほどの不足で済むとは限りません。家族のケガや病気、介護、お墓の問題、自宅の修繕などにより、まとまった支出が発生する可能性も十分にありえます。

さらに言うと、計算上は預貯金が足りていても、実際にこれを切り崩す生活が続くと不安になるものです。少しずつ預貯金の残額が減っていく生活を続けるのは、なかなか大変です。

以上を踏まえると、夫婦で2,000万円というのはあくまで最低ラインと認識するべきでしょう。実際はその1.5倍や2倍のお金がないと、定年後の生活を悠々自適に過ごすことは難しいかもしれません。

老後資金の準備のために今からやるべき3つのこと

老後資金は、一朝一夕に準備できません。現在20代や30代でも、ある程度将来を見据えて準備を始めることをおすすめします。そのためにも、家計の可視化・収入の増加・長く仕事を続けることの3点を検討しましょう。

家計の可視化とは、要するに毎月の収入額と支出額を把握することです。特に支出が重要です。総額いくら使ったのか、そして何にいくら使っているのか把握すると、節約できそうなポイントも見えてきます。最近では家計簿アプリが増えていますから、手でレシートに記載された数字を書き写す必要は無くなっています。クレジットカードやプリペイドカードなどを駆使すれば、家計簿の作成をほぼ自動化することは難しくありません。

収入の増加は、同じ会社の中での出世・転職によるベースアップ・副業のいずれかで達成できます。どれが一番自分に合っているのか、あるいは可能性があるのか検討してみましょう。また、普段の仕事も「収入を増やす」という意識を持ってこなすことです。

最後に、できれば60代以降も長く働き続けられることが理想です。最近では定年後の再就職も増えていますが、それでも65歳や70歳で退職するのが一般的です。現在の20代や30代が定年を迎える頃にはますます高齢化が進行していますので、定年時期もさらに引き延ばされている可能性はあります。また自分でできる副業を細く長く続けていると、定年後の貴重な収入源になりそうです。

以上のように、まずは家計を可視化して収支を改善するとともに、近い将来の収入アップに向けて働き方を見直します。そして60代以降も長く働き続けられるよう、会社によらず通用するスキルの獲得を意識するとよいでしょう。

今を楽しむ視点と将来へ備える視点

若いうちから将来のことばかり不安になり、極端な節約生活をしてもあまり充実感はないかもしれません。確かに将来への備えは大切ですが、その一方で二度と訪れない「今」を楽しむ視点を持つことも大切です。家計の可視化によって無駄遣いを減らす一方で、かけがえのない家族や友人・知人と過ごす時間にお金を使うことも重要でしょう。人生100年時代には、自分にとっての幸福を突き詰めることが求められそうです。

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