お金の貯め方・殖やし方6ステップとは?ごまかさずに考えたいお金の話

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(写真=Atstock Productions/Shutterstock.com)

お金のことで、不安や悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。上がらない給料、上がる税金・年金・保険料、気になる老後……お金の悩みは尽きません。しかし、その対処方法について学んだことのない人も多いものです。

今回は、6ステップに分けてお金のことについてご説明します。今こそ、お金について真面目に考えてみませんか?

「将来への不安」はお金が8割

「将来への不安」とよく言われますが、すべてではないにしても、そのほとんどがお金に由来するのではないでしょうか。

実感としては誰もが知っていることかもしれませんが、終身雇用によって「定年まで正社員として勤め上げる」というキャリアプランは、もはや少数派となっています。厚生労働省の白書である『平成26年度版 労働経済分析』によれば、30代から50代の男性でも「離職回数0回」なのは5割弱となっています。女性の場合は、3割弱しかいません。

転職しているかもしれませんし、会社が倒産しているかもしれません。うつ病や怪我などで休職しているかもしれません。1年後、3年後、5年後、10年後、15年後、……将来の自分が、どの会社で、どういった形態で勤めているのか予測できない時代なのです。当然、必ず収入が上がっているとはとても言えないでしょう。

終身雇用が期待できないとすると、勤め上げた結果としての退職金の金額にも期待できないかもしれません。東京都産業労働局の『中小企業の賃金・退職金事情調査』によると、大卒の人が20年勤めて会社都合で(自分都合ではない理由で)退職した場合、退職金支給額の平均額は508万9000円となっています。

少ない金額ではありませんが、これだけで老後をしのぐのには無理があるでしょう。なお、大卒の人が定年まで勤め上げても、退職金支給額は1,383万9,000円です。大企業であればもっと高額の退職金をもらえるかもしれませんが、そうでなければ決して老後生活をまかないきれるとは言い切れません。

もちろん、老後の医療費や介護、住宅のリフォームなど生活費以外の出費もかかってくることでしょう。年金制度も、少子高齢化で制度の維持が難しくなりつつあり、受給開始年齢や受給金額も含めて予断を許しません。実際に、厚生年金の受給開始年齢は引き上げが決まっています。

つまり、将来に向けて収入が上がるかどうか分からず、退職金や年金には期待できず、出費はかさむかもしれません。こう考えると、お金のことで将来が不安だと感じる人は、まったくもって「正常」な感覚の持ち主なのです。

お金計画その1:まずは収入と支出の「見える化」からスタート

お金のことが不安なら、あいまいな「不安」を具体的な「課題」に置き換えるようにしましょう。まずは、現状のお金の分析からスタートします。

一人暮らしでも実家暮らしでも夫婦二人暮らしでも家族持ちでも、共通して言えることは「収入と支出を目で見える形で把握するべし」ということです。意外と多くの人が、毎月の収入額や支出額も分からないままに「お金が足りない」「お金が貯まらない」と悩んでいるものです。

給与明細が配布されても、一度手取額を見ただけで捨ててしまったり、家のどこにしまったか忘れてしまったりしている人も多いのではないでしょうか。あるいは、家賃や飲み会の費用、コンビニなどの買い物代、アマゾンや楽天などネット通販の代金、スマホゲームやアプリの課金額など、何にいくら使っているのか分からない人も多いのではないでしょうか。

まずは、今月の収入額と支出額を把握しましょう。収入額については、給与明細をなくしても銀行の入金明細を見れば分かるはずです。支出額については、レシートやクレジットカードの明細をとっておくようにしましょう。

おそらく、ほとんどの方が「意外と収入も支出も多かった」という感想になるのではないでしょうか。そして、貯金できている額が少なくて(あるいは家計が赤字になっていて)ハッとさせられたのではないでしょうか。その危機感が、将来の不安を解消する第一歩となります。

お金計画その2:家計簿づくりで「見える化」を継続

収入と支出の記録を続けることで、家計がどれくらい改善したのかチェックできるようにしましょう。家計簿づくりをおすすめします。

しかし、レシートやクレジットカードの明細などを一か月間集めて保管しておくのも、けっこう面倒なものです。銀行やクレジットカードなどは、ネット上で明細を確認できるのですが、いちいち別のサイトにログインして数字を見るのも大変です。

