人生100年時代に資産寿命を延ばす方法とは?老後の資産運用の注意点も解説

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平均寿命が延び続けており、「人生100年時代」と言われるようになりました。老後の生活期間が長くなるのは喜ばしい一方で、お金に対する不安を感じることもあるかもしれません。なるべく資産を長持ちさせて、老後を豊かに過ごすにはどうすればよいのでしょうか。

本記事では、資産寿命を延ばす方法と老後の資産運用の注意点について解説します。

資産寿命とは?

資産寿命とは、老後の生活を営んでいくにあたって、これまで形成してきた資産が尽きるまでの期間のことです。「生命寿命」「健康寿命」と関連して、資産寿命という言葉が使われるようになりました。

定年退職すると、基本的に主な収入は年金のみとなります。年金だけでは生活費が足りない場合は、預貯金などを取り崩して補わなくてはなりません。資産寿命が長いほど、お金の心配をすることなく老後生活を過ごせます。

なぜ資産寿命を延ばす必要があるのか

厚生労働省の簡易生命表によれば、2020年の平均寿命は男性が81.64年、女性が87.74年です。1947年以降は一貫して拡大傾向にあり、1990~2020年の30年間で男性は5.72年、女性は5.84年延びています。

平均寿命が現在ほど長くなかった時代は、年金だけで老後を過ごすことができました。しかし、現在のように老後の生活期間が長くなると、年金や退職金だけでは生活費が不足する恐れがあります。

豊かな老後を過ごすには、寿命を迎える前に資産が尽きることのないよう資産寿命を延ばす必要があります。

人生100年時代に資産寿命を延ばす方法

資産寿命を延ばす方法はいくつかありますが、中でも有効なのが「老後も資産運用を続けること」です。運用しながら計画的に取り崩すことで、資産を長持ちさせる効果が期待できます。

資産寿命シミュレーション

資産運用によって、資産寿命をどれくらい延ばせるかを確認しましょう。

金融資産2,000万円を65歳から年120万円(月10万円)取り崩す場合のシミュレーション結果は以下の通りです(税金、諸費用等は考慮外)。

想定利回り(年率) 資産寿命
0%(運用しない) 16年8ヵ月(81歳8ヵ月)
3% 23年2ヵ月(88歳2ヵ月)
5% 35年11ヵ月(100歳11ヵ月)

まったく運用しない場合、資産は81歳8ヵ月で底をついてしまいます。一方で、3%で運用する場合は88歳2ヵ月、5%なら100歳11ヵ月まで資産寿命を延ばせます。

あくまでもシミュレーション結果であり、この通りに運用できるとは限りません。それでも、老後も資産運用を続けることで、預貯金のみよりも資産寿命を延ばせる可能性はあります。

資産寿命を延ばすために必要なこと(ライフステージ別)

資産寿命を延ばすには、若いうちから資産形成や資金管理に取り組むことが大切です。ここでは、資産寿命を延ばすために必要なことをライフステージ別に紹介します。

現役世代

現役世代はマイホームの購入や教育費など、まとまったお金がかかるライフイベントがあります。自分に合ったマネープランを検討し、少しでも早く資産形成に取り組むことが大切です。将来を見据えて、まずは少額から貯蓄や投資を始めましょう。

財形貯蓄や積立定期預金を活用し、毎月の収入から自動的に積み立てると無理なく貯められます。ある程度の貯金ができたら投資も検討しましょう。

投資は預貯金に比べて利回りが高いため、資産を大きく増やせる可能性があります。ただし、元本割れのリスクもあるので、投資先を分散させるなどリスクを軽減する工夫が必要です。

退職前後

退職前後は保有資産を把握して、老後の生活費としていくら準備できるかを確認しましょう。住宅ローンなどの負債が残っている場合は、何歳までに完済できるか見通しを立てます。状況によっては、就労の継続や年金の繰下げなども視野に入れる必要があります。

