老後に必要な生活費の内訳(一人暮らし編)

(写真=create jobs 51/Shutterstock.com)

「一生独身の可能性もあるけれど、老後のお金のことが心配だ」と考える独身者の方は多いのではないでしょうか。年金制度の問題や将来の物価上昇などを考えると、ふと老後に不安を抱いてしまうのは仕方がないかもしれません。

そこで今回の記事では、不安を具体化すべく老後の一人暮らしに必要な生活費について、統計データを紹介します。統計データを基に、いくら資産を形成すればよいのか考えてみましょう。

老後生活のシミュレーションで「不安」を吹き飛ばせ!

老後の一人暮らしが見込まれる人にとって、人間関係もさることながら資金面の不安は大きいものです。また今は夫婦で暮らしていても、どちらかが先に亡くなった場合のことを考えると心配です。

老後生活における資金面の不安を解消するためには、とにかくたくさんのお金を貯め込むしかない……こう考える人が多いのではないでしょうか。それは間違いではないのかもしれませんが、実際に資産の形成に励む前にするべきことが一つ抜け落ちています。それは、具体的なシミュレーションです。「現実的な目標の設定」とも言い換えられるでしょう。

資金面の不安が解消されないのは、具体的なゴールが設定されていないからです。自分は何歳までに何円貯めればよいのか分からないと、資産形成を始めても「これで十分貯まるのか?」と不安になり、結局のところ面倒から逃げるようにお金のことを考えなくなってしまう……そんな人が多いのです。

「たくさんのお金」のゴールをどこに設定するのか、そして現状とゴールまでの距離がどれくらいあるのかを把握する必要があります。把握するためには、老後の一人暮らしの生活費がどれくらいかかるのか、老後の一人暮らしを続けるにはいくら貯めればよいのかシミュレーションすることです。

シミュレーションによって、目標が具体的になります。その目標に向けた行動計画まで具体化すれば、あとはその計画に沿って資産形成を続ければよいだけです。ここまで来れば、漠然とした「不安」が具体的な行動に変化します。

老後の一人暮らしの生活費は?

老後の一人暮らしの平均的な生活費を把握するには、総務省が毎年発表している「家計調査年報」を見るとよいでしょう。家計調査報告では、60歳以上・無職で一人暮らし(高齢単身無職世帯)の平均収入および平均支出が記載されています。

「家計調査年報(家計収支編)平成28年(2016年)III 総世帯及び単身世帯の家計収支」によると、60歳以上の高齢単身無職世帯の月間平均収入(可処分所得)は10万7,648円、月間平均支出は14万3,959円です。したがって、毎月の家計収支は赤字であり、その額は3万6,311円と計算されます。

支出のうち多くを占めるのが、食料費です。月間で3万6,200円に達しており、全体の約1/4となっています。次に多いのが交際費(1万9,172円)、その後は教養娯楽費(1万7,374円)、諸雑費(1万5,328円)、光熱・水道費(1万2,643円)と続いています。保健医療費は7,967円です。

毎月の収支が赤字であるということは、その分を貯金などで穴埋めしなければなりません。その額は年間で43万5,732円、仮に30年間同じ生活を続けるとなると1,307万1,960円が必要になります。病気や怪我による入院、介護その他の支出を考えると、さらに穴埋めする金額は膨らむことになるでしょう。

家計調査報告から明らかに分かるのは、1,000万円以上の貯蓄がなければ老後の一人暮らしは成り立たないということです。逆に言えば、数千万円の資産形成ができれば、少なくとも金銭面では大きな問題を抱えなくて済むことになります。

漠然とした老後のお金の不安は、数字を見ることで具体的な課題に変わりました。あとは、この課題をどのように解決するか、行動計画を考えればよいだけです。

老後の一人暮らしに備えるには?

数千万円を貯めるためには、少しでも早く計画的な貯蓄を始めるべきです。仮に、貯金ゼロの人が毎月5万円の貯金を始めるとしましょう。貯金が1,000万円に達するのは17年目、2,000万円に達するのは34年目です。40歳を過ぎてから貯金を始めるのでは、遅いと言えます。できれば20代から、貯金の習慣を身につけておくのが望ましいでしょう。

貯金するためには、収入を増やして支出を減らすしかありません。会社勤めをしていると、急に収入が増えることは考えにくいので、まずは支出削減を考えましょう。家計簿をつけて支出を「見える化」すると、どの部分に無駄遣いをしているのか一目瞭然になります。

しかしながら、支出削減と貯金だけでは資産増加のスピードが足りません。日本では記録的な低金利が続いており、銀行にお金を預けているだけではほとんど増加しないのが現実です。老後が不安な人、特に今後一人暮らしを生涯続ける可能性のある人は、若いうちから資産形成に本腰を入れる必要があります。

したがって、まずは「月に5万円」の貯金を開始し、半年から1年間分の生活費に当たる金額を貯めましょう。それだけ貯まったら、長期計画で資産運用を開始します。資産運用には元本割れの可能性がつきものなので、あまりハイリスクな金融商品に手を出さないよう心がけましょう。

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