30代で預貯金ゼロから節約と貯金・資産運用で家計を立て直す10の方法

(写真=aslysun/Shutterstock.com)

30代の人の中には、「ほとんど貯金がない」という事実に言い知れぬ不安を感じている人も多いのではないでしょうか。このままだと将来困ってしまう、でも生活のどんな習慣を変えれば預貯金できるのか分からない……などなど。今回はそんな人に向けて、手軽にできる節約・預貯金・資産運用の方法をまとめました。身近なところから、ぜひ取り組んでみましょう。

意外と多い「30代で預貯金ゼロ」

統計データを見る限り、意外にも30代で預貯金のない人は少なくありません。この年代は、高校や大学卒業後に社会に出て、少なくとも10年以上が経過している人が多いはずです。毎月の給料よりも少ない支出で生活する習慣が身についていれば、10年あれば100万円単位で貯めていてもおかしくありません。

ところが実際には、貯めたお金が全くない、むしろ借金を抱えているという人もいるのが現実です。金融広報中央委員会実施の「家計の金融行動に関する世論調査[2人以上世帯調査]」の2017年度版によると、預貯金を含む金融資産ゼロの人が30代の33.7%を占めています。

また、単身世帯調査では30代の実に40.4%が「金融資産を保有していない」と回答しています。どちらも、2016年から比較すると微減しているものの、2人以上世帯の3分の1、単身世帯の5分の2ほどが預貯金を含めた金融資産を持っていないことになります。

なお、金融資産を保有している世帯・人に限ると、2016年よりも資産が増加したという結果が出ています。年齢別データは公表されておらず全世帯をまとめた結果になりますが、金融資産保有額の平均値は2人以上の世帯でも単身世帯でも、前年比で100万円以上増加しています(2人以上の世帯:1,729万円、単身世帯:1,771万円)。

2016年9月頃から2017年12月にかけての株価は、ほぼ右肩上がりで上昇しており、1万6,000円台から2万2,000円を突破するところまできています。金融資産を保有している人が、こうした株価上昇を理由のひとつとして着実に資産を伸ばす一方で、資産のない世帯はこうした恩恵にあずかることができません。

貯金ゼロだと老後に経済リスク?

「単身世帯の5分の2は金融資産を持たない」と聞くと、貯金が全くないか、少しの額しかない人は「貯金ができていないのは自分だけじゃない」と、安心した気持ちがするかもしれません。しかし、そうした世帯が多いのは事実ですが、30代で預貯金ゼロだと将来も資産を増やすことが難しくなるという事実は変わりません。

一般にお金を貯めやすいのは、20~30代にかけての独身世帯や夫婦2人暮らし(DINKS)世帯とされています。子どもの教育や親の介護、自分の怪我・病気など大きな出費を要する出来事は、特に40代以降に次々起こるものです。預貯金しやすいはずの30代で残高ゼロとなると、考え方を大きく入れ替え行動を変えなければ、その後も貯蓄は難しいことが予想されます。

そうなると、当然老後に破たんするリスクもあります。平均寿命が伸び、定年後の生活が20年以上続く可能性が高い現代、生活費を年金だけでまかなうのは苦しく、自分の資産からの「持ち出し」が避けられないのです。

厚生労働省の統計調査「簡易生命表」によると、2016年の平均寿命は、男性でも80.98歳、女性だと87.14歳となっています。65歳で退職したとしても20年や30年生きる人は少なくありません。これだけの期間を「貯蓄ゼロ」で生き延びるのは、きわめて困難だと言わざるを得ないでしょう。

実際、厚生労働省の調査でも、高齢者世帯の貧困率が高いことを示すデータがあります。全人口の可処分所得の中央値を下回る人を「相対的貧困」と呼びますが、高齢者世帯の占める全世帯に対する相対的貧困世帯数の割合は高くなっています。先行きが見えないこの時代には、若いうちから経済的な備えをする必要性は増しているのです。

