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購入前に要確認!マイホームと不動産投資を比較してみた

(写真=kosmos111/Shutterstock.com)

サラリーマンが不動産投資に挑戦してみたいと思った場合に、多くの人が悩むことは「マイホームと不動産投資はどっちを先に選ぶべきか?」ということではないでしょうか。マイホームも買っていないのに投資用の物件を買って大丈夫なのか、あるいはマイホームを買ってしまうと投資用の物件は買えないのだろうか、といった疑問が生まれます。今回はその両方について比べてみました。

不動産投資には金融機関の融資が伴うので、二の足を踏む人も多い

もし知人がマイホームを購入したと聞いたら「新居おめでとう!」と言ってお祝いをするのに、投資用不動産を買ったと知ったら「負債を抱えて大丈夫?」と心配するのが、一般的な反応だと思います。

確かに不動産購入の経験がない人が、いきなり1,000万円単位の借金をするのはハードルが高いと感じるでしょう。しかし、一概に「不動産投資の方がリスクが高い」と言い切れるでしょうか。負債を抱えるという意味ではマイホームだろうが、収益不動産だろうが、事情は同じはずです。

ただ貸付の目的が違うので、審査基準も異なることになります。住宅ローンは「個人が自分自身が住むために物件を購入する」貸付になるのに対して、不動産投資ローンは「マンションやアパート、戸建てを賃貸する投資目的の事業」に対する融資となります。

一般に、住宅ローンは購入者の年収や返済能力が審査対象となります。対して不動産投資ローンは、物件の価値や事業の採算性が重視されると言われています。そのため、本人の属性だけではなく、購入する物件の属性も判断基準になります。

マイホーム購入に関しても大抵の場合は融資を組んでいる

「マイホームを現金で買える」という人なら何の心配もありませんが、ほとんどの人が高額の住宅ローンを抱えて購入するのではないでしょうか。これから先、30年以上もの長期間にわたって、住宅ローンを払い続けていかなくてはなりません。

また「マイホーム」を持つということに必要なお金は、住宅ローンの金額だけではありません。管理費・修繕積立金、そして固定資産税などばかになりません。よく自宅を賃貸か購入かで悩む方がいますが、これらの経費を頭に入れずに比較される方が多いのも事実です。

さらに住宅ローンは、返済の元になる原資が自分自身の労働によるものです。昇給が止まったり、ボーナスが減額されたり、病気になって働けなくなったり、あるいは会社が倒産したり、リストラされたりということが起きた場合に、「原資」がなくなってしまい、債務不履行になる可能性もあります。

住宅ローンは「みんなが借りている」という安心感があるため、簡単に借りてしまえますが、逆に後々のリスクはあると考えた方がよさそうです。

どちらも融資を組み不動産を購入するが、どちらの方が安全か

例えば住宅ローンを組んでマイホームを購入すると、ローンの返済をするのは、自分自身です。仕事で稼いだ収入から長い時間をかけて、元本と利息を払い続けなければなりません。病気で働けなくなる、想定外の支出がかさむ、年収が減るなどの予期せぬ出来事が起こればローン返済ができなくなるリスクがあり、そのリスクは購入後数十年の人生に付きまとうのです。

不動産投資であれば、借入れを返すための原資は基本的にはその物件から入ってくる賃料です。もし万一、空室などで原資が不足した場合でも、給料から補填できます。マイホームの場合は最初から給料が返済原資のすべてになります。給料が減ったり、リストラなどの影響から一時的にでも無くなった場合のバックアップはありません。物件を売って全額返せれば良いですが、残債が多いと最悪の場合は売却しても借入金が残ってしまいます。

マイホーム購入のためにローンを組み、その後、投資用不動産の購入を検討したとします。すると、投資のスタート時点ですでに数千万円の残債がある状態になります。マイホームは収益を生まないため、返済比率が高くなる傾向があり、融資の際に不利になることもあります。

住宅ローンを組んでいると投資用のローンが組みにくい可能性も

不動産投資を行うには「資金調達」が大きなポイントになります。現金をたくさん持っている資産家であれば、不動産投資をすぐに始めることができますが、それ以外の人は資金調達をするために融資を受ける必要がありますし、融資可能額によって、不動産投資ができるかどうかも決まってきます。

ローン組む際によく聞く「与信」とはいったい何でしょうか。国語辞典では「信用を供与すること」と書かれています。ビジネスの場面では、不動産投資に限らず、融資の場面において「お金を貸し出せる金額や条件を決めて供与する」という意味です。与信の条件や範囲を「与信枠」と言ったりします。金融機関によって融資可能金額や条件は異なりますが、「与信」と言う限りは上限があります。

マイホームと不動産投資をどちらも手にしたいという気持ちを持つ人は多いですが、順番が違うだけで銀行に与える印象は大きく変わります。先に住宅ローンを組んでマイホームを購入していると、銀行では「財産ではなく負債」と受け止めるようです。なぜならば投資用不動産と異なり、マイホームはキャッシュフローを生まないからです。マイホームは住むことによって「消費」してしまうので、キャッシュフローは常にマイナスと判断されるのです。

つまり、マイホームは収益を生まない「高額な消費」と受け止められてしまいます。バブル時のような地価上昇のタイミングは例外として、新築物件であれば買った瞬間に売却価格は下がると考えられています。

