20代の資産運用ならつみたてNISAとiDeCoのどっちがおすすめ?

(写真=Watchara Ritjan/Shutterstock.com)

金融業界では、「貯蓄から投資へ」という言葉が合言葉となっています。日本では諸外国と比べて金融資産に占める預貯金の比率が高いため、これを資産運用に回してもらうよう促す流れができています。

その代表的な制度が、つみたてNISAとiDeCoでしょう。いずれも少額からの積み立てが可能であり、税制優遇措置が講じられているなど、資産運用初心者でも手軽に利用できる作りになっています。

しかし、特に20代で収入の少ない層にとっては、どれを利用すればよいのか悩ましいところです。つみたてNISAとiDeCoを比較して、最初に利用するならどちらがよいのか考えてみたいと思います。

資産運用初心者におすすめのつみたてNISAとiDeCo

20代から資産運用を始めようとしても、数十万円や数百万円のお金を運用のために用意できる人はそれほど多くないでしょう。毎月数千円から数万円レベルのお金を少しずつ運用する、というのが現実的ではないかと考えられます。

そこでおすすめとなるのが、「つみたてNISA」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」といった制度を利用した積立型の運用です。これらの制度では、最初に掛金と商品を設定すれば、あとは自動的に掛金の拠出と金融商品の購入が行われるようになっています。拠出する金額は自分の収入や生活費などに応じて設定できるため、収入の少ない若者でも無理なく資産運用を始められます。

つみたてNISAやiDeCoを使わなくても、毎月お金を積み立てて投資信託などを購入することは可能です。しかし、つみたてNISAやiDeCoがお得なのは、税制優遇措置が講じられている点です。一般的には、配当金や分配金、そして売却益などの形で利益が出ると税金がかかります。それに対し、つみたてNISAもiDeCoも運用益が非課税となるのに加えて、掛けた金額を所得から控除できるようになっています。こうした制度を利用すれば、支払う所得税・住民税の節税となるのです。

つみたてNISAは毎年40万円、iDeCoは毎月2万3,000円(会社に確定拠出年金がない場合)まで非課税枠となっています。途中で掛金を変更することもできるので、まずは申し込んでみることをおすすめします。

20代で積み立てすぎると生活費が不足しがち

できれば、つみたてNISAもiDeCoも上限まで利用していただきたいところです。余裕があれば、さらに別途積み立てや定期預金などの形で運用を増やすのがベストではあります。

そうは言っても、社会人なりたてで収入の低い時期や、子どもの教育費や住宅ローンの支払いなどで家計のやりくりに苦しむ家庭では、それほど運用へお金を回せないでしょう。資産運用に目覚めた20代がやりがちなのは、つみたてNISAやiDeCo、あるいは株式や仮想通貨などにお金を回しすぎて、生活費が不足してしまうということです。運用を心がける姿勢は素晴らしいのですが、その日の暮らしにも困るようでは意味がありません。

資産運用に投じるお金は、あくまで余剰資金を充てるというのが大原則です。たとえば、給料のうち20%や25%を資産運用に自分で天引きし、残りのお金で生活するなど、生活と資産運用のバランスを調整する必要があります。バランスが分からない場合は、1ヵ月か2ヵ月ほど家計簿をつけて、収入と支出を記録するとよいでしょう。支出の現状把握ができれば、どれぐらい運用に回せるか見えてくるはずです。

最初にやるならつみたてNISAがおすすめである理由

収入の低いうちは、つみたてNISAかiDeCoのどちらかしか利用できない、というケースも考えられます。できれば両方利用するのがベストではありますが、片方を選ぶのであればつみたてNISAにするのがおすすめです。

つみたてNISAをおすすめする理由は、いつでも現金にできることです。積立投資は長期的に継続して増やすのが大原則であり、ちょっとした値動きや収入の増減に動じて売買を繰り返すのは望ましくありません。しかし、まとまったお金が必要になってどうしても売らなければいけない事情が出てきたときに、換金できるのはつみたてNISAだけです。

iDeCoを利用して拠出したお金は、60歳以降にならないと原則として受け取れません。それまでは金融機関の口座とは別の口座に積み立てられるだけで、死亡や重い障害などの例外的な事情でもなければ、お金を引き出せないようになっています。これでは、急なトラブルでお金が必要になったときに困ってしまうでしょう。

また、つみたてNISAであれば掛金の金額変更が容易です。iDeCoの場合は、紙の変更申請書類を申し込んで郵送してもらい、それを返送して1~2ヵ月してからようやく掛金変更となります。しかも、年1回しか変更できません。それに対してつみたてNISAなら、インターネット上で自由に掛金の変更が可能ですし、換金もパソコンやスマホの操作でできるようになっています。

以上のように、操作の手軽さと換金の容易さを踏まえると、どちらか一方を選ぶのであればつみたてNISAがおすすめできます。ただし、繰り返しにはなりますが、できれば両方利用するのがベストです。

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