まずは家計簿で家計を見える化

生活を立て直すために最も基本的かつ大事なことは、自分の世帯収入と支出をできる限りすべて「見える化」することです。

30代で預貯金ゼロの人が、リスクを取らずに短期間で資産を大きく増やす方法は存在しないと言えるでしょう。FXや仮想通貨など投機的な取引で大成功を収めるなどして、短期間で数千万、数億単位の資産を築くことも不可能ではありません。しかし、当然ながらハイリターンである代わりにリスクも極めて高く、短期間で致命的な経済的ダメージを負う可能性が低くない点は忘れてはいけません。

家計を立て直すための効果が出やすい方法は、なにより支出を減らすことです。資産の基盤である預貯金を増やすには、収入よりも少ない支出で生活することが基本の考え方です。計算上は、預貯金を増やすためには収入増か支出減を実現する必要がありますが、収入をすぐに増やすのは容易ではありません。そのため、まずは無駄な支出のカットが最優先になるのです。

その第一歩が、家計簿をつけて支出の内訳をしっかりと把握することです。なんとなく毎日コンビニでお菓子を購入したり、連日同僚や友人と飲みに出かけたり……自分でも無意識のうちに使っている支出は意外と多いものです。こうした実態を明らかにし、必ずしも必要ではない出費を抑える意識を持つことが大切です。

つけること自体が大変な家計簿は、家計簿アプリを利用したり、支払いにクレジットカードを活用したりすることで、自動的に支出が記録される仕組みを取り入れれば労力が減ります。多忙な社会人が手入力で家計簿をつけるのは、予想以上に困難なのであまりおすすめできません。

固定費1:通信費の見直し

支出を見える化したら、次に手をつけるべきなのが固定費の節約です。中でも、会社やプランを見直すだけで月に数千円から1万円以上も比較的簡単に節約できる可能性があるのが、インターネット回線やスマートフォンの通信費です。

たとえば、インターネット回線とスマートフォンを同じキャリアにすると、割引が適用されるケースがあります。また通信会社が実施する「乗り換えキャンペーン」のような特典を利用すると、最初の2年間は安く利用できる場合があります。ほかにも、スマートフォンを「格安スマホ」に乗り換えることでも、ひと月数千円ほど料金が安くなるケースも少なくありません。

自分が利用しているプランをよく調べてみると、不必要な機能を追加した割高なプランを契約している、余計にプロバイダー契約をしている、といった無駄があることもしばしば。思い当たることがある人は、一度チェックしてみましょう。

固定費2:保険料の見直し

固定費で、次に見直したいのが生命保険や火災保険などとの保険料です。通信費と同じく、不要なプランを取りやめたり、別の会社・プランに乗り換えたりすることで月に数万円が下がるケースもあるようです。

よくある落とし穴が医療保険で、必要以上に手厚く高額な医療保険を契約しているケースは珍しくありません。現在、長期入院や長期の治療にかかる費用の自己負担額は、国の保障する「高額療養費制度」によって抑制されているため、家族が健康であればあまりに高額な医療保険は見直してもよいでしょう。

また、住宅ローンを組んでいる人は、必ず「団信(団体信用生命保険)」に加入することになります。この保険では加入者が死亡したときに住宅ローンが清算されるため、生命保険の死亡保障は不要になるかもしれません。住宅ローンを組むときも、保険の見直しで節約できるチャンスなのです。

固定費3:住宅ローン・家賃の見直し

その住宅ローンや家賃にしても、少しの工夫で安くできるポイントがあります。

住宅ローンの場合は、より金利の低い会社やプランを見つけられれば、借り換えることで毎月の返済額が抑制できます。特に記録的な低金利が続く2010年代は、チャンスと言ってよいのではないでしょうか。長期金利の指標となる「新発10年物国債」の利回りは、2017年12月14日現在0.045%と低い水準になっています。

賃貸住宅の家賃を下げることは簡単ではありませんが、契約更新のタイミングで交渉するのもひとつの方法です。借りている物件の家賃が周辺地域の水準より高いことを示すことで、家賃の割引を勝ち取ったケースもあるようです。

変動費1:交際費の見直し

固定費の次は、変動費の見直しに入ります。変動費の中でも、休日の外出や飲み会などの交際費は削りやすい費用のひとつです。人間関係上「誘いにくいと思われたくない」という意識を持っている人もいるかもしれませんが、月に一度飲み会が減るだけで3,000~4,000円の節約になるので、手をつけるべきポイントです。