さらにマイホームで気を付けておきたいのは、新築の居住用マンションは通常であれば、購入金額ほどの価値で銀行は評価しないという点です。例えば3,500万円のマンションをマイホームとして購入した場合、固定資産税評価額は約半分の1,800万円ほどになる場合が多いのです。借入れをした3,500万円よりも保有しているマンションの評価額の方が圧倒的に低いため、貸借対照表(バランスシート)上の資産と負債のバランスが悪い状態になる可能性があります。たとえ2割の頭金を入れていても住宅ローンは2,800万円の借入れ、その差額の約1,000万円の負債とみなされてしまいます。

もちろん、一流企業に勤めている、年収が多い、もともと財産を持っている、属性が良いなどの好条件であれば、話は変わってくる場合がありますが一度、冷静になって考えてみる必要がありそうです。

むしろ不動産投資で収益を上げると、その分年収も増加します。不動産投資で得た利益を、給与収入に上乗せすることができるからです。結果的に、ローンを組む際の与信枠を広げることにつながります。

マイホーム選びと不動産投資物件選びは、選択の視点が違う

マイホームを購入するときに、売却時や賃貸に出した場合のことを考えて購入する人は少数派です。購入価格が自分の払える金額だった、実家に近いなど、自分のライフスタイルや嗜好に合わせて購入することが多いのではないでしょうか。

なかには、「子どもの保育園が近いから」といった理由で選ぶ人も多いようです。ただ子どもが保育園に通うのは人生の数年です。アッという間に大きくなってしまい、「マイホームとして選んだエリアの理由」が関係なくなってしまいます。多くの人が意外に短期的な視点でマイホームを購入している場合が多いのです。

問題なのは、それが市場性を視野に入れていないことが多いからです。誰でも「投資」として物件選びをするときは、そのエリアが収入に結びつくかつかないか、シビアな視点で選びますが、「マイホーム」に関しては、夢や好き嫌いなどの「あいまいな理由」で選んでしまいがちです。

駅近のタワーマンションのように賃貸ニーズが高くて、すぐに入居者が見つかるような物件であれば問題ありません。しかし、郊外のマンションや自分のこだわりで建てた一戸建てのような物件は、将来誰かに賃貸をする前提では選んでいないでしょう。自分たちのライフスタイルや嗜好で建てることが多いため、いざという時に借り手がすぐに見つかるかどうかは考慮されていません。

しかもマイホームも永遠に住めるとは限りません。「マイホームを買った瞬間に転勤になった」という話をよく聞きます。考えすぎかもしれませんが、人事から見ると「マイホームを買った人はよほどのことがない限り転職しないだろう」という安心感で転勤に結びつく可能性もあります。

転勤の間はマイホームを賃貸に出す、という選択肢もありますが、通常のマイホームの場合、賃貸を前提に作られた物件ではないため、入居者がなかなか見つからなかったり、賃料が低めになってしまうこともあるようです。

会社を辞めてしまったり、子どもが独立したり、住んでいる場所が不便に感じたりと、いつまでも同じ場所に住み続けることは難しいのがこれからの時代です。自分が病気になったり、親の介護が必要になるかもしれません。住宅ローンを払い続ける35年間、いつまでも同じ条件で、同じ物件が最適だということは、考えにくいのではないでしょうか。

安全性とリセールバリューから「不動産投資」の方が安全と言える

将来、生活スタイルが変わる、家族構成が変わることなどを考慮し、マイホームを売却する必要ができたときのことも考えておきましょう。現在、日本全体では住宅供給が過剰な状況になってきており、買うよりも売るほうが一般に難しい、ということも頭に入れておきたいものです。

また通常のマンションや戸建てのようなマイホームとして取引されている物件の場合は、取引相場や地価相場が基準になりますが、投資物件の場合は収益還元法によって査定するのが一般的です。

マイホームの場合は都心ならば下がりにくい傾向がありますが、郊外の場合は今後大きく値下がりする可能性もあることを念頭に置いておきましょう。不動産投資の場合は利回りで売買されるので、都心などの特別なエリアではなくても、家賃を下げない努力をすれば、価格を維持できる可能性があります。

売却する場合には、マイホームは自分自身の生活のタイミングと市場の売却のタイミングが合わない場合が多いでしょう。その点、投資物件は、市場の動向に素早く対処することができます。リセールキャッバリューが高いタイミングで売り抜けたり、逆に景気の悪化が予想されるタイミングで早めに損切りしたりと、投資物件なら売却のタイミングを逃さない人でも、マイホームではついタイミングを逃してしまう場合が多いのです。

自宅を買うときは、生活スタイル、設備、住環境、教育、その他、さまざまな夢や家族の希望に左右されて購入します。投資物件を買うときも当然、エリアの特性や入居者の属性、築年数、設備などを考慮しますが、それ以上に再度売り出すときの価格、すなわちリセールバリューを考慮して購入します。リセールバリューを頭に入れて投資をしていれば、何かお金が必要な時に売却しても大きな損を出すリスクも減らせます。

そういう意味で、リセールバリューを考慮していないマイホーム購入の方がリスクは高いとのではないでしょうか。たとえマイホームが欲しくても、先に不動産の投資で収益を上げて、自分自身の与信を高めた後で購入したほうが、より満足のいくマイホームが手に入るかもしれません。

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