そこでおすすめしたいのが、ネットのブラウザやアプリから利用できるオンライン家計簿の利用です。オンライン家計簿は、複数の銀行口座や証券会社のアカウント、クレジットカード会社のオンラインアカウントなどのデータを同期させることで、レシートや明細などを集めることなしにお金の流れを一元化します。これによって、収入や支出の集計がグッと楽になるはずです。

さらに作業を楽にするために、二つアクションが必要です。一つ目は、銀行や証券会社などのデータは、すべてネット上で見られるようにしておくことです。中には、通帳や領収書など、紙でしか記録を見られないようになっているケースがあります。そうした場合は、ネット上で記録を閲覧できるように設定を変更しましょう。方法は、各会社の公式サイトを見るか、コールセンターに電話して確認してください。

二つ目が、ちょっとした買い物も極力クレジットカードで決済することです。現金を使用すると、買い物の記録を自分でオンライン家計簿に入力しないといけません。クレジットカードを利用すると、自動的に記録が入力されます。それに、クレジットカードのポイントがつくので実質的に少しだけお得に買い物できます。将来に向けてお金の管理を強化したいのであれば、これを機にカード払いへ切り替えるとよいでしょう。

以上のように、オンライン家計簿でお金の動きをいつでもチェックできるようにします。これで、将来の準備に向けた第一段階である「現状把握」が完了です。


お金計画その3:お金の人生設計

現状を把握できたら、次は将来を考えます。将来のどの段階でいくらぐらいの支出が必要か、分かる範囲で見積もってみるのです。もちろん未来は常に不確定ですから、予期せぬ出費もあるでしょう。ひとまず、一般的に「人生の三大費用」と言われる教育費・住宅費・老後資金の三種類を考え、場合によっては結婚費用・出産費用を加えて見積もりましょう。

まず教育費ですが、幼稚園から高校まで公立、大学は国立という仮定で算出してみます。文部科学省の調査によると、それぞれ以下のような費用が年間でかかってきます。

・ 幼稚園:22.2万円
・ 小学校:32.2万円
・ 中学校:48.2万円
・ 高校 :41.0万円
・ 大学 :入学料28.2万円、授業料53.6万円

これらを合計すると、およそ747.8万円かかることになります。もちろん、これは公立と国立しか利用しなかったケースなので、私立や習い事を増やすなどの事情によって大きく膨らみます。大学を私立に変えただけでも、数百万から数千万円の出費増となることが予測されます。児童手当や奨学金があるとしても、1,000万円くらいは自力で支払うことになると考えておくべきでしょう。

次に住宅費ですが、国土交通省の分析によると勤労者世帯における平成28年度の住居費支出割合は持家で15.3%、民営借家で13.2%です。勤労者世帯の世帯平均年収は709万円なので、持家世帯は約108万円、民営借家世帯は約94万円を住宅費として支払っている計算になります。平均寿命である80歳ごろまで年間でこの金額を支払うと考えて、合計費用を計算してみましょう。たとえば、現在30歳の民営借家住まいの人は、あと50年間で約4,700万円を支払うことになります。

最後の老後費用ですが、総務省の平成27年度版家計調査によると65歳以上かつ無職世帯における一ヶ月あたりの支出額は約26.7万円となっています。厚生年金の平均月額は約14.5万円、国民年金の平均月額は約5.5万円なので、毎月約6.7万円は貯金を切り崩す計算です。年間で約80.4万円となり、80歳まで生きると約1,206万円、100歳までだと約2,814万円になります。老後に全くぜいたくせずに暮らしても、1,000万円以上は確実に必要です。

以上の三大費用を合計すると、将来の必要金額が分かります。ただし気をつけたいのが、これはあくまで最低限であるということです。誰も病気や介護にならず、不慮の出費もないという前提を置いているため、実際はその1.5~2倍は必要になるケースもあります。

お金計画その4:ベストなお金の貯金方法

将来に向けて必要な金額をざっくり見積もったら、いよいよそれをまかなうための方法を考えていきます。いちばん分かりやすいのは、節約と貯金です。

単純に考えると、4分の1を貯金に回すことができれば、4,000~5,000万円ほどは貯められる計算になります。国税庁の『平成27年民間給与実態統計調査』によると、男女合わせた給与所得者の平均年収は420万円です。仮に昇給がないまま40年間この年収が続くとすると、約1億7,000万円得られます。地道に貯金を続け、派手な出費を控え、老後もつつましく生活すれば、ほぼお金の心配をすることなく生きられるでしょう。

