ふるさと納税で高還元率だけを狙っても損?本当にお得な返礼品の選び方とは

(写真=Yuganov Konstantin/Shutterstock.com)

自分の住んでいるところ以外の自治体に寄附することで、所得控除にもなり返礼品がもらえるのがふるさと納税です。二重の「お得」があることから、最近では自治体間の競争も過熱しています。

競争の一因となっているのが、「還元率(返礼割合)」です。還元率の高い返礼品を選べば金銭的にお得であるという考え方は、必ずしも正しいわけではありません。今回は、還元率にこだわる姿勢に落とし穴があることを指摘するとともに、本当にお得な自治体・返礼品の選び方についてご説明します。

お得なのか疑問?「高還元率」の落とし穴

ふるさと納税で自治体へ寄附を行うと、自分の収入額や他の控除額との兼ね合いで決まる一定の範囲内で寄附した分から自己負担分の2,000円を除いた額が所得から控除され、結果的に節税となります。総務省のポータルサイトによると、給与収入が300万円の独身者の場合、2万8,000円から2,000円を引いた2万6,000円が所得から控除されます。

つまり、どんな返礼品を選んでもふるさと納税による所得控除の効果は変わらないのですが、ふるさと納税を推奨する雑誌やインターネット上の記事の多くは、より「還元率」の高い返礼品を選ぶとお得である、と主張しています。

還元率とは、寄附額に対する返礼品の元の価格の割合のことです。例えば1万円の寄附に対して売値3,000円の品物を手に入れることができたら、還元率30%(=3,000円÷1万円×100)と考えます。この還元率が40%、50%と高ければ高いほど、金銭的にお得であるとみなすわけです。

しかし、いわゆる「高還元率=お得」という考え方には、3つの落とし穴が存在します。第一に、元の価格が分からないために還元率の計算方法が正確とは言えないケースがあります。インターネット通販サイトを見ると、同じような商品でも価格帯が異なることが多いでしょう。各自治体は返礼品の元の価格を公表していないので、厳密に正しい還元率を求めることは本来できないはずなのです。

3,000円、5,000円、7,000円のものが通販サイトに掲載されており、1万円の寄附に対する返礼品としてどれを選んでいるか分からない場合に、30%・50%・70%のいずれが正しい還元率なのでしょうか。「高還元率」を強調したければ、70%という数字を打ち出すでしょう。しかしこれは恣意的な還元率の計算方法であり、正確とは言えないものです。

また「高還元率」とされる返礼品の多くは価格が高いだけに、高額の寄附をしないと手に入れられないケースが多いです。よく家電が高還元率の返礼品として挙げられるのですが、10万円以上の高額寄附が必要なものが大半です。

ふるさと納税で10万円を所得控除できるのは、独身だと給与収入675万円程度、夫婦だと725万円程度、夫婦+高校生の子1人だと775万円程度と、それなりの収入を持つ人に限られます。給与所得者で600万円以上の収入を持つのは、2017年時点で20%ほどしかおらず、女性に限れば6%ほどしかいません。家電の返礼品で高還元率を享受できるのは、一部の高額所得層に限られるのです。

さらに、返礼品の量の問題もあります。1万円や2万円程度で高還元率となる返礼品として、しばしば肉類が挙げられます。自治体によっては、1万5,000円の寄附で6kgもの鶏・豚肉を得られるところもあります。確かに還元率が高くなるかもしれませんが、還元率に惹かれて受け取っても冷凍庫に入りきらずに捨ててしまうようなケースも考えられます。

以上を踏まえると、高還元率だからといって必ずしもお得であるとは限りません。寄附する立場として、還元率以外の要素にも目を向けて、自治体や返礼品を選ぶ必要があります。

本当にお得な返礼品の選び方3点

何をお得と考えるのかは個人の価値観によりますが、あえて多くの人に当てはまる返礼品の選び方を挙げると次の3つになります。

まず、ふるさと納税のポータルサイトで人気の高い自治体を2~3個ピックアップし、その中から気に入った返礼品を選ぶやり方です。人気が高い自治体はふるさと納税に力を入れており、返礼品も魅力的でバラエティに富んでいます。「みんなが選ぶものを選ぶ」というやり方であれば、大きく失敗する可能性は低いでしょう。ただし品物によっては、前述した量の問題に気をつける必要が出てきます。

次に、自分が頻繁に消費する好きなものを選ぶやり方です。自治体ではなく、品物のカテゴリーで絞り込みます。お酒が好きであればお酒、スイーツが好きであればスイーツなど、自分の好きなものであれば満足できる返礼品を選べる可能性は高くなります。

最後に、自分が何かを支援するような寄附をするやり方です。昔住んでいた「ふるさと」や、地震や水害などに苦しむ自治体へ支援目的で寄附したりするやり方は、総務省の提唱するふるさと納税の理念にも沿っています。

以上のように、還元率だけに注目するのではなく、自分にとってお得と思える自治体および返礼品の選び方は複数あります。総務省は高還元率にこだわる自治体を問題視しており、制度の見直しも検討しています。自分がどんな寄附をしたいのか考えてから、ふるさと納税に取り組むことをおすすめします。

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