老後に向けた資産形成の考え方と貯めるべき貯金の最低額とは

(写真=Syda Productions/Shutterstock.com)

老後の生活に不安を持つ人は少なくありません。中でも不安なのが経済面で、「老後の生活を経済的な問題を抱えずに過ごせるだろうか」と感じている人も多いでしょう。

そこで、老後に向けてどう資産形成を進めればよいのか、いくらぐらいを目標にすればいいのかをご説明します。幸せな老後のために、今から少しずつでもお金の準備を進めておきましょう。

老後に向けていくら貯蓄すれば安心できるのか?

老後に必要な金額として、「5,000万円」や「3,000万円」、果ては「1億円」という声まで、雑誌やインターネットなどにはさまざまな意見が飛びかっています。少子高齢化によって公的年金制度が揺らぐ中で、老後の生活に経済面の不安を抱える人は多いものです。公益財団法人の生命保険文化センターが実施したアンケートによると、実に8割以上の人が「老後の生活に対して不安感あり」と回答しています。

そこで現役のうちから資産形成していくことが必要、という考え方になります。しかし、いったいいくら貯蓄すれば安心できるのでしょうか。

退職後の必要金額は、その人の生活スタイルや家族の人数、環境などで大きく変わってきます。そのため、最終的には自分で大まかにでも将来のライフプランを組み立てるべきです。もちろん将来には不確定要素が多く含まれますので、年齢を重ねていくにつれて微調整を加えていく必要は出てくるでしょう。

参考として、総務省の実施する「家計調査」によれば高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)における毎月の平均赤字額は5万4,000円ほどです。これは年換算で約65万円、20年で約1,300万円、30年で約2,000万円となる計算です。

もちろんこの数字はあくまで参考値であり、年金額が少なければもっとたくさん貯蓄する必要があります。ただし、現役世代が分かりやすい目標値として定めるのであれば、まずは2,000万円から3,000万円辺りが目安となりそうです。

老後に向けた資産形成は「長期」「分散」「自己責任」で

老後の経済的な安定のために資産形成をする場合、いくつかの原則に基づいて進める必要があります。

まず、長期的な視点で運用することです。現役世代であれば、60歳や65歳で退職するまでに10年から40年近くの時間があります。したがって短期的な目で一攫千金を狙うのではなく、長い目で見て資産の増加しやすい運用方法を選ぶべきです。たとえば、毎月少しずつお金を積み立てる「積立投資」を利用することが考えられます。

また、投資先を分散させることも大切なポイントです。投資の世界には、「1つのカゴに卵を盛るな」という格言があります。1つのカゴに卵を盛ると、そのカゴを落としただけで全ての卵が割れてしまいます。それと同じように、1つの商品、1つの地域にだけ投資していると、その商品・地域の価値が急落しただけで資産全体が大打撃を受けてしまいます。株式と不動産、日本とアメリカなどのように、商品や地域を分散させるのが比較的安全な運用方法と言えます。

最後に、資産形成は自己責任であることを忘れてはいけません。他人のアドバイスや書籍、Webサイトなどの情報源を参考にすることは問題ありません。しかし、何か問題が起きたときに損失を被るのは自分自身ですし、逆に利益を手にできるのも自分自身なのです。最終的な責任者が自分であることを頭に入れて、自分で判断し意思決定するべきなのです。

以上のように、長期・分散・自己責任の3つの原則を頭に入れ、ゆっくりと無理のない水準・ペースで資産形成を進めるのがコツです。

資産形成の最初は家計改善と積立投資

「資産形成」と言うとスケールが大きいように感じられますが、結局のところ毎月お金を積み重ねることでしか資産は形成されません。したがって、資産形成のポイントは家計を改善して黒字にすること、そして積立投資を長期的に継続することです。

家計改善の8割は、支出管理の改善によって実現されます。給料を1年で20%増やすことは難しくても、支出を1年で20%カットすることは決して不可能ではありません。通信費や光熱費、保険料などの固定費を削減するとともに、コンビニやスーパーなどでの無駄遣いを減らせれば可能です。

家計改善で捻出できた黒字を、毎月の積立投資に回すわけです。今では金融機関の口座で設定すれば、毎月同じ日に同じ額を投資する運用が自動化されます。「つみたてNISA」という制度を活用すれば、税制面でも有利な形で長期投資できるのです。

資産形成は、ギャンブルのようにリスクの高い行為とは一線を画すものです。長期・分散・自己責任と家計改善・積立投資を軸として、あわてずゆっくりと老後の安心に向けて進んでいきましょう。

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