変動費2:衣服・美容代の見直し

ファッションや美容に比較的多くのお金をかけている人は、この部分を見直すことで家計が大きく改善することも珍しくありません。すべて安物の服で揃えるのは気分が下がるという人は、外出用の服を2~3種類に絞り、室内用の服はファストファッションに切り替えるといったメリハリをつけるように心がけましょう。もちろん、余計な服や靴を買い込むのは避けるべきNG行動です。

貯金1:貯金額の目標を決める

これまで思うように貯蓄ができていなかったという人は、お金を貯められる仕組みを作るのことが大切です。「余ったお金をとりあえず預貯金に回す」という計画性のない方針だと、家計を立て直すのは容易ではありません。

貯蓄計画の第一歩は、目標を決めることです。老後の生活まで考慮するならば、10年単位の長期的な目標、数年単位の中期的な目標、1年間の短期的な目標と3つのスパンに分けて考えるのがよいでしょう。その際、長期的な目標から逆算する形で中期・短期的な目標を決めるようにします。

10年後に1,000万円貯金することを長期的な目標として設定したケースを考えてみましょう。数年後に給料アップが期待できるならば、それを加味して5年後には少なくとも400万円は貯めておきたいところです。目先の1年間は貯金の習慣を身につけることを最優先に、無理のない水準として月に5万円を目標とする……このような形で貯蓄額の目標を設定すると、失敗が少なくなるようです。

貯金2:給料天引きで貯蓄する

もうひとつ取り入れたいのは、給料から天引きでの貯蓄です。金融機関の定期預金や会社の財形制度を利用するのもよいですし、「普段使い用口座」と「貯金用口座」を開設して給料を両方の口座に振り込んでもらう形にしてもよいでしょう。

給料日の前日に余ったお金を貯蓄に回すスタイルだと、なかなか計画通りにいかないかもしれません。「公園の父」と呼ばれ、戦前には資産家でもあった本多静六は、「四分の一天引き貯金」という方法を推奨していました。これは、収入の四分の一を必ず貯金に回し、残りで生活するというシンプルな貯金術です。こうしたものも参考に、精神力ではなく仕組みに頼る形でお金を貯めていくのがおすすめです。

資産運用1:積立投資で少額・貯金感覚の資産運用

預貯金だけでなく、投資信託への積立投資を始めるのも有効です。「ある程度まとまったお金がないと、資産運用はできない」と思いがちですが、月に100円という少額から積立投資ができる証券会社もあります。手軽に少しずつでも資産運用を始めることで、資産が預貯金の利息よりも早いペースで増えていく体験ができます。

慣れてきたら、積立投資の金額を増やすことも簡単です。また、「NISA」や「つみたてNISA」、「iDeCo(個人型確定拠出年金)」といった制度を使って、税制的な優遇を受けながら運用を続ける方法もあります。

資産運用2:種銭ができたら不動産投資で「不労所得」を狙う

ある程度資産を形成できたら、不動産投資で「不労所得」を狙うという運用方法もあります。

不動産は、長く安定的に家賃収入を得られることから根強い人気となっています。情報収集と慎重な判断が求められますが、資産を大きく増やすチャンスでもあります。基本的な情報については、以下の記事をご覧ください。

参考:不動産投資の基本を押さえよう!改めて不動産投資とは

「当たり前」の積み重ねが「一発逆転」の唯一の手段

30代で預貯金ゼロの人が資産を増やすには、これまでできていなかった「当たり前」の習慣を地道に繰り返していくしかありません。貯蓄ゼロになっているのも、小さな無駄遣いが何年も積み重なった結果にほかならないからです。

家計簿をつけて固定費・変動費で見直せる部分を見直し、貯金しやすい仕組みを作り上げること。少しずつ資産運用を始め、資産形成の仕組みを作ること。言ってしまえば、取るべき行動はこれだけです。今すぐに始められることばかりですので、ぜひ今日から貯蓄の第一歩を踏み出してみてはどうでしょうか。

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