退職金がある場合は、それを踏まえたマネープランを検討することが大切です。資産運用を行ってきた場合は、運用の継続と取り崩しの計画を立てましょう。

高齢者

資産寿命を延ばすには、平均寿命よりも長く生きることを想定したマネープランが必要です。預貯金と資産運用を併用しながら、計画的に資産を取り崩しましょう。

また、心身の衰えや認知・判断能力の低下への対策も重要です。家族や専門家と相談しながら、判断能力が低下しても安全に資産を管理できるよう準備を進めましょう。

資産寿命を延ばせるおすすめの運用方法

資産寿命を延ばすために投資を始める場合は、どんな方法を選べばよいのでしょうか。ここでは、おすすめの運用方法を2つ紹介します。

投資信託

投資信託は、複数の投資家から集めた資金を一つにまとめ、専門家が株式や債券などで運用を行う金融商品です。少額から購入でき、運用をプロに任せられるため、初心者でも始めやすい商品といえます。

投資信託は積立投資に対応しているのもメリットです。最初に積立の設定をしておけば、金融機関が自動的に購入してくれるため、手間がかかりません。

投資信託で運用する場合は、非課税制度の「iDeCo(個人型確定拠出年金)」や「つみたてNISA」などを活用するといいでしょう。投資の利益には通常約20%の税金がかかりますが、iDeCoやつみたてNISAは非課税で運用できるため、効率よく資産形成ができます。

投資信託は販売手数料や信託報酬などのコストがかかるので、複数の商品を比較してなるべくコストが低いものを選ぶことが大切です。

不動産投資

不動産投資は、マンションやアパートなどの収益不動産を購入し、入居希望者に貸し出して家賃収入を得る方法です。入居者がいれば毎月家賃が入ってくるため、生活費として使いやすい特徴があります。

資金が足りなくなったら、売却してまとまったお金を手に入れられます。一般的に不動産は預貯金よりも相続税評価額が低いため、子どもに資産を残す場合は相続税対策としても活用できます。

収益不動産は高額ですが、自己資金で購入するのが難しい場合はローンを利用することも可能です。家賃収入からローン返済を進めることで、効率よく資産を作れるでしょう。

なお、不動産投資は入居者がいないと家賃が入ってこないので、空室リスクの低い物件を選ぶことが重要です。初心者は不動産会社のサポートを得ながら物件を選ぶことをおすすめします。

老後も資産運用を続ける場合の注意点

資産運用は資産寿命を延ばすのに有効な手段ですが、注意しなくてはならないこともあります。ここでは、老後も資産運用を続ける場合の注意点を解説します。

ポートフォリオを見直す

老後の資産運用では、ポートフォリオ(資産配分)を見直すことが大切です。退職後は基本的に年金収入のみとなるので、現役世代よりもリスクは取りづらくなります。リスクを軽減するために現役時代よりもリスク資産の保有割合を減らし、預貯金を多めに確保しておきましょう。

計画的な取り崩しを行う

運用資産の計画的な取り崩しも重要なポイントです。まとまった退職金が入ると安心してしまい、つい浪費してしまうかもしれません。しかし、何も考えずにお金を使うと、早期に資産が尽きてしまう恐れがあります。想定より長生きしても耐えられるように、運用資産の計画的な取り崩しを心掛けましょう。

認知・判断能力の低下に備える

高齢期を迎えると、健康維持に気をつけていても体力や認知機能が低下することがあります。心身ともに健康なうちに、家族と資産管理や相続について話し合うことが大切です。意思疎通がとれなくなって家族が困ることがないように、早めに必要な対策を講じましょう。

不動産の所有者が認知症などにより、判断能力が低下してしまった場合、その家族はその人の代わりに不動産を売却することは原則できません。

まとめ

お金の心配をせずに安心して老後を過ごすには、資産寿命を延ばすことが重要です。老後も資産運用を続けながら計画的に取り崩すことで、資産を長持ちさせることが可能となります。まずは少額から投資をはじめ、必要に応じて老後も資産運用を継続しましょう。

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