貯金方法としておすすめできるのは、貯金の分を天引きしてしまう方法です。給料日直前の残金を貯金に回す人が多いのですが、これでは計画的に貯金を続けられません。「今月は飲み会が多かったから……」「今月は結婚式に二回も出席したから……」など、何かにつけて出費が予定を上回ってしまいます。そうすると貯金はおぼつきません。

まずは、普段使っている口座以外に「貯金用口座」を作りましょう。定期預金の形でもかまいませんし、自分で給料日に貯金額を移してもかまいません。普段の口座で貯金しようとすると、つい使ってしまう可能性があります。自分の忍耐力や誘惑への強さに頼るのではなく、いやでも貯金せざるを得ない仕組みを強制的に作ってしまった方が長続きするものです。

お金計画その5:貯金だけでは足りない!資産運用と複利の力

先ほどのシミュレーションでは、生涯収入約1億7,000万円の4分の1ほどを貯金に回す想定でした。これだけでも4,000~5,000万円貯められますが、実際のところこれでは不足する人も多いと考えられます。「三大費用」のシミュレーションでは、教育費に最低1,000万円、住居費に5,000万円弱、老後資金に1,000万円以上かかることになっていました。

そもそも、日本の銀行に預けても利息はほとんどつきません。お金を増やすことを考えるのであれば、株式や債券、投資信託などを通じて、資産運用が必要不可欠です。場合によっては元本割れのリスクもあるものの、銘柄をうまく選べば年平均で4~5%にすることも非現実的な話ではありません。

たとえば、年間100万円を貯金すると、40年間で4,000万円になります。しかし、これを資産運用によって年率5%の金利で回したとすると、40年間で約1億2,000万円にもなります。生じた利子を使わないで元金に組み入れる方式を「複利」と言いますが、複利の力はこれほど大きなものなのです。

できるだけ早く、資産運用について勉強して積立を始めるべきです。たとえば、SBI証券では1銘柄100円から投資信託の積立ができるようになっており、初心者でも手軽に資産運用を始められます。

お金計画その6:投資に必要な「リソース調達力」

投資や資産運用の方法にはいろいろありますが、実は他人から必要な資本を融資してもらう「リソース調達力」が必要なケースがあります。その典型が、不動産投資です。

会社(法人)を考えてほしいのですが、社長や社員のポケットマネーだけで事業を始めることはほとんどありません。株式や社債、あるいは銀行融資などといった形で、他人からお金を融通するのが当たり前です。トヨタやソフトバンクなどのような巨大企業でも、それは変わりません。

さらに言えば、「事業」を大きく育てるのに他人資本は必要不可欠です。自分たちだけでは小さなスケールでしかありませんが、他人の力を借りることでスケールを何倍、何十倍にも膨らませることができるのです。投資や資産運用も、規模の違いはあっても「事業」であることに変わりはありません。それであれば、他人資本の力を借りて「事業」を大きく育てるという考え方もあって当然でしょう。

積立投資のようにごく小さな資本で始められる投資もあれば、不動産投資のように数千万円レベルの資金投入の必要なものもあります。不動産投資は、他人資本によって「レバレッジ」を利かせ、スケールメリットを享受し、大きな利益を狙う資産運用方法となります。

サラリーマンであれば信用があるため、金融機関のローンも利用しやすいという利点があります。ローンは少しずつ返済しなければいけませんが、不動産投資なら家賃収入が定期的に発生しますから、自分の貯金を取り崩して返済する可能性は大きくありません。不動産の資産価値が上がれば、売却して大きな利益を狙うこともできます。

最も貴重なのはお金ではない!最重要資産○○をあなたはどう使う?

貯金にしろ投資・資産運用にしろ、実は最も貴重なのはお金ではありません。時間です。お金は長期的な視野で少しずつ増やすものなので、時間があればあるほど増えやすいと考えられます。

また、お金をある時期に損しても、後から取り返すことはできます。しかし、時間を一度失ってしまうと、それは二度と戻ってくることはありません。お金の無駄な消費は、収入で埋め合わせられるのですが、時間の無駄な消費は埋め合わせ不可能です。

その意味で、今回ご紹介したお金の現状把握、目標設定、貯金、投資・資産運用といった作業を若いうちから始めることはとても重要です。時間を無駄にしないためにも、まずは勉強のために情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。


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